2025.02.27 プレミアリーグ観戦記2024-25プレミアリーグ観戦記
【MAN.UTD×Ipswich】マグワイアよろしく!のマン・ユナイテッド、10人で守った退屈な勝利!
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あれから3ヵ月が過ぎ、ミッドウイークの27節はオールド・トラフォードでイプスウィッチ。マンチェスター・ユナイテッドは、降格候補との再戦でポジティブな変化を見出せるのでしょうか。公式戦22試合で9勝4分9敗、プレミアリーグは4勝3分8敗。テン・ハフの頃とスタッツを比較すると、最も気になるのはチャンスクリエイトで、90分あたり11.7回から9.5回に減っています。
個々の数字を見ると、明確によくなっているのは90分あたりのゴール数ぐらいです。ただし、0.89から1.2は、前任者が悪すぎたというしかありません。ビルドアップも前線の連携も課題を抱えているのがわかる象徴的な数字を、2つ挙げましょう。ひとつは、アンドレ・オナナのゴールキック。パスワークに長けた守護神は、61%をハーフラインの向こう側に蹴っています。
もうひとつはラスムス・ホイルンドのシュート数。90分あたり1.2本は、プレミアリーグで900分以上プレイしている58人のFWのなかで55位です。ザークツィーの2.0本も36位で、ブルーノ・フェルナンデスからボールが出なければ、フィニッシュに辿り着かない状態になっています。必勝の一戦は、いよいよキックオフ。前線はガルナチョ、ホイルンド、ザークツィーです。
直近のプレミアリーグ5戦で4ゴール。イプスウィッチの59失点はワースト2で、貧攻の改善を期待して見始めたのですが、4分にいきなりミスから失点を喫してしまいました。ロングフィードを追ったパトリック・ドルグは、出てきたオナナが間に合わないと判断したのなら、大きく蹴り出すべきでした。
ぎりぎりで出したバックパスはオナナの脇を抜け、ゴール前で追いついたフィロジーンが無人のゴールに悠々と流し込みました。早くイーブンに戻したいマン・ユナイテッド。9分の左からのCKがファーに入ると、マグワイアのヘッドはGKパルマーがセーブし、こぼれ球を右足で合わせたダロトは打ち上げてしまいました。
ブルーノ・フェルナンデスが後方に下りてきて、パスを散らす状態はいいとはいえないでしょう。3バックが深くなりがちな3‐4‐2-1は間延びしており、パスミスがあれば厳しいカウンターを喰らいそうです。20分に右サイドでキープしたのはウガルテ。ボックス右に出た斜めのボールに走り込んだザークツィーは、ボレーが空振りに終わっています。
22分の左からのFKは、ブルーノ・フェルナンデス。中央に出た速いボールをクリアしようとしたモーシーは、自らのゴールにヘッダーを突き刺してしまいました。26分の勝ち越しゴールも、セットピース。CKからのマグワイアのヘッドをセーブしたパルマーは、こぼれ球に反応したダロトのスライディングボレーも右に弾いたのですが、詰めたデ・リフトが左足でプッシュしました。
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オンフィールドレビューの結果は、1発レッド。アモリム監督は、ガルナチョを下げてマズラウィを投入しました。10人になったチームは、リードを守ってハーフタイムを迎えたがったのですが、48分に右から入れたフィロジーンのクロスがデラップの足元を抜け、そのままファーのサイドネットに収まりました。11人でも5試合で4ゴールなのに…!
後半の最初のCKは47分。ブルーノが右から入れたボールに競ろうとしたデ・リフトは触れず、後ろにいたマグワイアのヘッドがネットを揺らしました。ぎりぎりまでボールを見て、デ・リフトは無理とジャッジしなければ頭を突き出せなかったでしょう。地味なスーパーショットは、勝負を決めた1発でした。
3-2となってからしばらくは、攻める姿勢を見せていたのですが、徐々にイプスウィッチがペースをつかみ、守備の時間が増えていきます。好調のブライトン、クリスタル・パレス、フラムならやられていたかもしれません。今季プレミアリーグの26試合で24ゴールのアウェイチームは、3ゴール以上が1回しかなく、10ゴールのデラップを止められると打ち手に窮するチームです。
67分にホイルンドが下がり、カゼミーロ。9番はシュートを打てなかっただけでなく、ボールタッチ12回&パス成功5本というひどいスタッツで出番を終えています。マン・ユナイテッドの前半のポゼッションは61%で、後半は28%。右サイドから必死に攻めた青いシャツが、後半の最初のオンターゲットを記録したのは、87分になってからです。
サイドチェンジを受けたフィロジーンが左足でニアを狙うと、オナナが難なくキャッチ。前節のエヴァートン戦は、70分までxGが0.04という低調ぶりでしたが、今日のセカンドハーフは0.08です。3ゴールはすべてセットピースで、オウンゴールが1発、「マグワイアよろしく!」から2発。失点は2つともオナナの微妙なプレイで、0-0で終わってもおかしくない展開でした。
アモリムの主要スタッツの改善は、「3ゴール」のみ。今日は静かにブルーノのプレースキックとマグワイアのヘッダーを称え、次に目を向けることとしましょう。攻め続けて決められないアーセナルを見た後、何か決まっちゃうマンチェスター・ユナイテッドに困惑し、絞り出したまとめのひとことは、「これもフットボール」という月並みな言葉だけでした。
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