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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

残り4試合はライバルとのガチンコ勝負!チェルシーはなぜ、アウェイで勝てなくなったのか?

ウルヴスに2-6で圧勝した後、ボーンマス戦とウェストハム戦はクリーンシートで開幕3連勝。アンフィールドでは1‐2で競り負け、オールド・トラフォードはドローでしたが、12月8日のスパーズとのロンドンダービーは3‐4で勝ち切っています。6勝1分1敗で23ゴール。ここまでのチェルシーは、「アウェイで強いチーム」でした。

ブレントフォードに勝った16節終了時点で、リヴァプールに2ポイント差の2位。この頃は、8年ぶりのリーグ制覇の可能性が議論のネタになっていました。しかしここから、チェルシーの失速が始まります。ボクシングデーの直前に行われたエヴァートン戦から、5試合連続勝利なし。直近のアーセナル戦までのプレミアリーグ13試合は、4勝3分6敗という厳しい戦績となっています。

とりわけ気になるのは、ホームとアウェイの二重人格です。スタンフォード・ブリッジでは4勝1分1敗なのですが、得意だったはずのアウェイは2分5敗と別なチームになってしまいました。マレスカ監督のチームに、何が起こっているのでしょうか。さっそくひとつ、種明かしをしましょう。ホームとアウェイの相手が極端に違うという事実を隠すわけにはいきません。

「現在、ホームで4連勝中」と書くと威勢がいいのですが、勝った相手を並べると、ウルヴス、ウェストハム、サウサンプトン、レスターと16位以下のチームばかりです。一方、アウェイの5敗はイプスウィッチ、マンチェスター・シティ、ブライトン、アストン・ヴィラ、アーセナルと難敵が勢ぞろい。「おい!」と突っ込みたくなるチームは、ひとつだけです。

とはいえ、ブライトンとアストン・ヴィラはホームでは4‐2、3‐0で完勝しており、後半戦のアウェイ7試合でわずか3ゴールという惨状は気がかりです。あらためて、彼らの現状を掘り下げてみましょう。年末から停滞が続いている最大の理由は、前線の主力の不振と離脱です。ニコラス・ジャクソンの最後のゴールは、リヴァプールに最も近づいたブレントフォード戦でした。

そこから8試合ノーゴールだったストライカーは、2月にハムストリングを痛めてリタイア。ウルヴス戦のハットトリックでレギュラーの座を手に入れたノニ・マドゥエケも、エースが去った次の試合から負傷者リストに加わっています。10番として攻撃の舵を取っているコール・パルマーは、1月15日のボーンマス戦以来、公式戦10試合連続でゴールもアシストもありません

ジェイドン・サンチョはスパーズとの殴り合いで決めてから、ゴールはゼロ。カンファレンスリーグとカラバオカップで猛威を振るっていたエンクンクに、ニコラス・ジャクソンの代役は務まらず、年が明けてからのゴールはモアカム戦とサウサンプトン戦だけです。前線の選手の数字を並べると、こんなチームがなぜ4位に踏み止まっているのかと疑問を抱く人もいるでしょう。

その答えに辿り着くために、年が明けてからの公式戦14試合の24ゴールを見てみました。チームのリーディングスコアラーは、3ゴールのククレジャとアダラビオヨです。彼ら以外の最終ラインの選手は、リース・ジェームズが2ゴールで、コルウィルが1ゴール。これにオウンゴール2発を足し込むと、「半分に迫る11ゴールは後ろと相手が決めている」となります。

これらのゴールのほとんどはスタンフォード・ブリッジで、アウェイで決めたのはコペンハーゲン戦のリース・ジェームズのみ。ブライトンとのFAカップの先制ゴールは、GKフェルブルッヘンのオウンゴールでした。プレミアリーグのTOP10には5戦全敗。ノニ・マドゥエケとエンソ・フェルナンデスがひとつずつ決めただけで、現在の前線の主力は沈黙し続けています。

つまり、チェルシーがプレミアリーグでTOP4をキープしているのは、「残留を争うクラブとのホームゲームで、後方の選手たちが決めているから」。もうひとつ付け加えると、「ガンガン連勝し続けるライバルがいないから」です。なぜ今、こんな話を取り上げたかというと、彼らのラスト9試合の相手がやっかいだからです。

何とか勝ってきたホームは、トッテナム、イプスウィッチ、エヴァートン、リヴァプール、マンチェスター・ユナイテッド。モイーズが復帰したエヴァートンは、プレミアリーグで9試合連続無敗と侮れないチームです。3ヵ月以上勝利がないアウェイは、ブレントフォード、フラム、ニューカッスル、ノッティンガム・フォレスト。来季の欧州の椅子を狙っているチームばかりです。

マレスカ監督と選手たちは、いつの間にか苦手となったアウェイで勝ち切り、チャンピオンズリーグの出場権を獲得できるでしょうか。ペドロ・ネト、エンクンク、サンチョ、コール・パルマー、タイリーク・ジョージの得点力向上は、1年めの指揮官が早期にクリアしなければならない最大のミッションです。


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