【Liverpool×Burnley】これは凄い!エムレ・ジャンのスーパーミドルでリヴァプールが逆転勝利!
ところが、開始早々に先制したのはアウェイのバーンリーでした。5分のCKをボイドがボレーで合わせ、6分にも浅いラインの裏をついたアンドレ・グレイがきわどいグラウンダーを通していたチームは、その勢いのままに7分にゴールを奪います。マシュー・ロートンが右から通したスルーパスは、エクセレント。レッズのラインの裏を横切ったボールは、逆サイドのアシュリー・バーンズのスライディングシュートにぴったりでした。ニュートラルなプレミアリーグファンは、「これでおもしろくなった」とつぶやいたはずですが、長年このチームを見続け、情が移っている私は胸騒ぎを抑えられません。年明けのプレミアリーグで2勝3分3敗と崩れたクロップ監督のチームは、3点以上獲ったゲームは前節のアーセナル戦のみ。ハル・シティ、レスターと、リードを許して追いつけなかったゲームをこの5週間で2度も見ています。しかも、今日のレッズは、前線に大事な選手を欠いて戦っているのです。
GKミニョレ、DFナサニエル・クライン、マティプ、クラヴァン、ミルナー。アンカーにエムレ・ジャン、インサイドMFはワイナルドゥムとララナ、3トップはマネ、オリギ、コウチーニョ。ロベルト・フィルミーノがいない最前線は、オリギのスピードを活かしたいところです。レッズにとって幸いだったのは、0-1としたバーンリーが極端に引いてこなかったことでした。13分、ナサニエル・クラインが縦に通したパスでマネが右サイドを破り、中のオリギに合わせたボールはわずかに合わず、逆サイドへ。追加点を狙うバーンリーは、26分にもスローインを受けたアンドレ・グレイが右サイドで粘り、角度のないところからミニョレの肩口を狙ってシュートを放ちます。マネは時折速さを見せるものの、左のコウチーニョは力みからかプレイが強引で、ボールを失う姿が目立ちます。
40分を過ぎ、0-1のままハーフタイムに入りそうな雲行きでした。追加タイムに左からオリギがクロスを上げたときは、前にスペースがあるのになぜ勝負しないのか、平凡なボールだなとしか思いませんでした。ゴール前に上がっていたワイナルドゥムがヒールで狙ったシュートは、ベン・ミーがブロック。ところがこれがワイナルドゥムの足元に戻り、ベン・ミーは体制を崩しています。GKヒートンが蹴る直前に左に飛ぶというギャンブルに出るのを、オランダ代表MFはよく見ていました。冷静に逆をついたシュートが決まり、レッズは1-1で折り返しました。これは、大きい。後半の立ち上がりに失敗しなければ、おそらくゼロでは終わらないレッズが、エンジンの違いを見せつけるだろうと思いました。バーンリーが勝ち点を持ち帰りたいなら、ひたすら引いてカウンターを狙うのが近道でしょう。
コウチーニョがよくなかったのは確かですが、60分に交代するとは思いませんでした。スタリッジがいないレッズのベンチには、攻撃的なタレントは18歳のウッドバーンしかいません。クロップ監督は、プレミアリーグでトータル10分もプレイしていない若手に左サイドを託しました。するとその1分後、ヘンダーソンの代役が3ヵ月ぶりのゴールを叩き込みます。密集したバーンリー守備陣を見てパスを諦め、ゴール右隅に素晴らしいミドルシュートを突き刺したのは、エムレ・ジャン。CBではマティプのような読みのよさがなく、アンカーに入るとヘンダーソンのポジショニングと散らしが懐かしくなり、インサイドではまずまずながらもワイナルドゥムやララナにパスセンスで劣るMFは、これがあるから不要のハンコは捺せません。
攻めに出るしかなくなったバーンリーは、2分後に決定機を迎えます。右からのFKがファーに上がり、ベン・ミーがヘッドで折り返したボールに詰めたのはアシュリー・バーンズ。前が空いていた10番には複数のコースがありましたが、正面に強く蹴ったボールはララナの捨て身のスライディングに当たり、枠には届きませんでした。安全運転にスイッチし、ウッドバーンとマネを中心とした速攻主体のレッズに、バーンリーが追いつく雰囲気はありません。71分、ウッドバーンが切り返しから中に入れたクロスはオリギに合わず。残り10分に差しかかり、オリギをルーカス・レイヴァに代えたクロップ監督の目論見は「リスクを回避して逃げ切り」です。
87分、レッズのカウンター。左サイドをスプリントして、マネからパスをもらったウッドバーンは、正直すぎるリターンをウォードに阻まれてしまいます。パスコースを気にしながらニアに入ったエムレ・ジャンかファーのララナを狙えば、よりきわどいシーンになっていたはずです。89分には、敵陣で競り合ったボールを支配したエムレ・ジャンがマネに絶妙な浮き球パス。トラップミスを自らフォローして、相手のタイミングを外しながら放った右足シュートは、ヒートンが上に弾き出します。追加タイム3分、ロングスローからの混戦で右に出たボールをダイレクトで叩いたマシュー・ロートンのシュートが、アウェイチームの最後のチャンスでした。クラヴァンに体を寄せられながらのキックはコントロールが効かず、ミニョレは浮いたボールを悠然と見送りました。
2-1、レッズ逆転勝利。なかなかチャンスが創れなかったゲームは、「辛勝」と表現すべきなのかもしれませんが、いい時間帯に2つ決まったからか、今日は不思議と落ち着いて見ていられました。私は、実はエムレ・ジャンには入団以来期待しておりまして。今季は多分にいいにくくなってしまっているのですが、ポテンシャルでは「スティーブン・ジェラードにいちばん近い男」だと信じているのです。荒さが抜け、視野の広さが備われば、創造力とフィジカルでヘンダーソンを凌駕するMFは、レジェンドの後継者になりえるのではないでしょうか。ある時期、ジェラードがそうだったように、「守れるトップ下」的な選手としてレッズの中心になってくれればと思います。今日は、見事でした。週末のエティハドでのマンチェスター・シティ戦でも、ヘンダーソンとは違う形でチームに貢献する姿を見せてくれるはずと期待しています。(エムレ・ジャン 写真著作者/md.faisalzaman)
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この試合については内容など不要でとにかく3ポイントだけを願って観戦しました。あっさり先制されて、その後も裏へ放り込まれては慌て、頑張って跳ね返すと悉く拾われるという展開が続いたので嫌な気はしていましたがジニとジャンのゴールで何とかなりました。
ジャンはアンカーだとパスミスといいポジショニングといいセンスでプレーするので余りにも計算が立ちません。しかし前目の位置で自由に仕事をさせ、組織の外で守らせると馬力あるタックルも見られます。なのでジャンを入れるには気の利くアンカータイプを「横に」並べるのが良いと思います。理想形はヤヤトゥーレですね。
更新お疲れ様です。
ひやひやでしたが、何よりも勝点3を獲れたことが大きい試合でした。
前半は平常運転すぎて、やはり今のメンバーでは厳しいかと思いましたが、ジニのゴールが大きかったですね!
そして後半は、ロングボールやサイドチェンジを多用して出来るだけ早く前線にボールを送り込むことでペースを握りました。
私はこの戦い方は今後の下位チームとの対戦で有効ではと思いました。
本来ならDFやアンカーの位置から的確なパスとタックルができるヘンドのような選手がいれば、コウチやララーナもやり易いと思いますが、ジャンの場合は細かいパスよりもよりダイレクトに攻めるほうがいいことがわかった後半だったと思います。
何よりも下位チーム相手には闘うことが重要であることがわかったと思います。
ジャンの逆転ミドルは奮えましたし(ジェラードにはまだまだです!笑)、ヘンドやフィルミーノなどキーマン不在でのこの一勝はとても大きいと思います。
そして今日のようなパフォーマンスをクロップ監督は望んでいたのでは、そしてその期待に選手が応えられたのではと思えるいい一勝でした。
次節、マン・シティ戦が楽しみです。
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更新ご苦労様です。
前半終了間際までは負け試合を覚悟してましたが、結果は苦しみながらの勝ち点3獲得。まずは連勝で一安心です。
チャンは前後半では違うプレーを見せてくれました。無駄なカードも貰ってましたが、、、(苦笑)
見事なミドルでしたが、レジェンドの#8には遠く及びませんが、チャンには期待しております。彼自身も苦しみながら
今シーズンを過ごしていると思いますが、乗り越えてくれると思ってますので引き続き期待したいと思います。
次節のシティ戦楽しみな一戦ですね。
グッチさん>
なるほど。ありかもしれませんね。逆にカンテとかどうですかね。徹底的にフォローしてくれるタイプ。
nyonsukeさん>
フィルミーノとヘンダーソン抜きで、ひっくり返して勝てたのは大きいです。エムレ・ジャンは、最後のパスもおしゃれでしたね。
Mackiさん>
移籍の噂もありますが、残ってクロップサッカーにコミットすれば、近いうちに花開くのではないかと思います。素晴らしいミドルでした。
読み返しておかしかったので追記です。理想形として書いた部分はエムレ・チャンになってほしい姿です笑
横にカンテが居ればどんな選手でも安心して上がれるので凄く心強いでしょうね。今季のマティッチ然りセスク然り。