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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【MAN.CITY×Crystal Palace】あわや0-3…失点を重ねたチームを救ったのはケヴィン・デブライネ!

エティハドのキックオフは、土曜日の15時。マンチェスター・シティがポゼッションを取り、クリスタル・パレスは5-5に見えるコンパクトな布陣でプレスをかけています。2月以降のプレミアリーグで4勝3分2敗と、苦しい戦いを続けている前年の覇者は、リーグで3番めに少ない35失点の堅守を崩せるでしょうか。

5分にラインの裏に浮き球を通したのは、コヴァチッチ。右からゴールに迫ったジェームズ・マカティーの左足ボレーは、ディーン・ヘンダーソンの正面です。8分にラクロワが右に展開し、サイドに張っていたムニョスが縦に流すと、抜け出したイスマイラ・サールがアーリークロスをファーに通しました。エゼはフリー。必死に戻ったリコ・ルイスは、追いつけそうにありません。

ボールはエデルソンの前を通過し、10番は右足の優しいタッチで無人のゴールに転がしました。ビハインドを背負ったマン・シティは、細かいトラップミスやタイミングのズレが目立ち、スムーズなパスワークとはいえません。ブライトン戦でレッドカードをもらったマーク・グエイの代役は、クリス・リチャーズ。最初の20分は、落ち着いてプレイできています。

21分の右からのCKは、アダム・ウォートン。左足で巻いたボールがゴール前に入る直前に、ルベン・ディアスがマテタを突き飛ばし、ぶつかったエデルソンは前に出られませんでした。ヘッドで叩き込んだクリス・リチャーズは、ルベン・ディアスの前に入り込んでおり、余計なことをしているうちに決められてしまったというしかありません。

0-2になった瞬間、マン・シティは負けたと思いました。イーグルスは直近の5試合で4勝1分と絶好調。3失点以上を喫したのは、1-5で敗れた12月のアーセナル戦だけです。しかし失点の3分後、ケヴィン・デブライネのミドルシュートが左のポストにヒット。6位という信じられないポジションにいるチームの窮地を救ったのは、プレミアリーグ史上最高のプレーメイカーでした。

鎌田大地がニコ・ゴンザレスを、ボックス手前で倒したのは32分。デブライネのFKは左のポストの内側に当り、ネットを揺らしました。ボールは壁の脇を通って左にドライブがかかっており、ディーン・ヘンダーソンが指示した4枚の壁は欠陥があったといわざるを得ません。コヴァチッチがボックス左に斜めのパスを入れたのは36分。足元に収めたのはジェームズ・マカティーです。

左足のクロスがファーに上がり、デブライネが頭で折り返すと、ギュンドアンのボレーは空振り。こぼれ球に駆け寄ったラクロワは、先着したマルムシュの豪快なフィニッシュを見届けるしかありませんでした。2‐2になった瞬間、クリスタル・パレスは負けたと思いました。グエイという絶対的な主軸を失ったアウェイチームは、前半だけで8つの決定機を創られています。

序盤はぎくしゃくしていたホームチームのパスワークはペースアップしており、縦の速いボールやラインの裏への浮き球が増えています。ハーフタイムは2‐2。後半が始まって70秒、左のギュンドアンが縦のスルーパスを出すと、FAカップ準々決勝のボーンマス戦でチームを救ったニコ・オライリーが抜け出しました。

ボックス左からの折り返しをニアで受けたデブライネは、斜め後ろにコヴァチッチがいるのがわかっていたかのようなラストパス。右足のダイレクトショットが、左のサイドネットに吸い込まれました。さらに56分、エデルソンが右に蹴ったロングフィードで、ラインの背後に抜けたジェームズ・マカティーがディーン・ヘンダーソンを抜き去り、左足に持ち替えて流し込みました。

60分にも、コヴァチッチの縦パスでデブライネが右サイドを突破し、グラウンダーがマルムシュの足元へ。シュートはGKにブロックされましたが、3バックとWBの間のスペースを狙うという戦術の正しさを確認するような決定機でした。71分に負傷退場となったエデルソンは気がかりですが、オルテガが元気なら残り8試合は走り切れるでしょう。

最後のゴールは79分。右サイドのジェームズ・マカティーがチップキックで中央に浮かし、クリス・リチャーズのクリアが左に流れると、ニコ・オライリーの左足ボレーがナサニエル・クラインに当って左隅に飛び込みました。5-2でタイムアップを迎えたマンチェスター・シティは、チェルシーとニューカッスルをかわして暫定4位に浮上しました。

今季限りで退団のデブライネと、ギュンドアン、コヴァチッチのベテラン勢の活躍で逆転に成功した後、ジェームズ・マカティー&ニコ・オライリーの新世代が連発。マン・シティの世代交代に思いを馳せるセンチメンタルな一戦でした。5ゴールを決めて勝ったものの、29分にムニョスが仕掛けたカウンターが成就していれば、惨敗となっていたかもしれません。

ドリブルで上がったWBのアーリークロスが逆サイドのエゼに届き、きれいなコントロールショットが右隅に決まったのですが、ボールが出た瞬間に10番の足がわずかにラインを越えており、オフサイド。左足が10センチ後ろであれば、0-3になっていたでしょう。カウンターに対する脆さは解消しておらず、エヴァートン戦とヴィラ戦は要注意です。

プレミアリーグのTOP5を巡るバトルは、ボーンマスとブライトンが脱落し、月曜日にフラムが負ければ5チームで3つの椅子を争う戦いになります。スムーズな世代交代を実現するために、必須アイテムのCLを失うわけにはいきません。復調気配のケヴィン・デブライネが、クラブの未来につながる素晴らしい置き土産を残してくれるような気がしてならないのですが…。


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