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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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3ゴールであと1歩、しかしドンナルンマがビッグセーブ連発…パリを追い詰めたアストン・ヴィラに称賛を。

誰よりも悔しがっているのは、古巣を追い詰めたウナイ・エメリではないでしょうか。チャンピオンズリーグ準々決勝セカンドレグ、アストン・ヴィラVSパリ・サンジェルマン。パルク・デ・プランスでの初戦は、モーガン・ロジャースの先制ゴールの後、リーグアン王者の猛攻を喰らって逆転され、2-1で終わる寸前に痛恨の追加点を許してしまいました。

ウスマン・デンベレの縦のスルーパスで左から上がったヌーノ・デンベレが、切り返しでコンサをかわして右足でゲット。腹心を両腕で抱えて咆哮したルイス・エンリケは、優勝が決まったかのようなハイテンションでした。ヴィラ・パークで強豪を迎え撃つエメリのチームは、2点差以上の勝利が必要です。しかし11分にカウンターから先制したのは、アウェイチームでした。

左サイドのバルトラがドリブルで上がり、ウスマン・デンベレとエミ・マルティネスの間に鋭いグラウンダーを入れると、カットしようとしたパウ・トーレスがGKとの接触を避けようとして足を引きました。アルゼンチン代表の守護神はうまくキャッチできず、こぼれたボールを左に叩き込んだのはハキミ。リードされたヴィラは、逆襲を仕掛ける前に追加点を奪われてしまいます。

27分の速攻は4対2。右からカットインしたウスマン・デンベレは余裕があり、中央で空いていたヌーノ・メンデスの足元に丁寧なラストパスが通りました。初戦で貴重な3点めを決めたSBが左足を振り抜くと、ボールは左のポストの内側に当たって枠に飛び込みました。トータル1-5は絶望的なスコア。前がかりになれば、さらにカウンターを喰らいそうです。

34分に前線に上がったのはティーレマンス。左に流れて後ろのラシュフォードに預け、中央のマッギンに短いパスが通ると、ボックス左に入ったティーレマンスの足元に戻ってきました。強烈なダイレクトショットがマルキーニョスに当ってネットに突き刺さり、何とか1‐2。前半のシュート数は5対3で、後半だけで3ゴールは厳しいミッションです。

後がないアストン・ヴィラは、セカンドハーフのキックオフから攻め続けていました。49分にディーニュがニアにクロスを入れると、マッギンのヘッドは右にアウト。54分にマッギンが自陣でパスを受けたときは、単独で持ち込んで決めるとは想像できませんでした。左足のミドルはパチョにヒットしてドライブがかかり、ドンナルンマの頭上を越えてから落下しました。

2‐2となった直後、左からカットインしたラシュフォードの鋭いシュートは、左に飛んで手を伸ばしたドンナルンマがぎりぎりで触るビッグセーブ。右からのCKのクリアをマティ・キャッシュが拾ってラシュフォードに託すと、ファビアン・ルイスとヴィティーニャを次々に抜き去った9番は、ゴールライン際から完璧な折り返しをコンサに送りました。

ニアでフリーだったCBが右隅に蹴り込んで3‐2!トータルイーブンまで、あと1点です。59分に右から上がったラシュフォードがクロスを入れると、マルキーニョスがかろうじて足に当てたボールがティーレマンスの頭上に浮きました。決定的なヘッダーは左隅へ。まさか、ドンナルンマが触るとは…!ヴィラ・パークは、劣勢の前半とは打って変わってハイテンションです。

67分にマッギンとアマドゥ・オナナが下がり、アセンシオとジェイコブ・ラムジー。70分にパウ・トーレスのロングフィードでGKと1対1になったアセンシオは、左足のシュートをブロックされてしまいました。天を仰ぐウナイ・エメリ。1分後、ラシュフォードが右から蹴ったFKは完璧なコースでしたが、ヘディングで合わせようとしたコンサがタッチできませんでした。

最後の決定機は93分。マティ・キャッシュのクロスがファーに上がり、待ち構えていたイアン・マートセンのボレーはジャストミートだったのですが…!右隅に向かったボールはパチョがブロックし、ヴィラのチャレンジは終わりました。シュート数は17対14、オンターゲットは6対3。エミ・マルティネスとドンナルンマのパフォーマンスの差が、明暗を分けた一戦でした。

「われわれは発展途上だ。今回は、より高いレベルに到達することができた。これからも、自分たちの力を試し続けたい。われわれ自身のスタンダードに誇りを感じている。ハッピーだし、自信を得られた。早くここに戻ってきたい。チームは、このレベルで対応できることを示した。われわれは戦った。選手たちはここにいる価値がある」(ウナイ・エメリ)

ヴィラ・パークのスタンディングオベーションを見ながら、悔しさと感動がないまぜになったような気分を抱えていました。無数の「たら・れば」がちりばめられたホーム&アウェイ。彼らは勝てたという思いが未だ消えません。バイエルンとパリを下した長い旅路に拍手を送りつつ、来季もまた、このステージで素晴らしい戦いを見せてほしいと願ってやみません。


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