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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

カゼミーロ、カゼミーロ、カゼミーロ!ラスト6分からの劇的3発でマン・ユナイテッドがEL4強進出!

ハーフタイムは2‐0。マンチェスター・ユナイテッドは1ヵ月ぶりの快勝で、ヨーロッパリーグのベスト4に進出すると確信していました。70分まで2‐0。まさかここから追いつかれるとは…。2試合トータル4-4で延長戦に突入すると、残り10分で4‐6。オールド・トラフォードで戦況を見守っていた誰もが、敗戦を覚悟したはずです。勝利を目前にしたリヨンは10人でした。

敵地グルパマでのファーストレグは、95分のシェルキの同点ゴールで2‐2のドロー。マンチェスター・ユナイテッドの勝ち抜け条件は、本拠地で勝つことです。キックオフから10分、ウガルテからカゼミーロ、ブルーノ・フェルナンデス、ダロトと右サイドでつながり、後ろでパスを受けたマズラウィが縦にロングフィード。右サイドでキープしたのはブルーノです。

ホイルンドへのクロスのコースはないとジャッジしたキャプテンは、ニアに駆け寄ってきたガルナチョにパス。トラップでベレトゥをかわしたウインガーが優しいグラウンダーを中央に転がすと、ホイルンドの背後に走り込んだウガルテが左足でプッシュしました。2点めが決まったのは、追加タイム2分。最後方のマグワイアが前線に送った長いボールは的確でした。

外から絞ってきたダロトと競ったタグリアフィコは転倒。腰をつかまれていたのはダロトのほうで、笛は鳴りません。ボックス右でフリーになったWBは、アクオクに足を出される前に左隅に決めました。前半のシュートは8対7、オンターゲット3対3、ビッグチャンスは3対2。リヨンの守護神ペッリと、アウェイで2失点の元凶となったオナナは、ともにビッグセーブを披露しています。

後半開始5分の決定機を活かしていれば、マンチェスター・ユナイテッドは楽勝だったかもしれません。自陣でベレトゥのミスパスをさらったガルナチョがホイルンドに預け、左サイドでリターンをもらうと、ボックス左で切り返してマタを振り切ってGKと1対1になりました。ノーマークで時間があったのに、なぜGKが最も止めやすい胸の高さに打ってしまったのか…!

54分のリヨンのチャンスは、右からのクロスを中央に落としたタグリアフィコが秀逸でした。トリッソの振り向きざまの一撃は、右に反応したオナナがビッグセーブ。再三サイドを突破し、きわどいシュートを放っていたホームチームは、71分に1点差に迫られました。右からのFKをカゼミーロがクリアすると、ラカゼット、ニアカテ、トリッソと3連続ヘッドでゴールです。

ここからは完全なるリヨンペース。77分に左サイドのフォファナがファーにクロスを入れると、マークを外していたメートランド=ナイルズのボレーがゴール左のタグリアフィコの足元に届き、右足の当たり損ねのボールがゴールラインを越えました。2‐2となって目覚めたのか、最終盤はマンチェスター・ユナイテッドが攻勢でした。

89分、右サイドから抜け出したレニー・ヨロが転倒。トリッソにしてみれば「足が引っかかってしまった」だけですが、2枚めのイエローはやむなしでしょう。GKペッリが治療をしている間、9人のフィールドプレーヤーは円陣を組んでいます。勝利をめざす強い意志を感じさせるシーンを見て、嫌な予感を覚えました。延長前半、ひとり多い赤いシャツのシュートはゼロです。

105分に左からドリブルで仕掛けたのは、やっかいなフォファナ。必死に追ったダロトが打つ直前に止めたのですが、こぼれ球を拾ったシェルキが右隅に打った鋭いシュートに、オナナは動けませんでした。最後の15分に入る前に、ルーベン・アモリムはタブレットを使って指示を出しています。複雑な戦術でなければいいのですが…。

108分、ラカゼットの落としを受けたフォファナがゴールに向かって突進。ルーク・ショーが足を引っかけ、ジャッジはPKです。オナナは早く動きすぎ、ラカゼットが悠々と左に決めて2‐4。オールド・トラフォードで、11対10で、2失点は「あってはならないこと」です。プレミアリーグで1試合平均1.2ゴールのチームは、残り10分で3ゴールという厳しい条件を突き付けられています。

静まり返るシアター・オブ・ドリームス。111分にルーク・ショーがゴール前に放り込み、カゼミーロ、メイヌー、カゼミーロとつながると、GKの前に出ようとした18番がアルマダと接触して倒れ込みました。オンフィールドレビューの結果はPK。右隅に決めたブルーノの表情に、喜びはありません。マン・ユナイテッドの猛攻がスタート。ブルーノが左から上がったのは120分でした。

中央に出たボールを受けたのは、マグワイアとともに最前線にいたカゼミーロ。右足アウトのラストパスがメイヌーに通り、マタをかわして放ったノーステップの一撃が右のサイドネットに吸い込まれました。オールド・トラフォードは絶叫。追加タイムは5分です。121分、左からファーに浮かしたのはカゼミーロ。丁寧なヘッダーを左隅に決めたのはマグワイアでした。

目の前でニアカテが空振りしており、頭でコントロールするのは難しかったはずです。ゴール裏のサポーターを煽るマグワイア。オナナはルーベン・アモリムに駆け寄り、ハグをかわしています。最後の6分はアウェイチームにシュートを打たせず、5-4のままでタイムアップ。ベスト4進出を決めたチームに、奇跡的な大逆転という月並みな表現を使っても許されるでしょう。

カゼミーロがPKをもらい、カゼミーロがメイヌーに打たせ、カゼミーロがマグワイアに合わせた劇的な3発。「衰えた」「もはや不要」と批判され続けた33歳のMFがチームを救いました。マンチェスター・ユナイテッドは諦めなかった。そして勝った。強かった。2-4になるまでにつぶやいたネガティブな言葉はすべて忘れ、しばらくはこの興奮に身を委ねたいと思います。


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