イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

異なる戦い方でレアル・マドリード撃破を実現したコンダクター、デクラン・ライスの秀逸なスタッツ!

アーセナル、アーセナル、アーセナル!現地メディアはこの2日間、記事の本数を争うように、ガナーズ祭りを絶賛開催中です。ノースロンドンでは、デクラン・ライスのFK2発とミケル・メリノのダイレクトショットで3‐0快勝。サンティアゴ・ベルナベウではパネンカを失敗したサカがラインの裏に抜けて先制し、カウンターからマルティネッリが決めてダブルを達成しました。

「アスレティック」の記者によるアーセナル専門のポッドキャスト「ハンドブレーキオフ」は、「われわれはチャンピオンズリーグ制覇の最有力候補か?」と題したディスカッションを展開。「レアル・マドリードを打ち負かしておいて、その見方を否定するのは難しい」「セミファイナルのパリ戦は素晴らしい試合になるだろう」などと盛り上がっています。

あらためて2試合を振り返ると、最大の驚きは、ホームとアウェイで異なるフットボールを選択して勝利に辿り着いたことです。ノースロンドンでは偽SBのルイス=スケリーが中盤に厚みをもたらし、ポゼッションで上回って猛攻を繰り広げたのですが、マドリードでは昨季王者の単調なアタック(クロス42本!)に引いて対応し、ここぞというチャンスを活かしました。

それぞれの試合について、11人の動きをチェックしていくと、違いを演出したクレバーなコンダクターに目が留まります。チームのエンジンであり、攻守のサスペンションでもあるデクラン・ライス。攻撃的だった初戦と、失点回避を重視した2戦めは、フロントエンジンとリアエンジンの2種類のレーシングカーが用意されていたのです。

超絶FKを2発叩き込んだ極上の夜は、シュート5本とオンターゲット4本が両チームを通じてTOP。ボックスでのボールタッチ9回は、ムバッペとヴィニシウスのトータル8回を上回っています。クルトワのビッグセーブに阻まれた前半終了間際のヘッダーと、ベリンガムにゴールライン上でクリアされた68分のボレーも、あっさり決まっていてもおかしくないフィニッシュでした。

中盤と最終ラインの間に入ってパスを呼び込みながら、時には前線に飛び出して楔のターゲットとなったインサイドMFは、ジュード・ベリンガムがやるべきことを突き付けるかのようなパフォーマンスで攻撃を活性化しました。対してマドリードでは、左サイドに出てパスを受けるリンクマンと、最終ラインに入ってラストパスをカットするアンカーの役割を兼任していました。

注目のスタッツは、両チームを通じて1位のインターセプト5回と、サリバに次ぐディフェンシブアクション14回。ハマーズ時代にCBとしてもプレイしていたイングランド代表は、クロスの競り合いやドリブルへの対応も安心して見ていられます。トーマスのパス成功率100%やキヴィオルの冷静な守備は、ポジショニングに長けた41番のサポートがなければ実現しえなかったでしょう。

トーマスといえば、ベルナベウの85分にリュディガーとの口論でイエローをもらったとき、デクラン・ライスが激しく叱責するシーンが映し出されていました。自らのプレイやチームの状態、先々の展望をロジカルに語れるMFは、5番不在でパリと戦う厳しさまで見通していたのでしょう。セミファイナルの初戦では、ウスマン・デンベレやバルコラを止める役割を担うはずです。

10月のリーグフェーズでは、ホームのアーセナルが2-0で完勝。しかし当時のパリはウスマン・デンベレがおらず、今とは違うチームだったと捉えたほうがよさそうです。デクラン・ライスに、マドリード戦のハイパフォーマンスの再現を期待しましょう。今週末はイプスウィッチ戦ですが、サカやルイス=スケリーとともに、しっかり休んでいただければと思います。


おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


コメントを残す