2025.05.08 チャンピオンズリーグ2024-25チャンピオンズリーグ
序盤の猛攻は実らず、セットピースから痛恨の失点…攻めきれなかったアーセナル、ついに敗退!

GKラヤ、DFティンバー、サリバ、キヴィオル、ルイス=スケリー、MFトーマス、デクラン・ライス、ウーデゴーア、FWサカ、ミケル・メリノ、マルティネッリ。ロンドンで負傷リタイアのウスマン・デンベレは、ベンチスタートです。開始3分、敵陣右サイドで奪い返したティンバーがクロスを入れると、マルキーニョスと競ったデクラン・ライスのヘッドは左に外れました。
4分のロングスローはトーマス。ニアに走り込んだマルティネッリの左足ボレーは、ドンナルンマが左に弾き出すビッグセーブでしのいでいます。攻め続けるアーセナルは、サカがいい形で持てる状況を作れています。8分にトーマスが右からロングスローを入れると、クリアを叩いたウーデゴーアの強烈なダイレクトショットも、ニアに飛んだ守護神の超絶セーブに阻まれました。
17分、中央でキープしたドゥエが左のクヴァラツヘリアに流すと、右隅を狙ったコントロールショットはポストにヒット。パリがイニシアティブをとる時間が徐々に増えています。サリバのパスをカットしたバルコラが、カウンターを仕掛けたのは23分。ドゥエのシュートはラヤの正面でした。最終ラインのミスパスからの失点が増えているアーセナルは、要注意です。
27分、左からのFKのクリアがファビアン・ルイスの前に落ちると、トラップでマルティネッリをかわした8番の左足ボレーが右隅に突き刺さりました。30分にミスパスをカットされたのはルイス=スケリー。2対2のカウンターで右から上がったバルコラは、切り返しでルイス=スケリーをかわしてフリーになりますが、左足のシュートはラヤにセーブされてしまいました。
37分、右に出たサリバが前線のミケル・メリノにロングフィード。落としを受けたデクラン・ライスのミドルはブロックされ、マルティネッリが仕掛けた二次攻撃もティンバーのボレーをクヴァルツヘリアに止められています。42分にサカがニアに入れたボールに、ミケル・メリノは触れず。前半終了間際のサカのグラウンダーも、11番の前でハキミがクリアしました。
ハーフタイムで2点のビハインドは、昨夜のバルサと同じ条件です。アーセナルは、リスクを取って攻めるしかありません。後半立ち上がりに見せたサカの再三のチャレンジはつぶされ、ビルドアップは巧妙なプレスで窮屈になっています。ルイス=スケリーとトーマスは、ハーフライン付近でのボールロストを減らさなければなりません。
56分、ゴールライン際で2人をかわしたヴィティーニャのクロスは、ラヤがキャッチ。58分にサカが入れたゴールに向かうCKは、ドンナルンマがゴールの裏に押し出しました。サカの得意なアングルからのシュートが、左隅を襲ったのは63分。決まったかと思った瞬間、ドンナルンマが指先で弾いてCKに逃れました。

アルテタ監督は、このタイミングでルイス=スケリーとマルティネッリを下げ、カラフィオーリとトロサールを投入しました。右隅を狙ったヴィティーニャのキックは、ラヤがストップ。72分に左から仕掛けたクヴァルツヘリアが中央に転がすと、トーマスとハキミが競ったボールが入ったばかりのウスマン・デンベレの足元にこぼれました。
10番は無理に打たず、ハキミに戻すと、キヴィオルの外を巻いたボールが右隅へ。トータル3-0はセーフティリードといえるでしょう。76分に左サイドでトロサールがマルキーニョスをつぶし、グラウンダーをリュカ・エルナンデスと競ったサカがこぼれ球をプッシュして3-1。この時間の2点差は、依然として厳しい条件です。
80分のカラフィオーリのクロスに飛び出したドンナルンマは触れず、サカが無人のゴールに押し込めば同点だったのですが…。右足に当たったボールは、クロスバーを越えていきました。83分、負傷したティンバーに代わってベン・ホワイト。猛攻が必要な状況になっても、ヌワネリとスターリングを使えなかったのは、今季のアーセナルの限界というべきでしょう。
サカのゴール以降、オンターゲットはゼロ。シュートコースを空けなかったパリがダブルを達成し、ファイナルに進出しました。ポゼッションは46%対54%、シュートは13対19、ビッグチャンスは2対4。主要スタッツは、アーセナルが上回っています。序盤の決定機を活かしていれば、望む結果を得られたのかもしれませんが、その後はパリに余裕が感じられた一戦でした。
トーマスのロングスローというアイデアは実らず、ウーデゴーアが輝いたのは10分までで、ミケル・メリノはデュエルで13敗。3分にきわどいヘッダーを放ったデクラン・ライスは、打てるエリアに入れずに終わりました。最近増えていたセットピースからの失点が重くのしかかり、後半はサカのチャレンジが唯一の希望になっていました。
オプションが脆弱でゲームの展開を変えられないチームゆえ、ポール・トゥ・ウィンで勝ち切りたかったのですが、180分のうちビハインドを背負っていなかった時間は、ファーストレグの立ち上がりの4分だけでした。ストライカーとセントラルMFを補強しただけでは、2冠を追うのは難しいでしょう。指揮官に求められているのは、厳しい状況を打開するオプションの確立です。
プレミアリーグは2年連続の2位で、現在も2位。チャンピオンズリーグではレアル・マドリードに連勝し、頂点が見える場所に辿り着きました。以前に「アーセナルはビッグイヤーを獲得できる」と書いたのですが、今もその思いは変わっていません。1年後、このステージに戻ってきていただければと思います。最強のストライカーと、輝きを取り戻したキャプテンとともに。
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