【Middlesbrough×Arsenal】危なかったアーセナルの3バック…エジルの決勝ゴールで何とか1-2辛勝!
17分、ボロにアクシデント。ファビオが足を痛め、フレンドが急遽呼ばれてピッチに入ります。CKに飛び込んだガブリエウはヘディングを枠に収められず。24分に右からのFKがファーにいたガストン・ラミレスに渡り、逆サイドへの折り返しをデローンがヘッドで叩き込んだシーンは、意図的に取ったオフサイドではありません。この1分後にも、右からのFKのクリアをアダム・クレイトンがレッドビターに落とし、ミドルシュート。セットピースにおけるガナーズ守備陣の対応は、安心とはいえません。28分にはアーセナルに久しぶりのチャンス。ドリブルで右サイドをえぐったチェンバレンがファーサイドに浮かすと、ジルーがヘッドで競り勝ち、落ち際をラムジーがボレー。DFに当たって先制できなかったものの、この形は今日の狙いのひとつです。
左からのFKをガストン・ラミレスがファーサイドに蹴ったのは32分。ヘッドを味方にぶつけたアジャラはノーマークでした。直後、元気なチェンバレンがエジルのパスで右サイドを崩しますが、クロスはカットされてコースが変わり、こぼれ球に反応したアレクシス・サンチェスがプッシュする寸前にクリアされます。40分、ジャカが倒されて得たゴール正面からのFK。カーブをかけたアレクシス・サンチェスの素晴らしいキックに、グザンはまったく動けませんでした。エースの今季プレミアリーグ18ゴールめで、アウェイチームはようやく先制。FKの守備には不安は残りますが、0-1でハーフタイムは悪い展開ではありません。
後半立ち上がりから反撃を開始したミドルズブラは、5分もしないうちに同点に追いつきました。右から上がったダウニングに対するモンレアルのチェックは甘く、ゴールに向かってくるクロスをコシールニーが空振り。ネグレドの左足ボレーは、チェフが触れる弾道ではありませんでした。今季プレミアリーグで23点めのボロは、勝ち越しゴールを決めればロメウ・ルカクに並びます。55分、左から持ち込んだフレンドがガブリエウをかわしてボックスに入ると、クロスを叩いたダウニングのボレーは大きく上に外れます。WBの裏を突く典型的な3バック攻略法に、ガナーズはあっけなくはまっています。
60分、右からファーに送ったダウニングのFKは、フレンドが頭で折り返してアジャラがダイビングヘッド。決定的な一撃はチェフが素晴らしい反応を見せて弾き出し、劣勢に陥るのを食い止めました。直後、アレクシス・サンチェスがラインの裏に出したパスは、飛び出したエジルが右足でプッシュするのが精一杯。体で面を作ったグザンがコースを塞ぎ、こちらも2点めはなりません。ガストン・ラミレスと代わったアダマ・トラオレが、得意のドリブルでモンレアルのサイドを蹂躙するかと思われた72分、アーセナルが待望の勝ち越しゴールをゲットします。ラムジーが空いているのを見たアレクシス・サンチェスが緩い浮き球を通すと、8番が胸で落としたボールに右足を振り抜いたのはメスト・エジル!ようやくリードしたガナーズは、コクランかベジェリンで後ろを4枚にしたほうがいいでしょう。
1-2とされたボロは、すかさず反撃。リバーサイドのスタンドもテンションは落ちておらず、選手ともども勝ち点奪取を諦める雰囲気はありません。81分、モンレアルのロングフィードで始まったカウンターは、エジル、アレクシスとつながったボールを受けたジルーが中央からシュート。うまくコントロールできずゴール左上に外れたものの、勝負が決まってもおかしくないシーンでした。
ゲステデ投入後、ハイクロスに活路を見出すようになったボロにアーセナル守備陣は必死で対応していますが、決定的な高さの差はリスキーです。90分、ヴェンゲル監督がようやく動きました。アレクシスとエジルを下げて、コクランとベジェリン。93分のカウンターは、ドリブルで突破したチェンバレンの一撃が惜しくも右に外れます。ジルーのループシュートが左に切れると、間もなくタイムアップ。プレミアリーグのアウェイゲームで4連敗中だったアーセナルは、ぎこちない新布陣ながらブービーポジションのチームに競り勝ち、4位争いに残りました。
勝ちはしたものの、直近のプレミアリーグ7試合で2分5敗のチームに1-2辛勝は、手離しで喜べるものではありません。ガストン・ラミレスやダウニングがサイドから仕掛けてくるのがわかっていたのに、裏にスペースができやすい布陣を選んだのは、ベジェリンを休ませるための苦肉の策だったのでしょうか。後半、同点を狙いにきたボロに薄いサイドを突かれた際は、選手交代等で対応をはっきりさせないと危険だったと思います。アレクシス・サンチェスとエジルの2人がゴールを決めたこととチェンバレンの好調は収穫でしたが、FAカップ準決勝のマンチェスター・シティ戦やプレミアリーグのレスター戦、あるいはノースロンドンダービーに向けて弾みがついたとはいえない微妙な勝利でした。
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