偏愛的プレミアリーグ見聞録

「Up next: club statement」。ファブリツィオ・ロマーノさんが、正式なアナウンスを待つのみといっています。メディカルチェックを無事に終えたフロリアン・ヴィルツは、手続きもコンプリート。「リヴァプールに入団決定」といい切っていいでしょう。移籍金とアドオンの総額1億1600万ポンドは、モイセス・カイセドを僅差で凌ぐプレミアリーグレコードです。

トランスファーマーケットのスペシャリストのタイムラインは、「レッズフェス」状態。ハイテンションのポストの第2弾は、ボーンマスのミロシュ・ケルケズです。数週間前に口頭合意に至っていたリヴァプールは、信号に引っかかることもなく走り抜けました。移籍金は4000万ポンド。すべてのドキュメントが承認されており、火曜日のメディカルチェックがOKなら決定です。

3つめのディールは、逆方向です。レヴァークーゼンのオファーを受けたジャレル・クアンサーは既に承諾しており、ヴィルツの交渉を終えたばかりの2つのクラブはファイナルステージに差し掛かっています。「48時間以内に合意する可能性がある」というロマーノさんは、「移籍金は3000万ポンドで、アドオンは500万ポンド」と具体的な数字を出しています。

「次のステップに進むために、非常にいいポジションに立っている。ひたすら努力を続け、自分がコントロールできることに集中したい」。ユルゲン・クロップのラストシーズンに頭角を現した22歳のCBは、昨年の10月に新たな契約を結んだばかりですが、プレミアリーグ出場13試合＆先発4試合という状況をよしとしなかったのでしょう。

ここまでのリヴァプールの収支を整理しておきましょう。新戦力の移籍金は、ジェレミー・フリンポンが2950万ポンド、昨年の夏に押さえていたギオルギ・ママルダシュヴィリは2900万ポンド、ヴィルツが1億1600万ポンドでケルケズは4000万ポンド。総額2億1450万ポンドは、フェデリコ・キエーザの1250万ポンドだけだった1年前が嘘のようなビッグサマーです。

売却益のほうは、トレント・アレクサンダー＝アーノルドが850万ポンド、ブレントフォードに向かったカオイヒン・ケレハーは1800万ポンド。クアンサーが3500万ポンドなら、トータルで6150万ポンドとなります。ナポリとサウジのターゲットとなっているダルウィン・ヌニェスに、5980万ポンドのタグを付けたと報じられていますが、4000万台に落とさないと決まらないでしょう。

リチャード・ヒューズSDとアルネ・スロット監督は、さらなる補強を目論んでいると伝えられています。クリスタル・パレスのイングランド代表CBマーク・グエイは、タブロイド系メディアのゴシップかと思いきや、「テレグラフ」のサム・ウォレス記者と「スカイスポーツ」のライアル・トーマス記者が掘り下げています。

サウスロンドンのクラブが、1月にスパーズからの7000万ポンドを断わったのは、シーズン中に最終ラインの主軸を失いたくなかったからでしょう。今は状況が変わり、契約期間が残り1年で延長の見込みなしとなっています。スポルティングCPのウスマン・ディオマンデの獲得に近づいているクラブは、納得できる額を突き付けられればノーといえないはずです。

「テレグラフ」は、「グエイに注目しているクラブのなかで、リヴァプールが最も有利なポジションにいる」とポジティブに伝えていますが、「スカイスポーツ」のトランスファーライブブログは「レギュラーを確約してほしいCBを獲れるかどうかは、イブラヒマ・コナテの契約延長交渉の進捗次第」と慎重な姿勢を見せています。

CBの強化に加えて、ストライカーとアンカーも獲るのでしょうか。最前線はウーゴ・エキティケかヴィクトル・ギョケレスか、まさかのイサクか…おお！ついに来ました！「Liverpool agree signing of Florian Wirtz from Bayer Leverkusen」。たった今、公式サイトがドイツのプレーメイカーの入団を発表し、インタビューの動画も配信しています。

「毎年、全てを勝ち取りたい」「昨シーズンはプレミアリーグを制した。目標は連覇と、チャンピオンズリーグでさらに上にいくこと」。プレミアリーグ参戦という新たなチャレンジをずっと思い描いていたというヴィルツは、満を持してチームに合流できるようです。リヴァプールのサポーターのみなさん、あらためておめでとうございます！