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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ロドリゴ、エゼ、ノニ・マドゥエケ…アーセナルが獲得すべきアタッカーは誰なのか?

レアル・マドリードのロドリゴが、ウイングのターゲットといわれるようになってから1ヵ月。アーセナルの獲得候補は激変しています。バイエルンと契約延長交渉をしていたレロイ・サネは、ガラタサライに移籍決定。一時期は本命と目されていたニコ・ウィリアムズは、バルセロナに行くかと思いきや、アスレティック・ビルバオに残ると決めたようです。

新たな契約は2035年までの10年で、サラリーは倍増。リリース条項は最大1億ユーロ(約8600万ポンド)と報じられています。この先数年で、22歳のウインガーが世界屈指といわれるレベルに成長しなければ、アプローチするクラブは出てこないでしょう。アーセナルにしてみれば、縁がなかったというしかありません。

アストン・ヴィラのモーガン・ロジャースとニューカッスルのアンソニー・ゴードンは、欧州で戦う両クラブのガードが堅く、現実的な選択肢ではないでしょう。彼らに代わってターゲットと伝えられているのは、クリスタル・パレスのエベレチ・エゼとチェルシーのノニ・マドゥエケです。ファブリツィオ・ロマーノさんは、2人ともガナーズへの移籍に前向きと伝えています。

「月曜日に直接コンタクトがあったことが明らかになり、エベレチ・エゼはアー​​セナルへの移籍へのドアをオープンにしている。彼はアーセナルのプロジェクトに惹かれており、自らの将来にとって魅力的なチャンスだと感じている。アーセナルはリリース条項のディテールなど、獲得のために必要な情報を収集した」

「アーセナルがノニ・マドゥエケとの新たな交渉をスタートしたことは承知している。彼は移籍に対して、前向きな姿勢を示しているようだ。クラブ間でのコンタクトや、選手との直接的な交渉については現時点で進展はないが、状況の推移を注視し続けたい。これはエベレチ・エゼとは別なディールだ」

トランスファーマーケットのスペシャリストのポストで気になるのは、「This is separate from the Eberechi Eze deal」という一文です。エゼとノニ・マドゥエケをダブルでゲットする可能性があるのでしょうか。クリスタル・パレスのプレーメイカーはトップ下と8番での起用もあり、チェルシーのドリブラーは左右のサイドと考えれば、交通整理はできるのですが…。

だとすると、ロドリゴとノニ・マドゥエケが競合し、さらにエゼまで押さえようとしているということになります。このうえストライカーも獲得したら、前線だけで2億ポンドを突破?コンセプチュアルなターゲティング、緻密なリサーチ、指揮官とSDの情熱的な口説きの3点セットで、近年の補強をことごとく成功させてきたアーセナルらしからぬ話です。

さて、ロドリゴ、エゼ、ノニ・マドゥエケが全員いけるとしたら、誰を引き入れるのがいいでしょうか。1ヵ月ほど前に「最近、よく見かける『アーセナルのウインガーの最有力候補はロドリゴ』ってホント?」と題した記事で、「ロドリゴはやばい」と書いたのは、「高すぎる移籍金」「入団の動機」「プレミアリーグ経験」という3つの懸念があったからです。

前線ならどこでもできる選手ゆえ、攻撃のバリエーションは広げられるでしょう。過去3シーズンの公式戦50ゴール31アシストは、素晴らしい数字です。しかし7000万ポンドを超える移籍金を突き付けられると、言葉を失ってしまいます。この額は、マルティネッリの競争相手ではなく、ポジションを空けて迎えるようなレベルです。

ヴィニシウス・ジュニオールという強力なライバルが左サイドにいて、逆サイドやベンチで過ごす時間が長かったとはいえ、ラ・リーガで10ゴールが最多の選手と考えるとリスキーでしょう。サブにまわれと宣告されたような補強を見たマルティネッリが出口に向かい、プレミアリーグの経験ゼロのアタッカーが空回りという悪夢の可能性はなきにしもあらずです。

「アンチェロッティ監督の下で、トレーニングに対するモチベーションが低下していた」という報道も大いに気になります。デクラン・ライス、ミケル・メリノ、カラフィオーリなど、ここ数年のアーセナルの新戦力は「エミレーツで戦いたい」選手が大半でした。移籍の動機が「得意の左サイドで常時プレイしたい」なら、ドレッシングルームで浮いてしまうかもしれません。

これらの不安について、エベレチ・エゼはすべてクリアできる可能性が高そうです。プレミアリーグ経験は問題なし。13歳で退団となったクラブでのリトライは、モチベーションにつながるでしょう。6800万ポンドといわれるリリース条項はロドリゴより安く、左のウイングに加えてトップ下やインサイドMFでもプレイできるので、Bプランの強化につながります。

ノニ・マドゥエケは好きな選手で、左右どちらでもプレイできそうですが、右からのカットインが得意なレフティが増えるとイーサン・ヌワネリの契約延長交渉が難航するかもしれません。アーセナルへのロイヤリティが高そうなエゼとギョケレスを加えたうえで、代理人を変えたトロサールの退団が必至となったら、もう1枚足すのがベターなのではないかと思われます。

アルテタ監督が経営ボードとアンドレア・ベルタSDに、「アジアツアーの前に新戦力を揃えてほしい」とオーダーしたという報道もあります。未だ本命が見えてこない前線の補強は、ドライブがかかるのでしょうか。新戦力獲得に加えて、ターンオーバーとBプランのクオリティ向上と、若手の能力開発も推進していただければと願いつつ、続報を待ちたいと思います。


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