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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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チェルシーがパリ撃破で世界王者、しかし…!現地メディアがクラブワールドカップに総ツッコミ!

コペンハーゲン、レギア・ワルシャワ、ユールゴーデン、レアル・ベティス。カンファレンスリーグのノックアウトラウンドで敗れたクラブの関係者は、「何でアイツがいたんだ?」と困惑しているのではないでしょうか。ビッグイヤーを獲得したパリ・サンジェルマンに3-0で勝てるチームは、小国の王者や中堅クラブが集まる大会には出場しないのがフツーです。

モデルチェンジしたクラブワールドカップを制したチェルシーの選手たちも、「何でアイツがいたんだ?」と戸惑っているのではないかと思われます。キャプテンのリース・ジェームズにトロフィーを手渡したのは、フットボールには縁がないドナルド・トランプ。日本の総理大臣に会おうとしないアメリカ大統領は、記念撮影をしようとしているチームから離れませんでした。

「彼がいなくなるまで待とう」とキャプテンにささやいたコール・パルマーは、試合後の会見で「I was a bit confused(ちょっと混乱した)」と率直に語っています。大会MVPの10番が顔をしかめる一方で、「入団したらいきなり世界一」のジョアン・ペドロとリアム・デラップは笑いが止まらなかったようです。青いシャツとスーツが並んだ写真は、後世まで伝えられるでしょう。

チェルシーにとっては、世界王者の称号を得た最高の大会でしたが、イギリスのメディアを見ると、「奇妙な大会」と表現している記者もいます。「新生クラブワールドカップの初代王者というけど、彼らが出場資格を得たのは2021年のクラブワールドカップで勝ったからだ」。チェルシーのなかで、あの大会を経験した選手はリース・ジェームズのみで、今回は全く別なチームです。

「アスレティック」のオリヴァー・ケイ記者は、「欧州の主要リーグを制したリヴァプール、ナポリ、バルセロナがいない大会で世界一を争うのか」とツッコミを入れていました。「テレグラフ」のトム・モーガン記者は、「女子欧州選手権のイングランドVSウェールズや、イングランドU-21代表の欧州連覇のほうが、チェルシーの決勝より視聴者が多かった」といっています。

「BBC」のシャムーン・ハーフェズ記者とニザール・キンセラ記者は、「記録破りの猛暑と激しい嵐で大混乱」「マメロディ・サンダウンズが蔚山HDに1-0で勝った試合の観客は3412人」「チェルシーVSフルミネンセの準決勝のチケットは、試合前の1週間で350ポンドから10ポンド以下に値下がり」などと、来年のワールドカップで解決すべき課題を並べています。

彼らの根底には、「FIFAの商業主義によって、選手たちが過密日程を強いられている」「夏のアメリカは、フットボールの大会を開催できる環境ではない」といった批判があるのでしょう。ファイナルで完勝した母国のクラブ、すべてのゴールに絡んだ10番、巧みなチップキックでとどめを刺したニューフェイスへの称讃はあっても、大会自体を評価する声はありませんでした。

目下の興味は、「史上最短の夏休み」に入ったチェルシーの新シーズンのスタートです。ライバルたちが充電期間を終えて始動しているなかで、8月4日の週に全員が揃うチームは、2週間に満たない期間で戦える状態に戻れるのか。この先4年間、世界王者であることを証明するバッジと9000万ポンドを手に入れたクラブが、その代償をどれほど小さくできるかに注目しましょう。


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