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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ギョケレスが最優先かと思いきや…アーセナルはなぜ、クリスティアン・モスケラに目を向けたのか?

「テレグラフ」によると、最終ラインの強化を目論むアーセナルの当初のターゲットは、ボーンマスのディーン・ハイセンとクリスタル・パレスのマーク・グエイだったそうです。ディーン・ハイセンの移籍金は、リリース条項に記載されている5000万ポンド。1月にグエイを獲りにいったスパーズは、5500万ポンドを断わられており、同じレベルの投資が必要といわれていました。

サム・ディーン記者のレポートを読んで、ガセネタだろうと疑ったグーナーもいるのではないでしょうか。ウィリアム・サリバとガブリエウ・ジェズスを擁するチームが、バックアッパーに5000万ポンドからのビッグマネーを投じるなんて…。サポーターでさえ信じがたい話に最も戸惑ったのは、オファーを受けた2人だったのかもしれません。

いや、彼らは疑ったのではなく、ノースロンドンでの未来をリスクと捉えたのでしょう。2年連続でプレミアリーグの最少失点のチームにいっても、最強のコンビをベンチから目で追う時間ばかりになりそうです。ガチガチのレギュラー、ひいてはリーダーとしてプレイしたかったCBたちは、チームの軸として獲得したいといわないクラブにイエスとはいえなかったようです。

アーセナルは、サリバとガブリエウのいずれかを欠いても、レベルが落ちないスカッドをめざしていました。有体にいえば、キヴィオルを右のCBで起用せずにすむ体制です。冨安健洋が元気で、ティンバーの負傷がなければ、考えなくてもいいテーマでしょう。中小のクラブの主軸が来てくれないなら、目を向けるべきはブレイク寸前の若手か、実績があるベテランです。

そんななかで探し当てたクリスティアン・モスケラは、絶妙な人選に見えます。バレンシアで最終ラインに定着したのは、2023-24シーズン。負傷したガブリエウ・パウリスタの代役というチャンスを活かし、読みの鋭さと守備範囲の広さで評価を高めました。「アスレティック」のセリス・ジョーンズ記者のレポートを読むと、今のガナーズに合うタイプに感じられます。

「モスケラはまだ若く、最終ライン全体をカバーでき、柔軟性のあるDFだ。バックラインをカバーする役割として、即戦力といえる人材だろう。21歳ながら、守備においてインテリジェンスを発揮している。チャレンジのタイミングを巧みに見計らい、ファールは少なく、デュエルも強い。昨シーズンのラ・リーガで、ドリブラーへのタックルが最も成功した選手のひとりだった」

「モスケラはボール奪取に優れているが、ボールをキープして押し上げるタイプではない。彼はボールプレイングのCBではなく、相手をかわしたり、ファイナルサードまで運んだりするプレイはほとんどない。21歳という年齢を考えると、こういった能力を伸ばす余地はあるが、時間がかかるだろう。空中戦は、少なくとも今のところは強いとはいえない」

最大の強みはスピードを活かした広範囲のカバーで、デュエルとトランジションに長けている一方で、パスワークと空中戦は成長途上のようです。ウィリアム・サリバがガナーズにフィットしたプロセスを思い出せば、伸びしろがあるとポジティブに捉えればいいでしょう。移籍金1300万ポンドとアドオンという契約は、数年後にバーゲン価格といわれるかもしれません。

最終ラインはジンチェンコを売却しても万全。中盤もエゼを押さえれば、サンビ・ロコンガやリース・ネルソン、ファビオ・ヴィエイラを放出して準備万端です。アルテタ監督は、プレミアリーグとCLだけでなく、国内カップも狙うつもりでしょう。層が厚くなったガナーズは、オプションの布陣を機能させられるようになれば、久々のトロフィーに近づけるはずです。


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