2025.07.29 移籍ニュース2025-26移籍ニュース
バルセロナにローン移籍決定、しかし登録は?ラシュフォード復活のシナリオは、前代未聞の茨の道!

しかし今回の契約の条件は厳しく、ポジション獲得は茨の道です。マンチェスター・ユナイテッドが支払っていた1500万ポンドを超えるサラリーは、1200万ポンドまで減給となり、2600万ポンドの買い取りオプションはバルサが違約金なしで断れる契約になっています。最も厳しい条件は、「登録保証なし」。減俸を呑んだのに、メンバーとして登録されない可能性があるのです。
バルセロナの新戦力獲得における最大のハードルは、ラ・リーガのサラリーキャップです。2024-25シーズンは、ダニ・オルモとパウ・ビクトルの登録の是非がシーズンを通じて話題になりました。ケチのつき始めは昨年の夏。バルサのスカッドのサラリー総額が上限と設定されたラインを超えてしまい、2人の新戦力を登録できなくなってしまいました。
それでも前半戦は、アンドレアス・クリステンセンとロナルド・アラウホが長期離脱となったため、「12月31日までは彼らのサラリー枠の一部を使って登録できる」という抜け道…いや、特例が発動されて数試合の欠場のみで済みました。1月以降も登録を継続させるためには、売上を伸ばしてサラリーキャップの超過分を消さなければならなかったのですが…。
既に将来のテレビ放映権料まで売っていたクラブに、残された手段はさほどなく、「本拠地Spotifyカンプ・ノウのVIPボックスの利用権を総額1億ユーロで販売」というスーパーイリュージョンショーが展開されました。現在は絶賛改装工事中で、実在しないボックスシートを数十年先までドバイの金持ちに売りつけるというアイデアは天才的です。
彼らなりに手を尽くしても、ラ・リーガとスペインサッカー連盟はNGだったのですが、高等スポーツ評議会(CSD)が協力してくれました。承認理由は、「クラブは控訴している」「暫定措置を講じなければ、スポーツと経済の観点でクラブと選手に深刻な損害を与え、リーグ全体に悪影響を及ぼす」。みんなで決めたら守ろうという人間社会のルールは、かき消されたようです。
この話の煽りを受けて、1月にバルサ移籍が実現しなかったラシュフォードは、いくつかの幸運も手伝ってピッチの手前まで辿り着きました。ルイス・ディアスはリヴァプールの要求額を支払えず、ニコ・ウィリアムズは高額の移籍金とサラリーに加えて、「登録できなかったらフリーで退団OK」という条項を求められて決裂しています。つまり彼は、3番手からの繰り上げ当選です。
「サラリー減額OK」「登録できなくてもやむなし」「買取時の移籍金は格安」「クラブは違約金を設けず、本人はいかなる保証も要求しない」。マン・ユナイテッドと本人がここまで譲歩し、やっと未来が見えてきたのですが、それでも1200万ポンドは主力レベルのサラリーです。ラミン・ヤマルとハフィーニャに伍する結果を出せなければ、1年でアウトとなる可能性があります。
入団できても、登録されるか。登録されても、試合に出られるか。試合に出られても、ポジションを獲得できるか。ポジションを獲得できても、サラリーに見合う仕事と評価されるか。サラリーに見合う仕事と評価されても、クラブは2600万ポンドとその先のサラリーを支払えるのか。1年後、サラリーキャップをクリアするために誰かを手離すとなったら…。まさに茨の道です。
「母さん、オレ、スゴい会社に就職できるみたいだ」。そう打ち明けられた母親は、1年の試用期間を経て正社員になったら仕度金がもらえると聞いて、「もしかしてブラック企業…」という言葉を呑み込みました。幸せになってほしいと願いつつ、こう返すしかありません。「監督のいうことを、ちゃんと聞くんだよ」「ナイトクラブやバー通いは、ほどほどにね」。
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笑っちゃいけないと思いつつ、お母さんのくだりが秀逸すぎてめちゃくちゃ笑いましたw
オーレの頃はこんな未来あり得なかったはずですが、どうしてこうなったんでしょう…