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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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サラーとファン・ダイクが冴えず…本気のクリスタル・パレスがコミュニティシールド初制覇!

ヴィルツの縦パスをボックス左で受けたエキティケが、ヴィルツに戻して中央へ。ヴィルツのラストパスが再度エキティケに通ると、コースを消そうとした鎌田大地の股間を抜けた美しいシュートが左のサイドネットに届きました。ウェンブリーで開催されたコミュニティシールドは、開始4分にスコアが動きました。

2人の新戦力のコンビネーションで先制したリヴァプールは、上々のスタート。終盤までイーブンで耐えたかったクリスタル・パレスは、追加点を許すわけにはいきません。最前線のエキティケの後ろにサラー、ヴィルツ、ガクポ。サイドから攻め上がるジェレミー・フリンポンとケルケズは、マテタ、エゼ、イスマイラ・サールが繰り出すカウンターへの対応も注目ポイントです。

12分のFKから左を狙ったエゼのミドルは、ショボスライの背中に当たってCK。イーグルスが追いついたのは17分でした。鎌田大地のスルーパスでマテタがラインの裏に飛び出し、アリソンと1対1になってかわそうとすると、ボールをよく見ていた守護神が足でブロック。コナテが右に出したボールをさらったタイリック・ミッチェルは、すかさずイスマイラ・サールに預けました。

中央に持ち込んだ7番に足を出したファン・ダイクは、カットできると思ったのでしょう。しかしキャプテンが出した足に触れたのは、ボールではなくアタッカーの左足でした。ジャッジはPK、今や絶対的エースのマテタが冷静に右に決めて1-1。イーブンに戻したFAカップの覇者は、たった4分で再びビハインドを背負ってしまいました。

ショボスライのサイドチェンジを右サイドでキープしたのは、ジェレミー・フリンポン。縦に持ってタイリック・ミッチェルをかわすと、ふわりと浮かしたクロスがディーン・ヘンダーソンの指先を越えてファーのサイドネットに落下しました。幸運な勝ち越しゴールが決まった瞬間、絶叫するレッズサポーター。期待のニューフェイスが連発という最高の展開です。

27分、劣勢のクリスタル・パレスにアクシデント発生。同点ゴールのきっかけとなった鎌田大地がピッチに座り込んでしまい、ウィル・ヒューズが急遽呼ばれて中盤センターに入っています。36分に右からスプリントしたムニョスがファーに上げると、走り込んできたウィル・ヒューズのボレーはクロスバーの上。昨季プレミアリーグ王者がリードしたまま、後半に突入しました。

キックオフ直後にケルケズが左サイドのガクポに預け、ボックスに入った18番のシュートがブロックされると、後ろからフォローしたSBがファーにクロス。競り勝ったエキティケのヘッドは、左に外れてしまいました。52分には、ケルケズが左のヴィルツにパスを通し、きれいなグラウンダーがニアへ。エキティケが左足で合わせたボールは、左のポストの脇を抜けていきました。

この2発のうち、どちらかが決まっていればリヴァプールが押し切っていたでしょう。62分に敵陣で奪ったウォートンが左のエゼにつないだショートカウンターは、ニアを狙った決定的な一撃をアリソンが足を出してセーブしました。71分にエキティケとカーティス・ジョーンズが下がり、マック・アリスターと遠藤航。スロット監督は、このまま逃げ切ろうとしています。

77分、ウィル・ヒューズがハーフライン付近で競り合いを制し、クリス・リチャーズの縦パスがウォートンへ。ラインを上げたファン・ダイク…しかしコナテが残っており、スルーパスでキャプテンと入れ替わったイスマイラ・サールがアリソンと1対1になりました。右足のシュートがニアポストを叩いてネットを揺らし、2-2。90分で決着がつかなければ、すぐにPK戦となります。

レッズが苦戦を強いられた最大の要因は、サラーの不調でしょう。パス成功率65%は、両チームのスターターのワースト。ケルケズの折り返しを中央で受けた83分の決定機は、左足のダイレクトショットがGKの正面に飛んでしまいました。2つの判断ミスで失点を招いた病み上がりのファン・ダイクと、停滞気味のエースを代えられていれば、違う結末になっていたかもしれません。

ゴールが必要になったスロット監督の最後のカードは、84分。ヴィルツとケルケズを下げ、エリオットとロバートソンです。92分のCKから、マック・アリスターが左に流したボールをショボスライがダイレクトで叩くと、ニアと読んでいたディーン・ヘンダーソンがキャッチ。96分にエゼが右に出したボールに走り込んだデヴェニーは、惜しくも右に外してしまいました。

PK戦の最初のキッカーだったサラーは打ち上げ、2人めのマック・アリスターのキックは左に飛んだディーン・ヘンダーソンがビッグセーブ。直後にエゼがフェイントをアリソンに読まれ、ガクポとイスマイラ・サールが決めて1-2になった後、コースを完全に読まれたエリオットのミスが致命傷でした。2-3で制したクリスタル・パレスは、コミュニティシールド初制覇です。

ピッチの脇に置かれたディーン・ヘンダーソンのボトルには、レッズの選手の名前とPKに関するデータがびっしり書かれていました。読みが外れたのは、右隅に収めたガクポの1発のみ。PK戦を想定し、入念に準備したオリヴァー・グラスナーとスタッフも、クラブに新たな歴史を刻んだヒーローです。FAカップと同じ先発メンバーに、本気度の高さを感じた一戦でした。

敗れたリヴァプールは、明らかに人数不足のCBとウイングが気がかりです。トランスファーマーケットで人選を誤ったり、負傷者が続出したりすれば、ポイントを大量に落としてしまう可能性があります。両方とも、最低でもひとりずつの補強が必要でしょう。ヴィルツやエキティケの滑り出しを追いかけつつ、新戦力獲得のほうにも注目しましょう。


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