2025.08.26 プレミアリーグ観戦記2025-26プレミアリーグ観戦記
【Newcastle×Liverpool】10人のマグパイズに大苦戦リヴァプール、決勝ゴールは16歳のエングモア!

35分の先制ゴールは、復帰初戦のフラーフェンベルフ。ガクポのパスをボックス左手前で受けたアンカーは、逆サイドに出そうとしたのですが、コースがないと見て思い留まりました。右足でボールを止めるまでは、何でもないシーンだったのですが、すぐに右足を振り抜くと、ブルーノ・ギマランイスの股間を抜けたボールはニアポストに当たってネットに届きました。
ここまでは、明らかにニューカッスルペース。レッズのシュートは、13分にボックス左から放ったヴィルツのコントロールショットだけでした。リードされたチームは、45分のトラブルでさらに追い込まれます。左サイドでコナテにプレスをかけたアンソニー・ゴードンは、アリソン、ファン・ダイクとつながったボールを執拗にチェイスし、CBが出す瞬間に足元に飛び込みました。
後方からスパイクの裏で右足を削った危険なプレイに、最初に示されたのはイエローカード。VARからのツッコミ待ちのようなジャッジに、当然のように指摘が入り、オンフィールドレビューでカードの色が変わりました。ファン・ダイクが軸足を払われて転倒する映像は、どこからどう見ても「クロ」でした。昨季プレミアリーグ王者に対して0-1で10人は、敗戦必至です。
後半のキックオフの直後、ヴィルツがセンターサークルのエキティケに預け、ドリブルで上がったストライカーが左のガクポに送ると、カットインからのシュートはシェアがブロックしました。こぼれ球はガクポの足元へ。トナーリに詰められ、右脇で待っていたエキティケに流すと、右足インサイドのダイレクトショットは左のポストの内側を叩く完璧な弾道でした。
クリスタル・パレスとのコミュニティーシールドから、ボーンマス、ニューカッスルと3試合連続ゴール。イサクは不要とアピールするような一撃で0-2になったときは、王者の圧勝もあるのではないかと思いました。ここからのレッズが、100分までシュートゼロというストーリーは誰も想像できなかったでしょう。
4-3-2のチームは徐々にペースを取り戻し、57分のロングスローの二次攻撃で1点差に詰め寄りました。左サイドでクリアを拾ったリヴラメントが中央に浮かすと、ケルケズに競り勝ったブルーノ・ギマランイスのヘッドが右隅に収まりました。1-2となってから、肩を痛めたトナーリと足を捻ったジョエリントンが続々とリタイア。停滞していたレッズに追い風が吹いているようです。
そろそろ遠藤航かと期待しながら見ていると、スロット監督が80分に切った最初のカードは、ヴィルツとエキティケをブラッドリーとフェデリコ・キエーザ。エディ・ハウ監督は、頭を打ったシェアをここで諦め、ミランから獲得したティアウを起用しました。右サイドをカバーしつつ、ときどきセンターというアーノルドの仕事を託されていたショボスライは、前に出ています。

負傷者が多発したため、追加タイムは11分。ここで冒頭のシーンに戻ります。指揮官がエリオットとエングモアを選んだのは、他に前線の選手がいなかったからでしょう。100分に右サイドのブラッドリーがキープした瞬間、ゴール前は4対3。ゼブラのシャツは1枚足りません。直前にエリオットとフラーフェンベルフに詰めていた3人のMFは、そこで奪わなければならなかったのです。
フリーでもらったフェデリコ・キエーザがボックス右脇のサラーに預けると、シュートゼロのエースはダイレクトでグラウンダーを入れました。SBからパスが出たとき、後ろをチラ見していたショボスライは余裕のスルー。ノーマークで右のサイドネットに叩き込んだエングモアは、ウェイン・ルーニーから1日遅れとなる16歳361日のプレミアリーグ初ゴールです。
2-3となってから、サラーを遠藤航に代えたスロット監督に「遅い!」とツッコミを入れたのは、日本代表のキャプテンへの贔屓目が1割、ラスト10分の交代策で入れるべきという見立てが9割です。リヴァプールが劇的な決勝ゴールで連勝。セットピースを活かしてイーブンに戻したマグパイズは、勝てると意気込んでしまったのが、敗因のひとつでしょう。
1ポイントでOKとするなら、悪夢のシーンで前線に残っていたオスラとエランガは引いていたはずです。フリンポンとマック・アリスターを欠いたレッズは、相手が見せた一瞬の綻びをすべてゴールにつなげました。何はともあれ、連勝はポジティブですが、次戦はアーセナル。おとなしかったヴィルツとサラーは、覚醒するのでしょうか。
最初の2試合で4失点の守備は、カウンターとセットピースからの3発でことごとく無力だったコナテが気になります。右サイドをケアしなければならないシーンが増え、集中力を削られているのでしょうか。ラインの裏を狙うギョケレスを活かしたいアーセナルにしてみれば、攻めの意識が強くラインを上げてくるチームはウェルカムでしょう。
日曜日のシックスポインターはアンフィールドですが、最多ゴールのホームチームより、無失点のアウェイチームのほうが完成度で上回っているように見えます。リヴァプールが勝つための最初のミッションは、「ズビメンディを囲んでつぶせ」でしょう。相手を研究して調整を図るスロット監督と、わが道をいくアルテタ監督がどんな戦術でぶつかるのか、今から楽しみです。
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