2025.09.14 プレミアリーグ観戦記2025-26プレミアリーグ観戦記
【Brentford×Chelsea】前半は低調、主力投入で逆転、しかし…チェルシーの課題が見えたドロー決着!

GKロベルト・サンチェス、DFフォファナ、トシン、トレヴォ・チャロバー、ジョエル・ハト。センターにカイセドとエンソ・フェルナンデス、2列めにペドロ・ネト、ブオナノッテ、バイノー=ギッテンス、最前線にジョアン・ペドロ。イングランド代表を辞退したコール・パルマーはベンチスタートで、エステヴァン・ウィリアンは病欠のようです。
リース・ジェームズとククレジャを先発させなかったのは、水曜日のバイエルン戦を見据えた判断でしょうか。フォファナのSB起用とブオナノッテの抜擢は予想外でした。キックオフから5分、最初のチャンスは右SBのカヨデを追い込んだブオナノッテとジョエル・ハトのプレスから。奪ったボールをカイセドがジョアン・ペドロに預け、ショートカウンターが発動しました。
ダイレクトの落としを受けたブオナノッテが、中央に入ったジョアン・ペドロにすかさずリターン。左足のシュートは、冷静にコースを切ったネーサン・コリンズがブロックしました。直後、トシンの強引なフィードをルイス・ポッターがカットし、前線のイゴール・チアゴに縦1本。9番がつま先で送ったボールがシャーデに渡ると、決定的な一撃はトシンが何とか足に当てました。
チェルシーのテンポが上がらないのは、ビルドアップに問題があるからでしょう。フォファナはフリーで持っても最適なパスが出せず、トレヴォ・チャロバーはジョエル・ハトの動きを見ていません。19分にトレヴォ・チャロバーのロングフィードをボックス右でトラップしたペドロ・ネトは、打つ前にケレハーに回収されてしまいました。
ブオナノッテは最終ラインと中盤の間で受けようとしており、サイドでもらえないジョエル・ハトは中央に絞っています。彼らをうまく使えず、サイドのギッテンスとペドロ・ネトにも展開できないチェルシーは、速攻に対応させられるシーンが増えています。35分に自陣から最前線にボールを送ったのは、再三スルーパスを狙っていたジョーダン・ヘンダーソンでした。
左に流れて足元に収めたシャーデに対してトシンは無力で、余裕があったシュートがCBの内腿に当たって右のサイドネットに届きました。1-0の41分、トレヴォ・チャロバーのミドルはバーの上。43分に左からカットインしたギッテンスのシュートは、ケレハーの正面です。45分の中央突破からエンソ・フェルナンデスが左に流れて放ったシュートは、カヨデが足に当てています。
前半のシュートは3対5、オンターゲットは1対1。戦い方の見直しを迫られたマレスカ監督は、フォファナ、ジョエル・ハト、ブオナノッテを下げ、リース・ジェームズ、ククレジャ、タイリーク・ジョージを投入しました。48分にイゴール・チアゴへのスルーパスを止めたトレヴォ・チャロバーは、ミスパスをルイス・ポッターにカットされ、ピンチを招いてしまいました。

右にいたエンソ・フェルナンデスが前線に浮かしたボールをジョアン・ペドロが頭で落とすと、コール・パルマーのハーフボレーがゴール左へ。タイリーク・ジョージが左にまわり、10番がトップ下に入ってからサイドアタックが活性化しています。イゴール・チアゴの左からのクロスがファーのイエンセンに届いたのは62分。落としに反応したのは、先制ゴールのシャーデです。
左隅を狙った決定的なシュートは、ロベルト・サンチェスが右に弾き出すビッグセーブ。同点になってからはオープンな展開が続いており、ペドロ・ネトが右からのスプリントできわどいシーンを創っています。自陣でリコ・ヘンリーのパスをカットしたペドロ・ネトが、一気にボックス右に入ったのは75分。左足アウトのグラウンダーは、コール・パルマーにぴったりでした。
ゴールの左を狙ったラストタッチのコースが甘かったというより、読み切ったケレハーのビッグセーブをほめるべきでしょう。速攻の応酬は、これぞプレミアリーグ。79分にジョアン・ペドロと代わったのは、青いシャツでデビューとなるガルナチョです。アウェイチームの猛攻が実ったのは85分。起点となったのはペドロ・ネトでした。
右サイドからリース・ジェームズ、コール・パルマー、ガルナチョと左につながり、縦に持った49番のグラウンダーをルイス・ポッターがクリアすると、カットしたカイセドの豪快なミドルが左隅に突き刺さりました。「リードされたチェルシーが、主力の投入で巻き返して逆転勝利」。こう語られるべきだった一戦が、追加タイムにイーブンになるとは思えなかったのですが…。
93分、左からのロングスロー。ニアをカバーしていた5人がアイェルに競り負け、バックヘッドがファーに流れると、ボールウォッチャーになっていたガルナチョの背後に入り込んだファビオ・カルヴァーリョが右足インサイドでプッシュしました。198cmのCBへの対応が曖昧になり、裏をケアしていたウインガーが相手を見失うという2つのエラーがポイントロストにつながりました。
カウンターとセットピースで脆さを見せた守備を課題とするのか、1-3に突き放していればよかったというべきか。サンダーランドへのローン移籍をキャンセルしたマルク・ギウがいれば、最初の決定機から70分以上をシュートゼロで過ごしたジョアン・ペドロを引っ張らずに済んだのかもしれません。正統派の9番と統率力があるCBの不足は、今後も何かと話題になりそうです。
CLでバイエルンと戦った後、週末はオールド・トラフォード。シェシュコ、マテウス・クーニャ、エンベウモで前線を強化したマンチェスター・ユナイテッドは、速攻に要注意です。エクアドル代表で膝に包帯を巻いていたカイセドの負担を軽くするためには、ビルドアップでのミスと不用意なボールロストを減らす必要があります。マレスカ監督の対応に注目しましょう。(モイセス・カイセド/写真著作者/Timmy96 コール・パルマー/写真著作者/The White House)
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