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【MAN.CITY×MAN.UTD】決め手はドク&ハーランド!中盤が脆かったマン・ユナイテッド、完敗!

スパーズとブライトンに連敗といわれても、エティハドでペップと戦うのは怖いものです。プレミアリーグ4節のマンチェスターダービーは、負ければ首位の背中が遠のくサバイバルマッチ。両者ともに主力を欠いており、スカッドの総力が問われる一戦といえるでしょう。マンチェスター・シティのゴールマウスはドンナルンマで、フォーデンとグヴァルディオルは今季初先発です。

GKドンナルンマ、DFフサノフ、ルベン・ディアス、グヴァルディオル、ニコ・オライリー、MFロドリ、ベルナルド・シウヴァ、レインダース、FWフォーデン、ハーランド、ジェレミー・ドク。対するマンチェスター・ユナイテッドはマテウス・クーニャとメイソン・マウントが欠場で、前線の交代カードはザークツィーという心細い状態です。

バユンドゥル、レニー・ヨロ、デ、リフト、ルーク・ショー、マズラウィ、ブルーノ・フェルナンデス、ウガルテ、ドルグ、アマド・ディアロ、エンベウモ、シェシュコ。キックオフの直後にボックス左を攻略したホームチームは、縦に抜けたハーランドがクロスに打ったシュートがファーポストすれすれを抜けていきました。

厳しいプレスとブーイングにひるんでいるように見えたアウェイチームは、4分に最初のチャンスをつかみました。ブルーノ・フェルナンデスのサイドチェンジがマズラウィへ。斜めのパスを足元に収めたエンベウモが中央に流すと、シェシュコが振り向きざまに放った左足のミドルは、ドンナルンマが右手を伸ばしてセーブしました。

バユンドゥルのトラップが長くなり、ハーランドに詰められたのは7分。マンチェスター・ユナイテッドのビルドアップは、相変わらず不安定です。ペップのチームがパスをまわし始めると、アモリムは5-4-1。16分のカウンターは、ブルーノのパスを受けたドルグがファーにクロスを上げますが、アマド・ディアロのバイシクルがうまく当たりませんでした。

18分にロドリの縦パスで前を向いたのは、右にまわっていたジェレミー・ドク。ルーク・ショーをあっさり抜き去ったドリブラーは、最初のクロスをウガルテにカットされるも、こぼれ球をダイレクトで中央に送りました。ヘディングで左に決めたのはフォーデン。ブルーノが最後まで見ていれば、フリーで打たれることはなかったはずです。

ロドリがオライリーに展開したのは24分。縦パスを受けたドクがニアのレインダースにグラウンダーを通すと、ダイレクトショットはバユンドゥルがかろうじて前に弾きました。32分に右サイドのマズラウィがラインの裏に浮かし、抜け出したシェシュコがドンナルンマと1対1になりますが、打つ手前でハンドがあったとされ、CKをもらえずに終わっています。

39分、レインダースの縦パスを前線で受けたオライリーは、右足のシュートがミートせず右にアウト。追加タイム1分にエンベウモが右から入れたFKは、ニアのハーランドがクリアしています。前半のポゼッションは60%対40%、シュートは4対1、オンターゲットは2対1。マンチェスター・ユナイテッドはサイドを攻略できず、苦しいクロスはすべて跳ね返されています。

後半開始直後、アウェイチームのCKからの波状攻撃はクロスがことごとく通らず。ハーランドはCBの仕事を楽しんでいるように見えます。53分、左に出ていたフォーデンの縦パスがドクに通り、ボックス左でバユンディルと1対1になったハーランドが軽く浮かして枠に収めました。右腕で押さえられたルーク・ショーは、何もできなかったというしかありません。

55分のピンチは、バユンドゥルのパスを受けたウガルテのミスがきっかけです。プレスを見て焦ったのか、パスが中途半端になり、前に蹴るしかなかったデ・リフトのキックのコースはドクに読まれていました。縦のラストパスをレインダースがスルーし、裏にいたハーランドがGKと1対1。左に持ってかわした9番は体勢を崩し、左足のフィニッシュは右のポストにヒットしました。

2点をリードされたマン・ユナイテッドは、残り30分までシュート1本。60分のドルグのクロスがファーに上がると、エンベウモの決定的なバイシクルは、右に反応したドンナルンマのビッグセーブに阻まれました。ルーベン・アモリムの最初のカードは62分、マズラウィとレニー・ヨロに代えてマグワイアとメイヌー。勝負が決したのは68分でした。

敵陣右のメイヌーが中央のウガルテに預けると、ボックス左のドルグに出せたMFはベルナルド・シウヴァに詰められていたルーク・ショーの足元に転がしました。2失点に絡んでいたレフティはトラップが大きくなり、後ろのマグワイアに苦し紛れのパス。ハーランドのプレスでコースを失ったCBはベルナルド・シウヴァにインターセプトされ、縦パス1本で9番が独走となりました。

バユンドゥルの飛び出しを見極めたエースが左隅に流し込んで3‐0。75分のカウンターからの決定機も、マンチェスター・ユナイテッドの脆さが凝縮したようなシーンでした。ブルーノがドルグに出した弱いパスをフサノフがカットすると、ベルナルド・シウヴァが自陣右に引いてきたハーランドにパス。ウガルテは9番を追い越していくレインダースを見ていただけでした。

マグワイアもハーランドの突破をケアしていたため、縦にボールが出るとレインダースがひとり旅。ストライカーの足を引っかけて倒したウガルテは、遅すぎると自覚していたはずです。バユンドゥルとの1対1からのチップキックが左に逸れ、4点めは免れたものの、パスをカットされてからの個々の判断がことごとく間違っていたといわざるを得ません。

ドルグのクロスをエンベウモが打ち上げた直後、80分にウガルテとシェシュコが下がり、カゼミーロとザークツィー。マンチェスター・ユナイテッドがここから7本のシュートを打てたのは、勝利を確信したホームチームが自陣に引いていたからです。すべて枠にいかず、3-0のままでタイムアップ。ウインガーとストライカーをあれだけ自由にすれば、この結果はやむなしです。

終わってみればポゼッションは45%対55%、シュートは13対12。ルーク・ショーはドクとハーランドを止めるには速さも強さも足りず、フラム戦でスミス・ロウのスプリントに棒立ちだったブルーノはフォーデンもフリーにしてしまいました。判断のスピードが遅いウガルテは、追い込まれて致命的なミスを連発。マック・アリスターやカイセドも、彼の迷いを見逃さないでしょう。

残り30分から入ったメイヌーは、パス成功率100%でチャンスクリエイト2回。80分に登場したカゼミーロも、前線を動かす長短のボールを繰り出しています。後半の早い時間にブルーノを2列めに上げ、彼らを中盤に配していれば、きわどい展開に持ち込めたかもしれません。中盤センターの弱点と不安定なビルドアップ、ルーク・ショーの脆さがすべて失点に直結した一戦でした。

結果的に3発快勝のマンチェスター・シティは、前半は攻めあぐみ、後半は立ち上がりから押されていました。フサノフの右サイド起用は的確で、ハーランドとドクは素晴らしかったのですが、ズビメンディ、デクラン・ライス、モスケラ、ガブリエウが揃うエミレーツで同じことができるでしょうか。

フォーデンとベルナルド・シウヴァが頻繁にポジションを変えるアタックはおもしろかったのですが、ゴールに迫るためのアイデアが少ないように感じました。セカンドハーフのパス104本と成功率72%は、ペップの数字ではありません。レインダースは90分プレイした選手のなかでタッチが最も少なく、ドルグと対峙したベルナルド・シウヴァはデュエルで11敗を喫しています。

次戦は、エゼとカラフィオーリに対応するサイドの活性化が必須です。中盤センターと3バックがナーバスなマン・ユナイテッドと、サイド攻略において個人力への依存度が高いマン・シティ。両者ともに、この試合で露呈した課題を解決できなければ、勝負強いリヴァプールとの差は開くばかりになるでしょう。2025-26シーズンも前途多難です。


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