2025.09.21 プレミアリーグ観戦記2025-26プレミアリーグ観戦記
【MAN.UTD×Chelsea】愚かなカゼミーロ、不可解なアモリム。猛攻から一転、ドロー寸前の辛勝…!

さっそくホームチームから、先発メンバーを確認しましょう。GKバユンドゥル、DFデ・リフト、マグワイア、ルーク・ショー。WBはマズラウィとドルグ、中盤センターはブルーノ・フェルナンデスとカゼミーロ、前線はエンベウモ、アマド・ディアロとシェシュコです。メイソン・マウントとマテウス・クーニャがベンチはいいとして、メイヌーとラメンズは…。
対するチェルシーは、ほぼベストメンバーといえる顔ぶれです。ロベルト・サンチェス、リース・ジェームズ、トレヴォ・チャロバー、フォファナ、ククレジャ、カイセド、エンソ・フェルナンデス、エステヴァン・ウィリアン、コール・パルマー、ペドロ・ネト、ジョアン・ペドロ。開始早々から、マンチェスター・ユナイテッドが猛攻を続けています。
3分に左からアーリークロスを入れたのは、パトリック・ドルグ。ファーに入ったエンベウモのヘッドは、ロベルト・サンチェスが左に弾き出しました。マズラウィのクロスのクリアを拾ったデ・リフトがダイレクトで左に上げると、打とうとしたドルグはリース・ジェームズにトラップをカットされました。事件が起こったのは2分後、バユンドゥルのフィードがきっかけでした。
トレヴォ・チャロバーと競ったシェシュコがラインの裏に送ると、カイセドをかわしたエンベウモに向かってロベルト・サンチェスが猛然とダッシュ。ボールを浮かして抜こうとしたエンベウモが腿を蹴られて転倒し、GKは当然のレッドカードです。エステヴァン・ウィリアンは何もせずに下がり、ゴールマウスにはヨルゲンセン。ペドロ・ネトもトシンと代わったようです。
ブルーノ・フエルナンデスのFKは壁に阻まれ、リバウンドを叩いたエンベウモのボレーはリース・ジェームズに当たってCK。5-3-1になったチェルシーは、防戦一方です。マズラウィがファーにクロスを上げたのは14分。ドルグのヘッドは右に外れる弾道だったのですが、トレヴォ・チャロバーと入れ替わったブルーノがスライディングで押し込みました。
余勢を駆って2点めを狙うホームチーム。18分にドルグが左から突破を図り、アマド・ディアロとブルーノを経由したボールが右のエンベウモにまわりました。左足のコントロールショットは、クロスバーの上。雨が降りしきるオールド・トラフォードは、今季最高のハイテンションです。21分にはコール・パルマーもアウトで、アンドレイ・サントス。この時間で3枚は非常事態です。
攻撃の手を緩めないマンチェスターユナイテッドは、ここぞという場面で雑なパスやタッチが多く、打てる形を創れません。33分に右からゴールラインまで持ち込んだアマド・ディアロは、パスのコースを失ってスローダウンした後、ダブルタッチをミス。2分後、マズラウィからパスを受けたシェシュコは4対3を活かせず、アマド・ディアロの後ろに出してしまいました。
37分のショートコーナーから、ボックス左に上げたのはマズラウィ。ドルグが頭で折り返し、リース・ジェームズのクリアが真上に高く浮いたとき、ヨルゲンセンが出てくるものと思いました。しかしGKは持ち場を離れず、ルーク・ショーと重なったマグワイアが頭に当てると、右に出たボールをカゼミーロがヘディングでゴールラインに叩きつけました。
40分にフォファナのバックパスを左サイドで奪ったアマド・ディアロは、クロスを味方につなげられず。何でもありの大味なゲームは、小競り合いやレフェリーへの抗議が増えており、勝っているチームのキャプテンが熱くなっています。追加タイム5分、カゼミーロが2枚めのイエローで退場。33歳のベテランは、1枚もらっていたのを忘れていたのでしょうか。
あれほど押しながら、前半のシュートは9本でシェシュコはゼロ。アモリム監督は、8回のタッチとパス成功3本というプアなスタッツしか残せなかったストライカーを下げ、ウガルテを投入しています。10人対10人となった後半は、アウェイチームのペース。どちらが勝つか、まったくわからない展開といっていいでしょう。

アモリム監督も、マズラウィに代えてマテウス・クーニャを投入。69分にはエンベウモとマグワイアが下がり、メイソン・マウントとレニー・ヨロが入りました。80分のショートコーナーから、美しいクロスを入れたのはリース・ジェームズ。レニー・ヨロの対応が遅れ、プレッシャーがなかったトレヴォ・チャロバーがヘッドで右隅に決めました。
2-1になり、マンチェスター・ユナイテッドは5-2-2で逃げ切ろうとしています。83分、リース・ジェームズがハーフライン付近でタッチミス。奪ったブルーノは単独でボックス手前に上がり、右足でミドルを放つと、ヨルゲンセンが右に飛んでセーブしました。87分にブルーノ・フェルナンデスが下がり、コビー・メイヌー。追加タイムは7分です。
94分のリース・ジェームズの高速クロスを、バユンドゥルがジョアン・ペドロの前に弾いたときはドローを覚悟しました。ストライカーの足に当たったボールは後ろに逸れ、アンドレイ・サントスのシュートはウガルテにヒット。こう書くと25番がチームを救ったみたいですが、「ジョアン・ペドロを見失ってフリーにしたMFが、かろうじて足に当てた」という表現が妥当でしょう。
開始6分でGKと左右のウイングが消え、21分には絶対的エースがいなくなったのに2-1とは…!「昇格チームに終了間際のPKって」と唇をかんだバーンリー戦に続き、素直に喜べない勝利でした。とはいえ、デュエル全勝で12本のパスをファイナルサードに送ったマズラウィ、気迫のこもったプレイを見せたデ・リフト、序盤の猛攻をリードしたドルグを称えましょう。
彼がアンドレイ・サントスを後ろから羽交い絞めにしたとき、3バックは戻っており、前線にいたのは右サイドで出せと叫んでいたリース・ジェームズだけでした。早い時間にイエローをもらっているのにあんなことをしたら、どうなるかはわかるでしょう。ティーンエイジャーでもやらない愚かなファールが、ポイントのロストにつながらなかったことを喜ぶしかありません。
チェルシーの21分までに3人チェンジは、プレミアリーグの最短レコード。エステヴァン・ウィリアンはタッチ6回、コール・パルマーとペドロ・ネトは2回触っただけで終了となりました。GKを入れるために経験が浅いエステヴァン・ウィリアンを外したのは納得ですが、ペドロ・ネトは残したほうがよかったのではないでしょうか。
ドリブルで勝負できるウインガーがいれば、ポゼッション72%の後半はシュート3本では終わらなかったのではないかと思います。エンベウモに無謀なチャレンジをしたロベルト・サンチェスの判断ミスが最大の敗因ですが、バイノー=ギッテンス、ガルナチョ、マルク・ギウを起用できなくなったのも惜敗の要因のひとつでしょう。
アモリムのプレミアリーグ9勝のうち、PK、オウンゴール、レッドカードなしで勝ったのは2つだけです。序盤のラッシュを見て、今日こそは快勝と思ったのですが…。GKのチョイスに始まり、カゼミーロ退場後の状況を確認せずにいきなりウガルテなど、疑問が増殖する采配だらけの一戦でした。ボールタッチ9回とパス成功5本のメイソン・マウントは、何を託されたのか?
カゼミーロが去るまでの45分はひとり多かったのに、シェシュコは1本も打てず、タッチはわずか8回でした。攻撃の構造と戦術を変えなければ、どんなストライカーを獲ってきても、ホイルンドのように自信を失うだけのようです。マンチェスター・ユナイテッドは、このまま戦い続けるのか。次節はアウェイでブレントフォード。ピッチに11人を揃える難敵です。
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