2025.09.22 プレミアリーグ観戦記2025-26プレミアリーグ観戦記
【Arsenal×MAN.CITY】いきなりハーランド、最後にマルティネッリ!ペップもアルテタも悔しいドロー!

アーセナルはサリバが復帰しており、ベンチにはブカヨ・サカがいます。GKラヤ、DFティンバー、サリバ、ガブリエウ、カラフィオーリ。MFズビメンディ、ミケル・メリノ、デクラン・ライス、FWノニ・マドゥエケ、ギョケレス、トロサール。ビルバオの本拠地サン・マメスで速攻を決めたマルティネッリは、エゼとともにゲームチェンジャーとして控えています。
対するペップの11人は、現状のベストメンバーです。GKドンナルンマ、DFフサノフ、ルベン・ディアス、グヴァルディオル、ニコ・オライリー。アンカーにロドリ、2列めにベルナルド・シウヴァ、レインダース、フォーデン、ジェレミー・ドクが並び、最前線はハーランド。キックオフから5人でプレスを仕掛けるマン・シティに対して、アーセナルはセーフティファーストです。
4分に左サイドをスプリントしたトロサールは、必死に追ったフサノフがカット。ボールを持たせていたマン・シティは、9分の最初の決定機を活かしました。自陣で3人に囲まれたハーランドがレインダースにパスを通すと、一気に加速してガブリエウとズビメンディを置き去りにしました。3対2のカウンター。ドリブルで進んだレインダースの左右に、エースとドクがいます。
ラストパスを足元に収めたハーランドにサリバは追いつけず、右足のフィニッシュが左隅へ。4-4-2で守るアーセナルに対してニコ・オライリーが中央に絞り、フサノフはハーランドと並ぶなど、ペップの布陣は流動的です。ミケル・メリノが自陣で囲まれたのは20分。奪ったボールがハーランド、ベルナルド・シウヴァとつながり、左からのレインダースのミドルはラヤの正面でした。
プレスに苦しめられているアーセナルは、30分を過ぎてもシュートゼロ。左サイドのトロサールとカラフィオーリの前にはフサノフが立ちはだかっており、右のノニ・マドゥエケのほうがチャンスを創れそうです。32分のカラフィオーリのロングスローから、クリアを拾ったデクラン・ライスがクロスを入れるも、ノニ・マドゥエケが頭で落としたボールに詰める選手がいません。
37分のカウンターも、サリバを体で押さえたハーランドが起点でした。右から仕掛けたドクは左にまわり込んで打てず、落としを受けたロドリのシュートはバーを越えていきました。ノニ・マドゥエケからミケル・メリノ、カラフィオーリと左につながったのは40分。外にまわり込んだズビメンディが折り返すと、グヴァルディオルのクリアがノニ・マドゥエケの前に落下しました。
左足のワントラップボレーを打つ寸前に、ドクがカットしてCK。45分にボックス右に出たノニ・マドゥエケが左足で中央に入れると、ドンナルンマがパンチし、カラフィオーリは左足のボレーを打ち上げてしまいました。1分後、ミケル・メリノの縦パスを受けたノニ・マドゥエケがニアに強烈なシュート。こういう場面でのビッグセーブは、ドンナルンマの真骨頂です。
前半のポゼッションは68%対32%、シュートは4対3。アルテタ監督がハーフタイムにミケル・メリノとノニ・マドゥエケを下げたのは、守備に不満があったのでしょうか。後半のピッチに入ったのは、エベレチ・エゼとブカヨ・サカ。ペップは足を痛めたフサノフに代えて、マテウス・ヌネスを投入しています。
トロサールのサイドチェンジがサカに通ったのは48分。ギョケレスへのクロスがクリアされると、ズビメンディのミドルはバーすれすれを抜けていきました。50分のトロサールのクロスも、グヴァルディオルがクリア。エゼの強烈なワントラップボレーは、ドンナルンマが冷静にセーブしました。52分、マテウス・ヌネスが自陣でスリップ。奪ったズビメンディは、左に展開しました。

60分にサカが蹴ったCKがファーに落ちると、トロサールのボレーはニアポストの前にいたグヴァルディオルにヒット。アーセナルの猛攻が続き、ペップのチームの布陣は7-3-0です。68分にフォーデンが下がり、ナタン・アケ。明確に5バックで守り切ると決めたようです。76分にサカがクロスを入れると、カラフィオーリのヘッドはドンナルンマの頭上を越えていきました。
76分にニコ・ゴンザレスと代わったハーランドは、ペップに納得いかないと伝えたのでしょうか。80分、ティンバーに代わってマルティネッリ。82分にワンツーで左サイドを突破したドクは、ガブリエウをかわしてラヤの前に出ますが、股間を抜いたボールは逆サイドに流れていきました。84分にトロサールが下がってヌワネリ。マン・シティが勝利に近づいています。
87分にドクとニコ・オライリーが下がり、ジョン・ストーンズとサヴィーニョ。アウェイチームは、ブレントフォードか!パレスか!とツッコミたくなる5-4-1です。追加タイムは7分。ハーフラインの手前にいたエゼがラインの裏に浮かしたのは93分でした。抜け出したマルティネッリにグヴァルディオルが詰めると、右足アウトのループシュートがドンナルンマを越えて右のサイドネットに届きました。
「結果には失望している。昨シーズンはエティハドで最後の瞬間に同点にして、今回はこちらで追いつかれた。これぞフットボール。97分とか98分の出来事だった。われわれは信じられないほど強かった。厳しい対戦相手が続くタフな1週間で、木曜日に戦ってから日曜日にロンドン遠征という過密日程だった。相手もとても強かった。この結果は妥当だ」(ペップ・グアルディオラ)
「少なくとも、ドローは当然の結果だろう。選手たちのプレーぶり、試合のほぼ全ての局面を支配した戦い方を誇りに感じている。勝利を逃したのはとても残念だ。(失点シーンでは)われわれは5対2で激しい争奪戦を繰り広げたが、ほんの一瞬の隙を突いてハーランドが走り込み、見事な形でスペースを突いた。あれが彼らのクオリティだ」(ミケル・アルテタ)
レッズが喜ぶ1-1のドロー決着。あからさまに引いたのに勝てなかったペップも、1ゴールで終わったアルテタも悔しがっていました。まずは素晴らしいゴールを決めたハーランド、レインダース、エゼ、マルティネッリを称えたいと思います。一気に3人を無力にしたハーランドのパス&ゴーと、11番の動き出しを見逃さなかったエゼは、素晴らしいのひとことです。
パス成功率97%で8本のロングフィードをすべて通したデクラン・ライスと、左右からのクロスをことごとく跳ね返したグヴァルディオルも、MVPの候補にしたいパフォーマンスでした。「前線でキープしてくれるハーランドをもっと引っ張ったほうがよかったのでは?」「ヌワネリをもっと早く」といった声もありそうですが、ペップもアルテタもぎりぎりの決断だったのでしょう。
リアリティがぶつかり合った無念のドローは、それぞれの課題が明確になった一戦でもありました。アルテタの最大のテーマは、シュートゼロに封じられたギョケレスの活かし方。ペップが考えるべきは、シュートゼロだった右サイドの崩し方でしょう。両者ともに、負傷者の復帰と新戦力のさらなるフィットによって、もう一段クオリティが上がるのではないかと期待しています。
おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!
コメントを残す