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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

怒りのフリンポン!エキティケのレッドカードは刹那の激情か、うっかりか、まさかの確信犯…?

ラインの裏に出したロバートソンのフィードも、右足の裏で止めたフェデリコ・キエーザのトラップも完璧でした。一瞬にして、ゴール前は2対0。右から走り込んだエキティケがラストパスをもらい、右足のインサイドで無人のゴールに流し込みました。カラバオカップ3回戦の85分、リヴァプールがサウサンプトンに2-1でリード。勝負は決まったといっていいでしょう。

ボールがネットに届いたのを見たストライカーは、コーナーフラッグに向かって走りながらシャツを脱いでしまいました。アンフィールドのスタンドに「22」を掲げながら後ろを気にしたのは、チームメイトが引いていると感じたからでしょうか。駆け寄ってハグをかわしたのはジェイドン・ダンズだけで、ジェレミー・フリンポンは彼の胸を突いて何かを叫んでいます

GKマッカーシーの軽率なパスを、フェデリコ・キエーザがボックス右でカットしたのは43分。ニアでフリーだったイサクにパスが通り、右足のダイレクトショットがニアに決まりました。ポジションを争うエース候補の移籍後初ゴールをベンチで見届けたエキティケは、絶対に負けないと自分に言い聞かせていたのかもしれません。

後半頭からイサクと代わってピッチに入ると、8分後にイエローカード。競り合ったネイサン・ウッドの腕をつかんでファールを取られ、激高したエキティケは、持っていたボールを右手で突き上げたのを抗議と見做されたようです。不要なカードを反省していれば、決勝ゴールのセレブレーションでシャツを脱いだりはしなかったでしょう。

退場になるとわかっていた右のフルバックは明らかに怒っており、2アシストで勝利の立役者になったフェデリコ・キエーザは神妙な表情でタッチを交わしただけでした。他の選手たちは遠巻きに見ていただけで、10人での戦い方を確認している選手もいたようです。能面の指揮官は、指で4-4-1を指示。レッズは反撃をシュート1本に抑え、2-1のままでタイムアップを迎えました。

「不必要で愚かな行為だった。本人には、『チャンピオンズリーグの決勝で87分に3人の選手を抜き去り、トップコーナーに突き刺すようなゴールを決めたなら、すべては俺のために存在するといいたい気持ちもわかるかもしれない』と伝えた。私は47歳で、古い人間だ。このレベルでプレイしたことはないけど、いくつかのゴールを決めたことはある」

「自分がこういう状況でゴールを決めたら、即座に振り返ってフェデリコ・キエーザのところに足を運び、『このゴールは君のためのものだ。自分のためではない』というと思う。とにかく不必要だし、スマートじゃない。誰かが愚かだといったら、『そう、とても愚かだ』と返すしかないだろう」

スロット監督は、率直でした。すべからくレッドカードは避けるべきですが、「カラバオカップの3回戦で、チャンピオンシップで19位に沈むチームにリードした」という事実と、週末のクリスタル・パレス戦の出場停止は釣り合わないともいえます。最初の45分でストレスが充満していたのか。1枚めのイエローを忘れていたのか。いずれにしても、感情をコントロールすべきでした。

リヴァプールに移籍してから公式戦8試合5ゴール。アンフィールドにいた誰もが、23歳のストライカーの得点力を認めていたはずです。ライバルの出番を増やすような行為は…いや、この稿で伝えたかったのは、「フェデリコ・キエーザはヒーローだったのに、自分がレッドカードを喰らったような顔をしていてかわいそう。リヴァプールに残ってよかったね!」だったのですが…。

エキティケの話で盛り上がり、ゴールを見失ってしまいました。最後に、ランスでエキティケとともに働いていたセインツのウィル・スティル監督のコメントを紹介します。「ウーゴは本当に笑わせてくれる。おもしろいヤツだ。試合前に会ったら、『ゴールを決めてユニフォームをくれてやる。そしてさっさと消える』といっていた。まさにその通りになったね!」。…まさかの確信犯?


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