2025.09.30 監督トピックスチームの話題(全体・他クラブ)
チームミーティングの最中に解任通告!ウェストハムがグレアム・ポッターの契約解除を急いだ理由。

「彼のこのような行動は珍しく、チームを混乱させたのである。その後、選手たちは、1月にフレン・ロペテギの後任として就任したばかりだったポッター監督の解任を知らされた。ブライトンとチェルシーで指揮を執った監督は、選手たちに解任という事実を伝え、別れを告げた。スカッドの多くは、この決定のタイミングにショックを受けたようだ」
グレアム・ポッター監督の解任がいかに唐突だったかをレポートした「アスレティック」のロシェン・トーマス記者は、10時35分の正式なアナウンスの後も慌ただしかったと伝えています。「事務局長のアンドリュー・ピンチャーは、12時30分から新監督がトレーニングを仕切ると保証して、不安を和らげようとした」。こんな話を聞かされたら、驚きと困惑は増幅するだけです。
ウェストハムは、解任発表の4時間後に、ヌーノ・エスピーリト・サントの就任を伝えるリリースを配信しました。この一文のなかに、前任者を強引に切った理由が凝縮されています。「ヌーノはハマーズと3年契約を結び、月曜日の夜に開催されるプレミアリーグのエヴァートン戦で初めて指揮を執ることになる」。オファーを承諾した後任を、次の試合に間に合わせたかったのです。
イーストロンドンに来てからの8ヵ月で、公式戦25試合6勝5分14敗。ルーベン・アモリムと似たような戦績では、グレアム・ポッターの解任はやむなしです。ロンドンスタジアムでの勝利は、1月のフラム戦と2月のレスター戦のみ。ストレスを溜めたサポーターに、「オマエは自分が何をしているのかわかってない」「明日の朝にはクビだ」といったチャントを浴びせられていました。
フレン・ロペテギが何をしたいのかわからなかった選手たちは、ポッターが就任した当初は明快な戦術と丁寧な説明を喜んでいたそうです。彼らはなぜ、不振に陥ってしまったのでしょうか。クラブの幹部とスタッフ、選手たちに取材を重ねた「アスレティック」の記者は、敗戦が続くうちに人間関係に亀裂が入るという悪循環が生じていたといっています。
悪夢の始まりは、初陣だったFAカップのアストン・ヴィラ戦で、フルクルクとサマーヴィルがいきなり負傷リタイア。前線で信頼できるのはボーウェンのみとなってしまい、プレミアリーグの最初の5試合は1勝1分3敗という低調なスタートでした。しかし5戦めのブレントフォード戦を0-1で落とした後、選手たちの主導でミーティングが開催され、一体感が高まったそうです。
アーセナルをエミレーツで0-1で下した後、レスターに2-0で完勝。ポッターと選手たちが記録した唯一の連勝で、ハッピーだったのはこの時期だけでした。戦力不足だったチームは、その後の8試合でひとつも勝てず、4月に入るとトラブルが勃発しました。「このチームにはモチベーションがない。腹が立つ」というフルクルクの暴言、指揮官とエドソン・アルバレスの衝突…。
CBのトディボも監督と揉めており、キャプテンのボーウェンはリーダーシップが不足しているという報道もありました。今季が厳しい船出となった理由のひとつは、ロッカールームの人気者だったマイケル・アントニオ、クレスウェル、ツォウファルの退団だったといいます。仲間から明るく罰金を徴収するという難しい仕事は、マイケル・アントニオしかできなかったようです。
選手たちが戦術や約束ごとを信じきれなくなり、厳しい状況になるとベテランが黙り込むチームには、指揮官をすげ替えるという荒療治しか残されていなかったのでしょう。こういう話に触れると、ラシュフォードとガルナチョを追放したチームを思い出します。先週末の敗戦の後、マテウス・クーニャが「ムードはひどい。正直いって、ひどい」と嘆いていました。
マンチェスター・ユナイテッドの本質的な問題は、3バック云々ではなく、「史上最悪のチーム」「22人を全員変えることはできない」などとネガティブな発言を繰り返した指揮官に起因するモチベーションの低下なのではないかと思います。ポッターの後を継いだヌーノ監督が巻き返しに成功したら、参考事例になりそうです。昨夜のエヴァートン戦は、1-1のドローで終えています。
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