2025.09.30 プレミアリーグ観戦記2025-26プレミアリーグ観戦記
【Chelsea×Brighton】10人になったマレスカの交代策は裏目、ヒュルツェラーは的中で逆転勝利!

8分に速攻を仕掛けたのはアンドレイ・サントス。ボックス右でパスを受けたエステヴァン・ウィリアンは、中に持って放った強引なシュートをカドゥオールに当てました。10分の左からのFKは、リース・ジェームズが右隅に打ったきわどい一撃を、またもGKが左に弾き出しています。12分に右サイドで2人を振り切ったエステヴァン・ウィリアンは、一気にボックスに侵入しました。
右足のシュートをカットしたのはファン・ヘッケ。14分にはエンソ・フェルナンデスが敵陣で奪い、ショートカウンターが発動しました。ジョアン・ペドロのラストパスを受けたエステヴァン・ウィリアンは、ファン・ヘッケに再度ブロックされて悔しがっています。この調子で打ち続ければ、タイムアップの笛が鳴る頃には50本を超える計算になります。
ブライトンの守備陣は余裕がなく、3-0か4-0で終わるのではないかと思いました。チェルシーの先制は24分。カイセドの素晴らしいスルーパスが右からオーバーラップしたリース・ジェームズに届き、三笘薫の足に当たったクロスがゴール前に詰めたエンソ・フェルナンデスの頭に合ってしまいました。ここまでのシュートは8対1。次のゴールで、勝負が決まりそうな雲行きです。
この後は、ペースをつかんだブライトンの反撃が増えたものの、ハーフタイムのポゼッションは70%対30%。シュートは9対3、オンターゲットは3対0です。好調のトレヴォ・チャロバーと19歳のジョエル・ハトという急造のCBコンビは問題なさそうで、コール・パルマーを欠いた前線は、エンソ・フェルナンデスとカイセドのフィードとウインガーの仕掛けが期待感を高めています。
後半開始早々の47分、リース・ジェームズと三笘薫が接触し、両者ともに足を押さえて倒れています。再開はドロップボール。エンソ・フェルナンデスが後方のトレヴォ・チャロバーに戻し、右にいたアンドレイ・サントスに預けたCBは前に出せと指示しました。トラップが大きくなったのは、誰も詰めてこないと思っていたからでしょうか。三笘薫は、明らかに狙っていました。
トップスピードの日本代表が奪取し、最前線にいたディエゴ・ゴメスにラストパスを送ると、背後から体をぶつけたトレヴォ・チャロバーが足を引っかけてしまいました。VARが作動し、ジャッジは決定機阻止で1発レッド。マンチェスター・ユナイテッド戦の開始早々にロベルト・サンチェスが退場となったチェルシーは、2試合連続で激痛のカードを喰らってしまいました。
マレスカ監督は、アンドレイ・サントスを下げてアチャンポンを投入。アクシデントの元凶となった若いMFの交代は懲罰ではなく、いつもの2人を並べたかったのでしょう。勝負を逆にするポイントとなったのは、63分の交代策です。エステヴァン・ウィリアンをマロ・グスト。前線に張っているSBを見て、それなら18歳を残したほうが脅威になるのではないかと思いました。
守備力重視の策を見たヒュルツェラー監督の打ち手は的確でした。67分、バレバと三笘薫をグルダとウェルベック。ここから左にまわったミンテは、69分にルターがラインの裏に出したスルーパスに走り込み、GKの前でリース・ジェームズときわどい競り合いをしています。72分のウェルベックの惜しいシュートも、左サイドでフリーになったカドゥオールのクロスがきっかけです。

1-1となってからも、完全なるブライトンペース。79分に呼ばれたバディアシルとラヴィアは負傷明けで、緊張感が高い展開で働ける状況ではなかったのでしょう。11対10で主導権を握るのは難しかったとしても、サイドでウインガーを封じていれば、ドローには持ち込めていたかもしれません。追加タイムは、あまりにも長い11分。逆転ゴールは92分のショートコーナーでした。
右サイドからファーに上げたアヤリはどフリー。頭で折り返したヴィーファーも、きれいなヘッダーを左隅に収めたデ・カイペルもノーマークでした。さらに100分、ロベルト・サンチェスがリース・ジェームズにパス。最終ラインは全員オレンジのシャツにチェックされており、前線に蹴るべき状況でした。追ってきたミンテにパスをカットされたのは、アチャンポンです。
こぼれ球を拾ったグルダがボックス左に出たウェルベックに流し、GKと向き合ったストライカーが左足でニアに浮かして1-3。ヒュルツェラーのチームは、途中出場の選手が2ゴール2アシストで、マレスカ監督の策を咎めた会心の采配といえるでしょう。2戦連続で10人になったチェルシーは、8位に転落してしまいました。
マンチェスター・ユナイテッド戦では、ロベルト・サンチェスが去った後のエステヴァン・ウィリアンをヨルゲンセンはやむなしでしたが、ペドロ・ネトをトシンに代えて重心を後ろにシフトしたため、猛攻を許しています。ブライトン戦のエステヴァン・ウィリアンをマロ・グストも、似たような失敗に見えます。
とはいえチェルシーは、4月以降の5敗のうち4敗が10人で、同じ人数で負けたのは誰もが嫌がるアリアンツ・アレナだけです。負傷者とコンディション不良の選手が多く、厳しい状況ですが、主力が揃えば巻き返せるでしょう。次節はスタンフォード・ブリッジでリヴァプール。フォファナとバディアシルは戦える状態に戻れるのか?「ネガティブになる理由はない」という指揮官を信じて、11人の戦いに期待しましょう。
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