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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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絶対的エース、超絶ドリブラー、新戦力…プレミアリーグの序盤戦で最高のウインガーは誰だ?

プレミアリーグ2025-26シーズンは、ウインガーのパフォーマンスが明暗を分けたシーズンとして記憶されるかもしれません。狂乱の夏のマーケットで、アーセナル、チェルシー、スパーズが強化を図りました。サカとポジションを争えるタレントを求めていたアーセナルは、ノニ・マドゥエケを獲得。逆サイドには、トップ下でもプレイできるエベレチ・エゼが加わっています。

チェルシーはガルナチョ、バイノー=ギッテンス、エステヴァン・ウィリアンと一気に3人を引き入れました。ソン・フンミンを手離したスパーズは、ウェストハムからモハメド・クドゥスをゲット。ニューカッスルはノッティンガム・フォレストのエランガとアストン・ヴィラのジェイコブ・ラムジーを手に入れ、エメリのチームにはエリオットとサンチョがいます。

新戦力のパフォーマンスだけでなく、チームの軸として活躍してきたワールドクラスも大いに気になります。アーセナルのサカは、ハムストリングを痛めて3試合をスキップしたものの、公式戦7試合3ゴールはまずまずの立ち上がりといえるでしょう。途中出場が増えたマルティネッリは、3ゴール1アシストで存在感を示しています。

マン・シティの懸念はハーランドへの依存度が高いことで、CLのナポリ戦しかゴールがないジェレミー・ドクと負傷で出遅れたサヴィーニョは、ゴールを増やしたいところです。厳しい状況に陥っているのはリヴァプールのモー・サラー。公式戦10試合3ゴール3アシストは、これまでよりペースダウンしており、直近は4試合連続ノーゴールでシュートミスが目立っています。

さて、序盤の7試合でベストウインガーを選ぶとすれば、誰でしょうか。チームに多大な影響を与えた新戦力をチョイスするなら、エヴァートンのジャック・グリーリッシュとスパーズのモハメド・クドゥスでしょう。両者ともに4アシストで、ランキングのTOP。エヴァートンを8位に引き上げる原動力となったグリーリッシュは、マン・シティでの停滞が嘘のようです。

デューズバリー=ホールとの連携で左サイドを制圧する18番は、ヴィラ時代の輝きを取り戻したといっていいでしょう。49回のプログレッシブキャリーと、1試合あたりの被ファール数3.7回はリーグTOP。チャンスクリエイト17回は、ブルーノ・フェルナンデスに次ぐ2位です。エヴァートンの3勝は、すべて彼のゴール&アシストが決め手となっています。

クリスタル・パレス戦の移籍後初ゴールは、エンディアイエのクロスを叩きつけたベトのヘッドのこぼれ球がゴール前に転がり、ムニョスのクリアに足を出してコースを変えた珍しいフィニッシュでしたが、あの状況でDFに迫れたのが好調たる所以でしょう。エンディアイエを右に移したモイーズの新布陣は大当たり。11月にトゥヘルから声がかかるかもしれません。

スパーズで右サイドを制圧するクドゥスがいなければ、トーマス・フランクは3位にはいられなかったでしょう。4アシストに加えて、90分あたりのドリブル成功4.4回もジェレミー・ドクを上回るリーグNo.1です。7節のリーズ戦で決めた今季初ゴールは、勝利を手繰り寄せる1発。ロングフィードをカットしたグズムンドソンから奪い返し、中に斬り込んで右隅に突き刺しました。

ポステコグルーの後を継いだ新指揮官が、ロメロとペドロ・ポロに意図的にロングフィードを出させているのは、クドゥスとシャビ・シモンズの個の力を信頼しているからでしょう。クルゼフスキとソランケが戻ってきたら、得意技が異なる4人が揃うスパーズの前線は、得点力が高まるのではないかと思われます。

新戦力では、エステヴァン・ウィリアンとエベレチ・エゼも素晴らしいパフォーマンスを披露しており、今後が楽しみな存在です。グリーリッシュとクドゥスは、既存の戦力を入れてもワンツーと評価したくなりますが、上には上がいるというしかありません。序盤戦のベストウインガーは、どこからどう見てもボーンマスのアントワーヌ・セメンヨです。

プレミアリーグ7試合で6ゴール3アシスト。彼の凄さをわかりやすく説明しろといわれれば、最初に思い浮かぶ言葉は「速い」のひとことです。とにかく、速い。スプリントもシュートも速い。リヴァプール戦のカウンターからの2発は、右からの走り込みと中央を切り裂くドリブルで、フラム戦の2発は左サイドからの超絶ドリブルと得意のカウンターでした。

圧巻だったのは、リーズ戦のFKです。壁が6枚で、その後ろにアーロンソンが横たわっていたのに、低い弾道の強烈な一撃がネットに突き刺さりました。スローの映像を見なければ、ジャンプした壁と寝ていた選手の間にできたわずかな隙間を通したのがわからず、スーパーイリュージョンかと絶句するような奇跡的なゴールでした。

左右のサイドで同じようにプレイすることができ、WBもこなすセメンヨは、アンドニ・イラオラの変幻自在な戦術に欠かせないキーマンです。ボーンマスの4位も、彼なくして実現しなかったでしょう。絶対的エース、超絶ドリブラー、ベテランのプレーメイカー、ティーンエイジャーなどキャラ立ちまくりのウインガーたちの競演を、これからも堪能したいと思います。(アントワーヌ・セメンヨ 写真著作者/AFC Bournemouth)


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