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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

サー・ラトクリフが明言!「ルーベン・アモリムは、今後3年で実力を証明する必要がある」

11位、2位、11位、13位、6位、2位。プレミアリーグが創設された1992-93シーズンの初優勝までに、サー・アレックス・ファーガソンは6シーズンを要しています。最大のピンチは、13位に沈んだ1989-90シーズン。主力の長期離脱、買収騒動、解任を求めるチャントに悩まされた1年で、FAカップ制覇がなければ、その後の黄金時代は到来しなかったでしょう。

稀代の名将が長きに渡る苦難の季節を過ごしたという事実が、ルーベン・アモリムに時間を与えるべきという主張の拠りどころとなっています。昨年11月の就任以来、50試合で20勝9分21敗。プレミアリーグで15位という着地は、モイーズ、ファン・ハール、モウリーニョ、スールシャール、ラングニック、テン・ハフが全員味わったことがない未体験ゾーンです。

国内の試合に集中できる今季も、3勝1分3敗で10位という冴えない戦績で、勝った相手は昇格クラブと10人になったチェルシーだけです。ブレントフォードに3-1で敗れた後、解任の噂が流れたのですが、サー・ラトクリフは続投どころか「彼はこの先3年で素晴らしいコーチであることを証明する必要がある。フットボールは一夜にしてうまくいくものではないから」といっています。

FAカップを制した116日後に解任されたテン・ハフから、「何でやねん!」とツッコミが入りそうですが、「アモリムはいいヤツだ」という共同オーナーは「ライトのスイッチをオン・オフするようなものではない。マンチェスター・ユナイテッドのようなクラブは、毎週暴言を吐くジャーナリストに条件反射のように対応していたら運営できない」と言い放ちました。

経営のトップが腹をくくっているというなら、こちらも覚悟を決めるしかありません。ここからは、昨季ヨーロッパリーグのファイナリストについて、いいトコ探しをして盛り上がりましょう。7節までのxG(ゴール期待値)14.1はリーグ1位。1試合あたりのオンターゲット4.9本とロングフィード成功26.0本もTOPで、クロス成功6.1本は2位と攻撃面の数字はトップクラスです。

敵陣ボックスでのタッチ数198回は、3強に続く4位。PKゲット3回、PK失敗2回、シュートをバーやポストに当てる「Hit Woodwork」5回もリーグ最多です。ドルグ、マテウス・クーニャ、ブルーノ・フェルナンデス、メイソン・マウントのシュートが、クロスバーやポストからほんの少し内側にずれていれば、首位アーセナルと肩を並べていたかもしれません。

…いい過ぎですかね?いや、いいでしょう。サンダーランド戦ではセネ・ラメンズがデビューし、今季初のクリーンシート。ベンヤミン・シェシュコはブレントフォード戦に続く連発で、今後のラッシュを期待できそうです。チームプレーヤーのメイソン・マウントもゴールを決めており、前線の連携のクオリティが高まる兆しがあります。

エンベウモは未だ1ゴールですが、アマド・ディアロとともに仕掛ける右サイドからのアタックは迫力充分です。マテウス・クーニャもフィット感が高まれば、得点力を発揮してくれるでしょう。まずはゴール、そして連勝。チームとして自信を得られれば、3バックの緩いチェック、ロングボールへの対応、中盤センターのポジショニングも改善に向かうはずです。

「スカイスポーツ」のダニヤル・カーン記者が、「マンチェスター・ユナイテッドの選手たちの多くは、ルーベン・アモリムの哲学を支持している」と報じています。ザークツィーとメイヌーは違うことを考えているかもしれませんが、メイソン・マウント、エンベウモ、ルーク・ショーはインタビューで明言しており、雰囲気は悪くありません。

ラシュフォードやガルナチョなどユース出身のタレントを含む前線の大量流出や、下位のクラブにも勝ち切れない惨状を見て、1年経って何も変わらないなら解任すべしと考えていました。しかし、経営ボードがアモリムと心中する覚悟で長期的なプランを完遂するというなら、前向きに捉えて行く末を見届けようと思います。まずはアンフィールド。今度こそ、連勝しましょう。


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