2025.10.11 チェルシーの話題
過去3年で313枚はぶっちぎりの1位!チェルシーがイエローカードとレッドカードをもらいすぎる理由。

これがプレミアリーグのトロフィー争奪戦ならポジティブです。しかし残念ながら、こちらはフェアプレーランキングのお話です。現在のレギュレーションはシンプルで、イエローカード1枚につき1ポイント、レッドカードは5ポイント。今季のイエロー15枚は6位ですが、ロベルト・サンチェスとトレヴォ・チャロバーがレッドで稼いでおり、トータル25ポイントは堂々のTOPです。
トッド・ベーリーとクリアレイク・キャピタルがクラブを買収した直後の2022-23シーズンは、トゥヘル、ポッター、ランパードがうまく数字を積み上げられず、86ポイントで6位に終わっています。順位テーブルの頂点に立ったのは、マウリシオ・ポチェッティーノを招聘した翌シーズンで、プレミアリーグレコードのイエロー105枚をベースに117ポイントを獲得しています。
昨シーズンのエンツォ・マレスカのチームは、106ポイントで惜しくも2位。過去3シーズンのイエロー301枚は、2位のウルヴスを23枚も引き離すぶっちぎりのNo.1で、レッドカード12枚はウルヴスに1枚差の2位となっています。ちなみに最下位のマン・シティは165枚で、2番めに少ないアーセナルは191枚。赤と黄色を足した313枚の内訳を見ると、多様性という言葉が頭に浮かびます。
最も多いのは決定機阻止などの戦術的なファールで、トータル89枚。抗議とダイブを足すと74枚となり、リーグTOPです。時間稼ぎによる36枚はアストン・ヴィラの39枚に次ぐ2位で、無謀なチャージでもらった87枚もクリスタル・パレスの95枚に続く2位。時間帯別に見ると、75分から90分が69枚で最多となっており、ゲームの最終盤のカードで彼らを上回るクラブはありません。
さて、チェルシーがこれほどカードを集めているのはなぜでしょうか。オーナーが代わってから、新戦力獲得を若手にシフトしたからか。イージーなミスをフォローしようとして、無理めなプレイをしてしまうのか。最終ラインがベテラン揃いのマン・シティや、後方でのミスが少ないアーセナルの小さな数字と比べると、これらは一因となっているのではないかと思われます。
2022-23シーズン以降の個人ランキングを見ると、1位はククレジャで25枚、2位はカイセドの23枚。エンソ・フェルナンデスは19枚、コナー・ギャラガーは18枚、カードが多いイメージがあるニコラス・ジャクソンは17枚です。5位以下はコール・パルマー、スターリング、コルウィル、マロ・グスト、フォファナ。興味深いのは、上位の主力のタイプが2つに分かれていることです。
戦術的なファールや無謀なチャージが多い「武闘派」は、ククレジャ、カイセド、コナー・ギャラガー。抗議で取られている「インテリヤクザ系」は、エンソ・フェルナンデス、ニコラス・ジャクソン、コール・パルマー。勝利のために体を張るタイプと、納得いかないときは毅然として自説を主張するタイプがバランスよく配されており、組織としては健全です。しかし…。
キャラが多様な選手たちが、さまざまな理由で咎められている現状の改善は難易度が高いタスクです。直近の5試合で、レッドカードが4枚。指揮官がすぐにできることは、「規律の問題だとは思っていない」などといわずに「レフェリーに話しかけるのはキャプテンのみ」を徹底することと、自らがもらわないことでしょう。
現在のFAのルールに、「リーグ戦で6人以上の選手がイエローをもらったクラブは、自動的に2万5000ポンドの罰金を科される」というものがあります。2回めは2倍の5万ポンドで、3回めは3倍の7万5000ポンド。昨シーズンのチェルシーは、プレミアリーグ史上初の「3試合連続で6人以上にイエロー」という記録を打ち立て、総額15万ポンドを支払っているそうです。
今季も既に2万5000ポンドを収めており、繰り返せば結構な額になってしまいます。イエローやレッドの積み立てによって10人で戦ったり、大事な試合で主力を失ったりしたうえで、さらに罰金はぜひとも回避したいところでしょう。…すみません。道徳の授業みたいなオチになってしまいました。開き直って、ついでにひとこと。よい子のみなさんは、マネしないようにね!
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