「規格外のクオリティ」「魔法の瞬間を生み出せる」現地記者が殊勲のエベレチ・エゼを絶賛!
新たなシステムを導入しようとしているリヴァプールは、新戦力がフィットするまでに時間がかかりそうです。キーマンの負傷が多いチェルシーと、好不調の波があるマンチェスター・シティは、クラブワールドカップの影響もあるのかもしれません。一方、継続性を重視しながら層を厚くしたアーセナルは首位に立ち、弱点のカバーに徹したスパーズは3位に食い込んでいます。
先週末のプレミアリーグは、リヴァプール、マンチェスター・シティ、チェルシーがすべて敗れる10年ぶりの大波乱。ライバルを引き離す絶好のチャンスを得たアーセナルは、エミレーツにクリスタル・パレスを迎えました。エヴァートンに敗れて無敗記録が19でストップしたイーグルスは、その後の2試合を1分1敗と失速しており、楽勝もあると目されていた一戦でした。
直前のチャンピオンズリーグでアトレティコ・マドリードに4発圧勝のチームが、大苦戦を強いられたのは、アウェイチームのモチベーションが高かったうえに、主力が万全ではなかったからでしょう。CLで負傷したガブリエウは週末のトレーニングをスキップしており、ブカヨ・サカはコンディション不良。デクラン・ライスは、開始早々に足を痛めてしまいました。
チームに不可欠なセントラルMFは何とかプレイを続けたのですが、ハーフタイムにサリバがリタイア。サカは残り20分の手前で交代となり、終盤に差しかかるとデクラン・ライスとカラフィオーリが座り込んでしまいました。1試合で負傷者が3人は激痛ですが、途中出場でスプリントを繰り返したマルティネッリも、試合後に足を引きずってロッカーに向かったと報じられています。
試合後のアルテタ監督の「今シーズンのどの勝利よりも価値ある1勝」という言葉は大げさに聞こえますが、3つの意味があったのだと思われます。ひとつは、ライバルにつられるようにポイントを落とさず、差を広げることができたこと。もうひとつは、鋭い速攻を繰り出してくる難敵をクリアできたこと。そして3つめは、これだけ負傷者が出た試合で勝ち切ったことです。
勝利の最大の立役者は、古巣相手に移籍後のプレミアリーグ初ゴールを決めたエベレチ・エゼ。ウェストハム戦でも、デクラン・ライスの先制ゴールにつながるきわどい一撃を放った10番は、FKのクリアに走り込んで鮮やかなジャンピングボレーを右隅に叩き込みました。リプレイを見ると、あの体勢で右に決めるのがいかに難しいかがよくわかります。
きわどい勝利の後、現地メディアが続々とエゼにフォーカスした記事を配信しました。「アスレティック」のジェームズ・マクニコラス記者は「見事なシザースこそが、アーセナルがエゼを獲得した理由を示す瞬間だった。右サイドの8番としてボールに触れる機会が少なく、精彩を欠いていたが、魔法のような一瞬を生み出す力を持っている」と絶賛しています。
「規格外のクオリティ。一貫性があるタイプを好むアルテタ監督が通常獲得する選手とは異なる存在」と激賞した「テレグラフ」のサム・ディーン記者は、「常に即興でプレイできる」「何もないところからゴールを生み出す」「魔法の瞬間のために生きている」と言葉を重ねています。彼がいなければ、ガナーズは混戦のなかに埋もれていたかもしれません。
左ウイングの強化を目論んでいると報じられた7月、ニコ・ウィリアムズやロドリゴの名前が取り沙汰されていた頃は、エゼは三番手以下だったはずです。サイドを突破するだけでなく、センターで混乱を起こせる10番は、今や欠かせない存在でしょう。クリスタル・パレスに支払った移籍金6000万ポンドとアドオン750万ポンドは、安い買い物だったといえるようになりそうです。
ウーデゴーアが復帰したら、ノニ・マドゥエケ、エゼ、サカとともに2列めに並ぶ4-1-4-1の超攻撃的布陣を見てみたいのですが、守備へのこだわりが神の領域に突入している指揮官の頭にはない布陣かもしれません。今いえるのは、アーセナルの攻撃に変革をもたらす自由人がそこにいるということです。週末のバーンリー戦は、ギョケレスへのアシストと連発を期待しましょう。
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