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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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エゼとカラフィオーリに勝つって…出場機会が減ったルイス=スケリーとヌワネリの逆襲に期待!

「出場機会が減ったのは、新たな経験だ。それでもチームの一員でいることを楽しんでいる。ポジションを争うのは重要なこと。僕は闘争心がある人間だから、決して引かない。チャレンジを楽しんでいる。仲間と過ごせるのは喜びだ。チームはハイレベルで、誰もがプレイを望んでいる。今シーズンはレベルが格段に上がったので、ポジションは限られているけど、戦うしかない」

トーマス・トゥヘル監督がルイス=スケリーをイングランド代表から外したのは、アーセナルで出番を減らしているからです。昨シーズンは公式戦42試合1ゴール3アシスト。プレミアリーグでは23試合出場のうち15試合が先発で、マンチェスター・シティ戦のゴールセレブレーションでハーランドをいじり…いや、リスペクトするヨガポーズが話題になりました。

対して今季は、プレミアリーグの7試合すべてが途中出場で、92分しかプレイしていません。チャンピオンズリーグとカラバオカップでは5試合中4試合がスターターで、3アシストを記録しているものの、直近のプレミアリーグ3試合の出番をすべて足しても3分だけです。アルテタ監督が評価を下げたわけではなく、ライバルが今や最狂、最恐…いや、最強のSBだからでしょう。

リッカルド・カラフィオーリは本業に留まらず、時にデクラン・ライスやトロサールの仕事まで奪ってしまう狂気のフルバックと化しています。偽SBとして中盤に厚みをもたらすだけでなく、右サイドやゴール前に出張することも多く、右足のシュートをポストに当てたり、ラインの裏に出てボレーを叩き込むようなSBに正攻法で勝つのは難しいといわざるを得ません。

ポジション争いが激化した分厚いスカッドで、プレイする時間を確保できなくなっているのは、ルイス=スケリーだけではありません。昨シーズンの公式戦トータルで37試合9ゴール2アシストという素晴らしいスタッツを残したイーサン・ヌワネリも、9試合1ゴールという厳しいスタッツとなっています。理由はシンプルで、やばい10番が加わったからです。

昨シーズンのヌワネリの戦績を辿ってみると、ベンチで90分を過ごした直後のリーグ戦は1ゴールで、コンスタントにプレイすることによって調子を上げていくタイプなのだと思われます。インサイドではエゼとウーデゴーア、右サイドでもサカやノニ・マドゥエケと争わなければならない若きアタッカーは、限られたチャンスをトップギアで戦えるかどうかが問われています。

いやー、それにしても…!彼らを見ていると、思わず「もったいない」とつぶやいてしまいます。ヌワネリは偽9番やトップ下でも輝けるはずで、ルイス=スケリーは左のインサイドであのシーズンのジャカを上回る存在になれそうです。アルテタ戦術は素晴らしいのですが、ユーティリティが高い選手を複数のポジションで活かそうとしないのはなぜでしょうか。

いや、すみません。才能あふれるティーンエイジャーたちの行く末を考えたら熱くなってしまい、ミケル・メリノ、トロサール、デクラン・ライスらが多様な役割を担っているのを忘れそうになりました。ワールドカップを控えた勝負のシーズンに、思うようにプレイできないルイス=スケリーの冷静なコメントに触れると、「出してあげて!」と叫びたくなります。

ブカヨ・サカのように彼らを開花させたい指揮官は、あちこちで起用して迷わせるのを避けて、今考えられる最適なポジションと役割に集中させようとしているのでしょう。タイトなスケジュールのなかで、ビッグタイトルを獲得できるチームを創ろうとすると、出番が少ない選手のストレスは避けて通れない問題となります。

ならば今は、ただ祈るしかありません。カットインからの美しいゴールや、自陣から中央を切り裂く鮮やかなドリブルを何度も見せてくれ、と。「常に最高の自分をめざそう」と呼びかけるコービー・ブライアントの「マンバ・メンタリティ」に触発されたルイス=スケリーは、ここぞというチャンスを逃さず、結果を出してくれるでしょう。イングランドでも、アメリカでも。


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