多様性、意外性、流動性…ワールドカップ出場でテンションが上がるウーデゴーアに期待したいこと。
チームメイトのプレイを外から見守り、オスロで喜びを分かち合ったアーセナルのキャプテンも、初めての大舞台を視野に入れてモチベーションを高めていけるのではないでしょうか。リーズ戦とノッティンガム・フォレスト戦で肩を痛めた後、膝の負傷に苦しんだマルティン・ウーデゴーアも、欧州予選で5試合1ゴール7アシストという素晴らしい数字を叩き出しています。
とはいえ、今季のプレミアリーグとチャンピオンズリーグは7試合ノーゴール2アシスト。ノースロンドンダービーは間に合わないようですが、年末の連戦で元気な姿を見せてくれるはずです。キャプテンの復帰は、これまで満足とはいえなかった攻撃の活性化のキーになる可能性を秘めています。トップフォームに戻れば、前線に多様性と意外性をもたらしてくれるでしょう。
2025-26シーズンのウーデゴーアは、より自由度が高まった感があります。昨シーズンまでは右サイド限定となる試合も多く、ビルドアップの際に下がってしまうと、3トップがスタンドアローンになりがちでした。しかし今季は、左サイドにまわってルイス=スケリーを動かしたり、センターからギョケレスを走らせるスルーパスを出したりするシーンが目立っています。
グーナーにしてみれば、いよいよラスボスと戦う話題作の予告編を見た後、公開延期と伝えられたような気分でしょう。オリンピアコス戦の先制ゴールを生んだラインブレイクパスや、ボックス左に出たサカに決めさせたスルーパスは、4-2-3-1の頃を思い出させる素晴らしいボールでした。30分でリタイアとなったウェストハム戦でも、ラインの裏を取るパスの本数はTOPでした。
今季のスカッドには、ウーデゴーアをより輝かせる新たな装置が埋め込まれています。CBと駆け引きができるギョケレス、狭いスペースを使えるエゼ、後方から的確なパスを入れてくれるズビメンディ。ハマーズ戦でのエゼとの共演は、まだ見ぬ化学反応を生み出す序章だったのかもしれません。ギョケレスの背後に2人の10番を配する攻撃的な布陣も、今後の選択肢のひとつです。
あらためて、アーセナルのベストメンバーを並べてみましょう。GKラヤ、DFティンバー、サリバ、ガブリエウ、カラフィオーリ。2センターにズビメンディとデクラン・ライス、2列めにサカ、ウーデゴーア、エゼ、最前線はギョケレス。右サイドをサカとティンバーが切り裂き、左はエゼ、カラフィオーリ、ウーデゴーアの「予測不能トリオ」が蹂躙する布陣です。
このフォーメーションでワクワクするのは、エゼが中に斬り込んでデクラン・ライスが外にまわる「2人の10番プラスワン」が成立する時間です。デクラン・ライスはセンターかインサイドが定位置ですが、ミケル・メリノやガブリエウに決めさせた左サイドからのフィードは、リーグでトップクラスのフルバックを凌駕するクオリティといっても大げさではないでしょう。
アーセナルに加わってからのウーデゴーアは、ゴールシーンの大半が中央からで、左右のアングルが厳しくなるとファーやクロスバーの上に外す確率が一気に高まります。エゼやズビメンディとの連携で、前を向いてコースを選べる状況が増えれば、自らゴールを決めるポジションも広がるのではないかと期待しています。
首位に立ったアーセナルは、堅守を武器にして勝ち続けていますが、攻撃面はまだまだ伸びしろがあります。ウーデゴーアが自由に動きまわれるようになれば、ギョケレスやサカ、マルティネッリ、トロサールらの流動性も高まるでしょう。カイ・ハヴェルツやノニ・マドゥエケも、戻ってきます。アーセナルの前線にとっては、ここからが本格始動です。
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