2025.11.20 FIFAワールドカップ2026北中米大会FIFAワールドカップ
おめでとうスコットランド!マクトミネイのオーバーヘッドとティアニーの決勝ゴールは…(号泣)!
62分のラスムス・クリステンセンのレッドカードで10人になったデンマークは、自陣に引いています。86分にボックス右からファーポスト際に放ったマッギンのシュートが、15cmでも内側だったらと、引きずっているファンもいるでしょう。あるいは、3日前のギリシャ戦の敗戦を悔いている人もいるかもしれません。右にいたマクリーンが、ゴール前に放り込んだのは93分でした。
フラムのヨアキム・アンデルセンが競り勝ち、ボールはヒュルマンドの足元へ。遠くに蹴り出すだけでよかったのですが、右足のクリアはミスタッチとなり、ティアニーの前に転がりました。左足のダイレクトショットは、ここしかないといえる絶妙な弾道で、ゴールの左隅に突き刺さりました。どよめいていたハムデン・パークは、爆音の絶叫に支配されています。
こんな状況でも表情を変えない彼を見たグーナーたちは、うなずいているのではないでしょうか。ベンチに向かったティアニーを追いかけ、肩を組んで拳を突き上げたのは、数分前のチャンスを活かせなかったマッギンです。あまりにも感動的な音と光景が飛び込んできて、涙腺が緩んでしまいました。年を取るというのは、こういうことなのでしょう。
攻めなければならなくなったデンマーク。98分にロバートソンとファーガソンに詰められたヒュルマンドは、無謀なパスをマクリーンに奪われてしまいました。敵陣に入っていたヨアキム・アンデルセンはプレイを遅らせようとしたのですが、ハーフラインの手前に持ち出した21番は、ボックスから出ていたカスパー・シュマイケルの頭上を越えるロングシュートを枠に収めました。
勝者にとっても敗者にとっても、これがタイムアップの合図だったようです。スティーヴ・クラーク監督とスタッフは、ピッチに入り込んで喜びを分かち合っています。4-2で勝ったスコットランドは、1998年以来、28年ぶりのワールドカップ出場決定。最初から最後まで、心を揺さぶられ続けた長い長いバトルがようやく終わりました。
前回のカタール大会の予選で、7勝2分1敗という素晴らしい戦績を残したスコットランドは、9勝1敗のデンマークの後塵を拝し、プレーオフでウクライナに1-3で敗れています。4年前のハムデン・パークは、順位が確定していた2チームの消化試合。しかし今回のホームゲームは、待ち焦がれたリベンジマッチだったのです。
プレミアリーグファンにとっては、センチメンタルな一戦ともいえるでしょう。スコットランドのメンバーリストには、マクトミネイ、ティアニー、チェ・アダムスという懐かしい名前と、クリスティ、ベン・ドーク、マッギン、ロバートソンといったおなじみの顔ぶれが並んでいます。対するデンマークも、プレミアリーグ経験者が揃うチームです。
ホイルンド、パトリック・ドルグ、ヨアキム・アンデルセン、ホイビュルク、アンドレアス・クリステンセン、ラスムス・クリステンセン、ノアゴーア、ヴェステルゴーア、ミカ・ビエレス、マット・オライリー、ヤコブ・ブルーン・ラーセン、ビリング、フィリップ・ヨルゲンセン、そしてエリクセンとカスパー・シュマイケル…。おお!と叫んでしまう選手が15人もいます。
開始3分のベン・ドークのドリブルと、オーバーヘッドで左隅に叩き込んだマクトミネイを見ただけで、目頭が熱くなってしまいました。マンチェスター・ユナイテッドにいた2023年のユーロ予選で、8試合7ゴールと大化けした彼の潜在能力を認めてあげられなかったのが、未だに心残りです。昨シーズンのセリエAでMVP。素晴らしい選手になりました。
57分の同点ゴールのPKは、微妙なジャッジでした。ドリブルで突破を図ったイサクセンに対応したロバートソンは足をかけておらず、ウインガーが倒れた位置もボックスの外に見えました。デンマークが勝ち抜いていたら、この先10年以上、ネタにされていたでしょう。ゴール左に豪快に蹴り込んだのは、ナポリで10戦4発と好調のホイルンドです。
11対10になり、スコットランドが勝ち越したのは78分。左からのCKに足を出したシュマイケルが触れず、シャンクランドは軽くタッチしただけでした。これで決まりかと思われたのですが、82分にクロスのクリアをカットしたアンドレアス・クリステンセンが左のドルグに流し、左足インサイドのクレバーなフィニッシュが左のポスト際に決まりました。
そしてティアニー、最後はシュマイケルが頭上を抜かれてジ・エンド。アーセナルの変化の波に翻弄されたレフトバックのファインゴールに胸が熱くなり、ワールドカップチャレンジは最後になるであろう39歳の守護神の背中に言葉を失いました。フットボールの歴史、興奮、残酷さ、せつなさが凝縮された一戦。今もなお、決勝ゴールの瞬間の景色が脳裏に刻まれたままです。(キーラン・ティアニー 写真著作者/Graham)
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