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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

リーグで最多の24発、直近の8試合で決めた選手は11人!高度成長期のチェルシーがうらやましい…。

プレミアリーグの6節終了時点では2勝2分2敗で、リヴァプールに7ポイント差の8位。クラブワールドカップ2025を制したチェルシーは、新シーズンに向けた準備期間を2週間しか得られず、厳しいスタートとなりました。浮上のきっかけとなったのは7節のリヴァプール戦で、96分のエステヴァン・ウィリアンの決勝ゴールは、チームの命運を変える一撃といっても大げさではないでしょう。

10月以降の公式戦9試合は7勝1分1敗。プレミアリーグは5勝1敗で、直近の3試合はすべてクリーンシートの勝利です。チェルシーと真逆の1勝5敗という絶不調に陥ったリヴァプールと、時折つまずくマンチェスター・シティをかわして2位にジャンプアップ。24ゴールはアーセナルと並ぶリーグTOPで、10失点は下から数えて3番めと攻守のバランスも取れています。

最終ラインの主軸となるレヴィ・コルウィルと、絶対的なプレーメイカーのコール・パーマーを欠きながらの優勝争い突入は、素晴らしいのひとことです。週末のバーンリー戦は、これまでチームにフィットしていなかった2人の若手が、ようやく結果を出したゲームでした。37分の先制ゴールの起点はトシン・アダラビオヨ。するすると上がったククレジャをよく見ていました。

ボックス左に走り込んだSBは、自陣からのロングフィードを足元に収めてバイノー=ギッテンスに落としました。移籍金総額5500万ポンドでドルトムントから加わった21歳のウインガーは、プレミアリーグ9試合でゴールもアシストもなかったのですが、逆サイドからゴール前に詰めてきたペドロ・ネトに通したクロスは完璧でした。

左SBのハルトマンは、ボールが上がる直前にペドロ・ネトをチラ見しています。クロスが来るとわかっていても、目の前に入ってきたエンソ・フェルナンデスを無視できず、ファーがフリーになってしまいました。ダイビングヘッドが左隅に決まって0-1。直近のリーグ戦5試合で3ゴール2アシストのペドロ・ネトは、チームが好調に転じた原動力です。

1点リードで折り返したチェルシーは、早い時間にセーフティーリードを築きたかったのですが、統率が取れたバーンリーの守備に苦しめられました。63分のペドロ・ネトの強烈な一撃は、右のポストにヒット。75分にアンドレイ・サントスが遠目から放ったシュートは明らかにミスキックで、2分後にショートカウンターを仕掛けたマロ・グストはGKの正面に打ってしまいました。

ようやく2点めが決まったのは88分。決定機を創ったマルク・ギウは、夏のマーケットでサンダーランドに貸し出された後、リアム・デラップの負傷で急遽ローンバックとなった選手です。チェルシーに復帰してから、プレミアリーグで唯一の先発だったサンダーランド戦は負け試合で、チャンピオンズリーグのアヤックス戦のゴール以外に目立った活躍はありませんでした。

右に流れてペドロ・ネトの縦パスを受け、トゥエンゼベを抜き去ってGKの前に出ると、後ろから走り込んできたエンソ・フェルナンデスに優しいラストパス。8番がエステーヴに当ててねじ込み、勝負が決しました。今季のチェルシーは、プレミアリーグで5ゴール以上も4アシストもおらず、戦うごとにヒーローが変わるチームです。

前線はジョアン・ペドロとペドロ・ネトが4ゴール。中盤はエンソ・フェルナンデスが4ゴールで、カイセドも3ゴールをゲットしています。最終ラインの5ゴールは、セットピースから量産しているアーセナルを上回るリーグTOP。「40ゴールのストライカーがいるより、前線の5人が10ゴール、12ゴールを決めてくれるほうがうれしい」という指揮官のチームらしい数字です。

10月からのプレミアリーグとCLの8試合で、ゴールを決めた選手は11人。協力し合ってみんなで決めるチームは、世界2位のGDPに到達したニッポンの「高度成長期」のようです。ククレジャ、トレヴォ・チャロバー、マロ・グスト、アチャンポン、アンドレイ・サントス…成長著しい選手が多く、才能が磨かれるプロセスを満喫できるブルーズのサポーターのみなさんがうらやましいと思うことがあります。

次節はいよいよアーセナル。ひと足早く若手シフトを敢行したあちらは、いわば兄貴分で、完成度は上でしょう。セットピースからのゴールは10対8でガナーズが上回っていますが、オープンプレーからは12対11でブルーズが勝っています。リーグ最多の24ゴール同士の首位攻防戦は、エキサイティングな展開になると予想しつつ、どちらかがPKで先制して逃げ切りといった塩試合にならないよう祈っております。


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