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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ウルヴス戦のアルテタ采配は妥当だったのか?失点の原因はギョケレスの交代ではないか?

プレミアリーグ10節を終えたときは8勝1分1敗で、マンチェスター・シティに6ポイント差。独走態勢に入るかと思われたアーセナルは、その後の6試合を3勝2分1敗と停滞し、2位とのギャップは2ポイントとなっています。開幕からの10試合は3失点で、その後の6試合は7失点。「ガブリエウの離脱が大きい」という見方が多数派でしょう。

失点の増加自体もさることながら、最終盤に追いつかれる展開が多いのが気になります。サンダーランド戦は、94分の放り込みで競り負け、浮いたボールに飛び出したラヤがブロビーに先に触られて2-2。途中出場のストライカーに着いていたのは、ガブリエウでした。1-1で追加タイムを終えようとしていたアストン・ヴィラ戦も、失点のきっかけは右からのクロスでした。

サンチョが頭で折り返して混戦となり、連打に耐えたものの、こぼれ球をブエンディア。9月末から公式戦12勝2敗と絶好調だったウナイ・エメリのチームに、3ポイント差に迫られてしまいました。先週のウルヴス戦も、1-0の90分にマテウス・マネにクロスを入れられ、インカピエに競り勝ったアロコダレのヘッダーがど真ん中に決まりました。

3つの失点に共通しているのは、自陣に引いて受ける展開になっていたこと、クロスからやられていること、決めたのが途中出場の選手であることです。今季のアルテタ監督は、接戦になった際の慎重な采配が目立っています。マン・シティ戦の93分に追いついた後、ズビメンディをモスケラ。0-1で勝ったフラム戦では、96分にギョケレスをノアゴーアに代えています。

1-0で終盤に入ったクリスタル・パレス戦は、88分にエゼをルイス=スケリー。この勝利が、サンダーランド戦のエゼをモスケラという策につながったのかもしれません。アーセナルの堅守の根幹にあるのは、前線からのプレスと連動したボール奪取やパスコースのカットで、引いて守るとアクシデントが起こるリスクが高まるのですが、慎重な交代策を止めるつもりはなさそうです。

予想外の大苦戦となったウルヴス戦は、最終盤の1枚のカードが失点を招いたといえるのではないでしょうか。81分、ギョケレスをジェズス。そこから3分も経たないうちに、アーセナルのプレスは空転し始め、ウルヴスの最終ラインからの縦パスが通るようになりました。ジェズスはギョケレスほどDFとの間合いを詰めず、パスコースを緩やかに切るだけです。

プレスの先陣がアンカーのアンドレをケアするだけになると、背後にいる3人のDFは狙い通りのボールを出せるようになります。デクラン・ライスやサカが後ろから叫んでも、前線のスローな対応は変わりません。前線と中盤の間で受けようとするジョアン・ゴメスへのパスが通るようになり、振り回されるシーンが増えた中盤は、マテウス・マネをフリーにしてしまいました。

視点を変えると、「ギョケレスの存在は大きかった」ともいえます。最前線で執拗なチェイシングを繰り返し、DFを背負ってロングボールを収めてくれるストライカーは、中盤の負担を軽減しています。サカのクロスを競って、モスケラのオウンゴールを誘発したジェズスがヒーローになりましたが、この試合はアルテタ監督の策が裏目に出たと評するべきでしょう。

ウルヴス戦のギョケレスのボールタッチは15回で、パス成功はわずか3本。最終ラインと駆け引きしてマークを外し、ラインの裏を狙っても、ほしいボールは出てきませんでした。ボールをキープしたとき、14番の動きを確認していたのはトロサールとサカのみ。ウーデゴーア、デクラン・ライス、ズビメンディ、エゼは、前を向いたらまずはエースを見てもらえればと思います。

夏に加わったゴールゲッターが量産モードに入ったら、アーセナルは再びライバルを突き放すのではないでしょうか。プレス、プレスで走り回っても、サイドからクロスが出たら必ずゴール前に詰めるギョケレスは、目に見えるスタッツ以上の価値があると思います。とはいえ、ゴールがなければ記者たちの評価が厳しくなるのは避けられません。エヴァートン戦は、ぜひ!


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