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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Newcastle×Chelsea】エース2発、キャプテンのFK、守護神のアシスト…スリリングなナイスゲーム!

プレミアリーグ17節、ランチタイムキックオフのニューカッスルVSチェルシーは、世界最高峰ともいわれるリーグのスリルを存分に味わえるナイスゲームでした。前半は完全なるマグパイズペース。しかし後半に入ると、チェルシーの素晴らしいタレントたちが逆襲に転じます。両者ともに持ち味を発揮した一戦を、振り返ってみましょう。

チェルシーの最初の失点は、キックオフから3分30秒。ドリブルで上がったフォファナがアンソニー・ゴードンに奪われ、トナーリからブルーノ・ギマランイス、ジェイコブ・マーフィーと右につながると、アーリークロスがファーに流れました。マロ・グストの前に出たのは、このショートカウンターの起点となったアンソニー・ゴードンです。

右足のボレーは、ロベルト・サンチェスが足に当てるビッグセーブ。右にこぼれたボールにトレヴォ・チャロバーは触れず、ヴォルテマーデが無人のゴールに叩き込みました。イサクの後釜としてシュツットガルトから移籍したストライカーは、7分の速攻では起点となっています。ラムズデールのパスを受け、ブルーノ・ギマランイスに預けると、すかさず右にボールが出ました。

右から上がったジェイコブ・マーフィーは、クロスをククレジャにカットされるも、クリアを拾った二次攻撃から鋭いクロスを入れました。中央で待っていたアンソニー・ゴードンがノーマークだったのは、着いていたマロ・グストが競り合った際に右足を痛め、ピッチに倒れていたからです。右足のワントラップボレーは、ロベルト・サンチェスが上に弾き出しました

試合を止めるべきとレフェリーに抗議した守護神は、イエローを突き付けられています。セント・ジェームズ・パークは容赦ない罵声を浴びせ、劣勢のアウェイチームは四面楚歌です。8分のルイス・ホールのCKはファーに上がり、直後にトナーリが直接狙ったCKはニアへ。いずれもきわどいボールで、ロベルト・サンチェスが気を抜いたらすぐに決められそうです。

ガルナチョとペドロ・ネトの反撃は単発で、ゼブラのシャツが押し続けています。2点めが決まったのは20分。センターサークル付近で得たFKをルイス・ホールが左サイドに送ると、アンソニー・ゴードンの絶妙なクロスがゴール前に入りました。ラインと入れ替わったヴォルテマーデが、悠々と右足でプッシュ。裏を取られたフォファナは、呆然と見送るしかありません。

チェルシーのサポーターのなかには、このゴールで敗戦を覚悟した人も多かったのではないでしょうか。25分の右からのアタックも、ジェイコブ・マーフィーの縦パスでラインの裏に出たジェイコブ・ラムジーがフリーでした。ルイス・ホールが左から蹴ったFKが、逆サイドに届いたのは28分。シェアの豪快なボレーは、ロベルト・サンチェスがキャッチしています。

前半の最大のターニングポイントは、45分のホームチームのアタックでした。足を踏まれたコール・パルマーがピッチに倒れていたため、チェルシーの選手たちはゲームを止めてほしいといっていたのですが、ルイス・マイリーがブルーノ・ギマランイスに縦パスを送り、プレー続行となりました。左サイドでロングフィードを足元に収めたのは、アンソニー・ゴードンです。

フォファナは間合いを詰めず、2点めと同じような軌道を描いたクロスがゴール前に届きました。トレヴォ・チャロバーとククレジャの間から抜けてきたヴォルテマーデが右足で押し込んでいれば、勝負は決着していたでしょう。しかしボールは右のポストをかすめ、最終ラインの修正を必要としていたチェルシーの希望はつながりました。

前半のシュートは7対4、オンターゲットは5対0、ビッグチャンスは7対1!ハーフタイムに手を打つかと思われたマレスカ監督は、動きませんでした。相手の出方を確認してから、策を講じたかったのかもしれません。注目ポイントは「ピッチの脇で準備しているエンソ・フェルナンデスは誰と代わるのか」。ドリブルでゴールに向かったコール・パルマーが倒されたのは、48分です。

キッカーはコール・パルマーか、リース・ジェームズか。ラムズデールがやや左にポジションを取ったのは、ボールをセットした10番が蹴ると読んでいたからでしょう。しかしツーステップで右足を振り抜いたのはキャプテンでした。GKのリアクションは遅れ、左にドライブがかかったボールがポストを叩いてネットを揺らしました。

チェルシーの最終ラインは、クロスへの対応を修正できています。53分、縦パスを追ってボックスに入ってきたアンソニー・ゴードンを弾き飛ばしたトレヴォ・チャロバーは、ノーファール。この直後、マロ・グストが下がってエンソ・フェルナンデスがピッチに入りました。57分の速攻から、左のガルナチョがニアに流すと、ペドロ・ネトの一撃はラムズデールがセーブしました。

ロベルト・サンチェスのロングフィードが左に上がったのは66分。ジョアン・ペドロがヘディングで前に浮かしてターンすると、背後にいたティアウはスリップし、置いていかれました。ラムズデールと1対1になったアタッカーが、足元を抜いて2-2。前半と同じ試合とは思えない展開です。リードを失ったエディ・ハウ監督が、前線の総入れ替えを敢行したのは72分でした。

アンソニー・ゴードン、ヴォルテマーデ、ジェイコブ・マーフィーに代えてエランガ、ハーヴィー・バーンズ、ウィサ。セント・ジェームズ・パークのサポーターの前で、ドローで終わるわけにはいきません。77分のウィサのスルーパスで、右から抜けたハーヴィー・バーンズがGKと1対1。逆サイドからスプリントし、打つ寸前に止めたリース・ジェームズに感動しました。

カイセドの豪快なミドルが、右のポスト際を襲ったのは81分。ゴール裏から漏れてきたのは、安堵のどよめきです。ニューカッスルのフレッシュなアタッカーたちが、ビッグチャンスを創ったのは85分。右サイドのエランガがブルーノ・ギマランイスに縦パスを通し、アーリークロスがファーに上がると、ハーヴィー・バーンズの左足ボレーはポストすれすれを抜けていきました。

89分、ラムズデールのスローが前線のエランガに届き、ボックスの入り口でククレジャをかわして放った一撃は右にアウト。決まっていれば、2人のGKにアシストが付く珍しいゲームになっていました。5分の追加タイムは何も起こらず、2-2のドロー。終了間際の再三のブーイングは、後ろからシャツを引っ張ったリース・ジェームズをセーフとしたことに対する抗議でしょう。

いやー、おもしろいゲームでした。ホーム&アウェイの2試合を90分に凝縮したように、前半と後半は真逆の展開。両チームからひとりずつ…もとい、2人ずつMVPを選ぶとすると、ホームチームは2ゴールのヴォルテマーデと、チャンスメイクが目を引いたブルーノ・ギマランイス。アウェイチームは、FKと守備が素晴らしかったキャプテンと、ビッグセーブ連発の守護神です。

今季のプレミアリーグはCKとロングスローが話題になっており、セットピースのクオリティと堅守が看板のシブいチームが首位に立っていますが、オールドファンとしては、トランジションでテンションが上がる攻め合いが増えてくれればと秘かに願っています。あらためて、両チームの指揮官と選手たちを称えたいと思います。ガルナチョ、よかったけど次は決めてね!


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