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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Aston Villa×MAN.UTD】敗戦より激痛!世界で最も強靭なブルーノ・フェルナンデスが負傷離脱!

過去3シーズンのプレミアリーグは4勝1分1敗。マンチェスター・ユナイテッドにとって、アストン・ヴィラは相性がいいチームですが、今の彼らには勝てる気がしません。9月末からのリーグ戦で10勝1敗と快進撃を続けており、首位アーセナルに3ポイント差の3位。本拠地ヴィラ・パークでペップとアルテタを撃破し、公式戦9連勝と猛威を振るっています。

アフリカネーションズカップのエンベウモ、アマド・ディアロ、マズラウィを欠いた布陣は、WBの選択肢がありません。GKラメンス、DFレニー・ヨロ、エイデン・ヘヴン、ルーク・ショー。WBはダロトとドルグ、中盤センターはブルーノ・フェルナンデスとウガルテ、前線はマテウス・クーニャ、メイソン・マウント、シェシュコ。カゼミーロはサスペンデッドで不在です。

マンチェスター・ユナイテッドの最初のチャンスは、開始3分。エミ・マルティネスのフィードをエイデン・ヘヴンがヘディングで跳ね返すと、落下点にいたメイソン・マウントが右から持ち込み、前線のシェシュコにラストパスを送りました。ストライカーは打てず、こぼれ球に走り込んだマテウス・クーニャのコントロールショットは、右のポストの外を抜けていきました。

ティーレマンスに詰められたウガルテが、ハーフラインで奪われたのは7分。5対3のカウンターとなり、アマドゥ・オナナが右から上がったマッギンにパスを通すと、左足のダイレクトショットはラメンスがセーブしました。こぼれ球に詰めたオリー・ワトキンスのシュートは、エイデン・ヘヴンがぎりぎりでクリア。直後の左からのCKは、ファーのマートセンがフリーでした。

左足のボレーがゴール前に入ると、コースを変えたモーガン・ロジャースのヒールキックは、右のポストをかすめてゴールラインを越えていきました。トラップやパスのミスが多いウガルテは、これが最後ではないでしょう。ここから徐々にヴィラがポゼッションを取る時間が増え、白いシャツのアウェイチームは前からのプレスで縦のコースを切っています。

22分にブルーノ・フェルナンデスが前線に送ったボールは、ラインの裏を狙っていたシェシュコに通り、ボックス右から打ったシュートは飛び出したエミ・マルティネスがセーブ。1分後、右から流れてマテウス・クーニャのスルーパスを追ったシェシュコは、GKをかわす際のタッチが大きく、打てる形に持ち込めません。

33分、左からカットインしたモーガン・ロジャースのミドルは、ラメンスの正面。直後のパスをカットされたマテウス・クーニャは、奪い返して左から上がると、左隅に強烈なミドルを放ちました。エミ・マルティネスが右に飛んでセーブし、0-0をキープ。マッギンがドリブルで突破を図った38分の速攻は、ティーレマンスのロングシュートが右に切れていきました。

怖れていたことが起こったのは、40分。パスをカットしたブルーノ・フェルナンデスがプレイを止め、右足の太腿の裏を押さえています。最初のフルシーズンとなった2020-21シーズン以来、プレミアリーグで35試合以上に出場してきたキャプテンは、42分の左足シュートをブロックされた後、交代を要求する仕草を見せています。おそらく、後半のピッチに彼はいないでしょう。

マッギンのロングフィードが左サイドのモーガン・ロジャースに通ったのは45分。つま先でトラップしたアタッカーは悠々とレニー・ヨロをかわし、完璧なシュートを右隅に突き刺しました。1-0でハーフタイムかと思いきや、ヴィラのリードはたった2分。敵陣左サイドでマティ・キャッシュからドルグが奪うと、マテウス・クーニャが角度のないところから右隅に決めました。

前半は1-1、ポゼッションは40%対60%。シュートは7対5で、オンターゲットは3対3です。後半のピッチにキャプテンはおらず、リサンドロ・マルティネスの姿があります。メイソン・マウントが右から上がり、アーリークロスを入れたのは49分。ゴール前で足を出したシェシュコは触れず、ボールはファーに流れていきました。マン・ユナイテッドの攻撃のキーマンは、7番です。

56分、カウンターを仕掛けようとしたブバカル・カマラを止めたのは、リサンドロ・マルティネス。利き足のミドルは、左ポストの外を抜けていきました。ヴィラが勝ち越したのは57分。ティーレマンスの強引なクロスをオリー・ワトキンスが後ろに落とすと、モーガン・ロジャースがまたもレニー・ヨロを問題にせず、右足のコントロールショットが右隅に吸い込まれました。

2-1となった59分、マテウス・クーニャのサイドチェンジがダロトへ。切り返しからのシュートをエミ・マルティネスが外に弾くと、ドルグの左足ボレーはマティ・キャッシュが体に当てています。メイソン・マウントのサイドチェンジがドルグに入った67分、左足で浮かしたクロスはマテウス・クーニャの頭にぴったりでしたが、叩きつけたボールは右に逸れていきました。

72分にシェシュコとウガルテが下がり、ザークツィーとジャック・フレッチャー。プレミアリーグデビューを果たした18歳の新鋭は、父親のダレンと同じポジションです。アモリム監督の3度めのカードは83分、レニー・ヨロに代えて18歳のレイシー。アマドゥ・オナナとマッギンを下げ、ブエンディアとゲサンを投入したエメリ監督は、3点めを狙っているのでしょうか。

85分、中央突破を図ったモーガン・ロジャースの鋭いシュートは、ルーク・ショーがブロック。90分にドリブルで右に流れたマテウス・クーニャがティーレマンスにカットされると、こぼれ球を拾ったレイシーのミドルはエミ・マルティネスがキャッチしました。93分、ボックスの左コーナーから直接狙ったメイソン・マウントのFKは、クロスバーを越えていきました。

アストン・ヴィラが2-1で勝って、首位との差をキープ。マンチェスター・ユナイテッドの最大の敗因は、モーガン・ロジャースを自由にしてしまったことでしょう。シュート数は12対15、オンターゲットは4対6、ビッグチャンスは2対3。攻め込む時間が長かった僅差の勝負ゆえ、「ベストメンバーだったら」「キャプテンが最後までいれば」と、たら・ればを並べたくなります。

ベンチにいたシニアのフィールドプレーヤーがリサンドロ・マルティネス、ザークツィー、マラシアだけという窮状で、よく戦ったというべきでしょうか。それにしても、今季プレミアリーグで5ゴール7アシストのキャプテンの離脱は激痛です。過去3シーズンのクラブと代表チームにおける出場時間は16880分で、彼を上回るフットボールプレーヤーは地球上に存在しません。

中盤センターのファーストチョイスは、カゼミーロとリサンドロ・マルティネスか。年末年始はニューカッスル、ウルヴス、リーズ、バーンリー、マンチェスターダービー。16位以下との3試合で取りこぼしたら、TOP4の背中は遠ざかってしまうでしょう。大事な時期のゲームが、ティーンエイジャーたちのOJTの場にならないよう願うしかありません。(モーガン・ロジャース 写真著作者/u/reepers_hellcat)


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