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【Chelsea×Aston Villa】エースの2発でヴィラが逆転!試合の展開を劇的に変えたエメリ采配に脱帽!

エンツォ・マレスカ監督の11人は、ベストメンバー。ウナイ・エメリ監督は、オリー・ワトキンスとアマドゥ・オナナをベンチスタートとしています。プレミアリーグ18節、チェルシーVSアストン・ヴィラ。首位のアーセナルと2位のマン・シティは先に勝っており、両者ともに必勝の一戦です。まずは、指揮官がスタンド観戦となったホームチームのスタメンを紹介しましょう。

GKロベルト・サンチェス、DFリース・ジェームズ、トレヴォ・チャロバー、バディアシル、ククレジャ。2センターはカイセドとエンソ・フェルナンデス、2列めにペドロ・ネト、コール・パルマー、ガルナチョ、ワントップにジョアン・ペドロ。対するヴィラは、ドニエル・マレンの後ろにブエンディア、モーガン・ロジャース、マッギンを配しています。

中盤センターはブバカル・カマラとティーレマンス。エミ・マルティネスの前には、マティ・キャッシュ、コンサ、リンデロフ、マートセンが並んでいます。開始2分、カイセドの浮き球をボックス右でトラップしたコール・パーマーは、コースが空いているのを見て左足を振り抜きますが、アウトにかかったボールは左に切れていきました。

4-4-2で守るヴィラの陣形は、相変わらずコンパクトです。5分にティーレマンスが前線にロングフィードを送ると、バディアシルがカットしたボールをさらったモーガン・ロジャースが一気にゴール前へ。切り返しから左足で打とうとした瞬間、バディアシルが足を出して奪いました。序盤のポゼッションはチェルシー。ヴィラは引いてカウンターを狙っています。

エンソとカイセドのポジションは流動的で、縦の関係になったり、並んでパスを散らしたりしてスペースを創ろうとしています。15分にククレジャを突き飛ばしたモーガン・ロジャースは、注意で済んだようです。コール・パルマーがドリブルで左に流れたのは18分。パスをもらったククレジャが中央に転がすと、フリーだったエンソ・フェルナンデスは右に外してしまいました。

21分、敵陣でミスパスをさらったカイセドは、すかさずガルナチョに展開。クロスのクリアがカイセドの足元に入り、渾身の右足ボレーはコースにいたティーレマンスがブロックしました。右サイドのペドロ・ネトが、ニアに素晴らしいクロスを入れたのは24分。リンデロフの裏を取ったジョアン・ペドロが右足で触ると、飛び出したエミ・マルティネスが顔面でセーブしました。

左サイドでマティ・キャッシュを翻弄しているガルナチョは、クロスが味方に合いません。34分、ククレジャが逆サイドにハイクロス。ペドロ・ネトが頭で折り返したボールを受けたリース・ジェームズは力んでしまい、ダイレクトショットは左に逸れていきました。攻め続けていたホームチームの先制は37分。左からのCKのキッカーは、リース・ジェームズでした。

ゴール前にいたエンソ・フェルナンデスとジョアン・ペドロに体をぶつけられたエミ・マルティネスは、ボールに集中できておらず、ふわりと浮いたボールがジョアン・ペドロの足をかすめてネットを揺らしました。リードされてからラインを上げたヴィラは、前線にロングフィードを入れて2列めにフォローさせようとしています。

前半は1-0、ポゼッションは71%対29%、シュートは10対0。エメリ監督は、どこかで戦い方を変えてくるはずです。47分に敵陣で奪ったのはリース・ジェームズ。エンソ・フェルナンデスが左に展開し、ガルナチョがファーにクロスを送ると、ボールはペドロ・ネトの内側にいたマートセンの手に当たりました。ジャッジはCK。抗議は却下されています。

51分に左から放ったモーガン・ロジャースのミドルは、カイセドに当たって左にアウト。CKからカウンターを仕掛けたコール・パルマーは、ジョアン・ペドロとのワンツーでボックスに入り、ファーにグラウンダーを入れました。ガルナチョが触ればゴール、しかし間に合ったマッギンがクリア。55分のリース・ジェームズのキックは、GKの頭上を狙っていたのでしょうか。

枠を捉えていたボールに、下がりながら手を伸ばしたエミ・マルティネスがぎりぎりでクリア。エメリ監督は、58分に3枚代えを敢行しました。ドニエル・マレン、ブエンディア、マッギンが下がり、オリー・ワトキンス、サンチョ、アマドゥ・オナナ。61分に自陣ボックスからきれいにつながったヴィラのカウンターは、決定的でした。

自陣ボックスからブバカル・カマラ、ティーレマンス、サンチョ、ティーレマンスとつながり、縦パスを受けたオリー・ワトキンスがブバカル・カマラにスルーパス。ロベルト・サンチェスの前に出たMFはコースを塞がれ、シュートをぶつけてしまいました。直後、バディアシルのパスをカットしたのはアマドゥ・オナナ。ここからのショートカウンターはシンプルでした。

ブバカル・カマラのパスを足元に収めたモーガン・ロジャースが、オリー・ワトキンスをラインの裏に走らせるラストパス。トレヴォ・チャロバーに競り勝った11番がプッシュしたボールはロベルト・サンチェスに阻まれたのですが、こぼれ球がストライカーに当たってゴールに飛び込みました。さらに66分、自陣右からスプリントしたサンチョが、左にラストパスを転がしました。

外から走り込んできたマートセンの強烈な一撃は、ロベルト・サンチェスがビッグセーブ。チェルシーが69分にジョアン・ペドロ、ガルナチョ、ククレジャを下げたのは、運動量が落ちていたからでしょう。代わって入ったのはバイノー=ギッテンス、リアム・デラップ、マロ・グスト。70分にトレヴォ・チャロバーの裏を取ったのは、またもオリー・ワトキンスです。

CBをフォローしたカイセドをかわして右足を振り抜くと、ロベルト・サンチェスが必死にセーブ。今や完全なるヴィラのペースです。72分、コール・パルマーに代わってエステヴァン・ウィリアン。モーガン・ロジャースのFKは、クロスバーを越えていきました。残り時間は10分。オープンな展開になったゲームは、このまま終わるとは思えません。

83分にボハルデに後を譲ったのは、ブバカル・カマラ。イエローをもらった後、レフェリーとやり合っていたからでしょう。84分、右からのCKをヘッドで左隅に決めたのは、オリー・ワトキンス!カイセドからアマドゥ・オナナが奪った88分のショートカウンターは、ティーレマンスのラストパスがサンチョに入り、右足のシュートをGKがセーブしています。

ロベルト・サンチェスがスリップして、ボールを持ったままボックスから出てしまったのは90分。ディーニュのFKは決まらず、勝負は追加タイムに持ち越されました。5分の追加タイムにチェルシーのシュートはゼロで、アストン・ヴィラが公式戦11連勝。9月末からのプレミアリーグ13試合は12勝1敗で、ビッグ6に5勝1敗は天晴れのひとことです。

後半のポゼッションは53%対47%、シュートは4対11、オンターゲットは0対8。勝負のターニングポイントはヴィラの指揮官の3枚代えでしょう。アマドゥ・オナナがセンターに入り、ティーレマンスのポジションを上げたため、自在に動くモーガン・ロジャースへのマークが緩くなりました。オリー・ワトキンスは、「勝因はアタッカーがひとり増えたこと」と明言しています。

途中出場のエースストライカーは中央やや右で明確なターゲットになり、マッギンより突破力があるサンチョが前に出ると、チェルシーの最終ラインは混乱してしまいました。後半のオンターゲット8本のうち、7本はボックスの右からです。マロ・グストとギッテンスの投入は、オリー・ワトキンスとサンチョを封じる対応策になっていませんでした。

チェルシーの後半のシュートで惜しかったといえるのは、58分のガルナチョのミドルのみ。マレスカ監督がベンチにいれば、違う結末があったのでしょうか。試合後のインタビューで「コーチとはコミュニケーションが取れていた」といっており、ピッチの脇にいたからといって、フォファナを入れてリース・ジェームズを中盤にまわすなどの思い切った変更はしなかったでしょう。

エメリ監督の次節は、エミレーツでアーセナル。勝てば42ポイントで古巣と並びますが、マティ・キャッシュがサスペンデッドという課題をクリアする必要があります。5位に転落したチェルシーは、絶不調のボーンマスには勝てるでしょう。プレミアリーグ2025-26シーズンは、優勝を争う3強とTOP4をめざすセカンドグループに分かれましたが、どちらも目が離せません。


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