2025.12.30 チェルシーの話題
強化したいのは中盤と最終ライン…TOP4を死守したいチェルシーは、冬のマーケットで動くのか?
2024-25シーズンは、リヴァプールには引き離されたものの、アーセナルとは5ポイント差で、マン・シティは2ポイント差のデッドヒートでした。しかし今季は、アストン・ヴィラが優勝争いに食い込んでおり、ギャップは10ポイントとなっています。4位をキープするためには、リヴァプールだけでなく、復調気配のマンチェスター・ユナイテッドの上で終わる必要があります。
前半戦のチェルシーのトピックスを挙げてみましょう。「エース不在」「好不調の波」「レッドカード連発」「最終ラインの混乱」「若手の成長」。指揮官の最大の誤算は、コルウィルとコール・パルマーの長期離脱でしょう。最終ラインの主軸だったCBは、おそらくシーズンアウト。ようやく復帰した10番は、公式戦9試合3ゴールというもの足りない数字に留まっています。
プレミアリーグの足跡を見ると、目を引くのはスタンフォード・ブリッジでの不振です。9試合で4勝2分3敗は、納得できる戦績ではないでしょう。敗戦はブライトン、サンダーランド、アストン・ヴィラ。すべてポゼッション60%以上で逆転負けです。カウンターへの対応と不安定なビルドアップを改善しなければ、取りこぼしは減らないでしょう。
マンチェスター・ユナイテッド戦から始まったレッドカード地獄も、ポイントを落とす要因となりました。ロベルト・サンチェス、トレヴォ・チャロバー、エンツォ・マレスカ、マロ・グストと4戦連続でアウト。アーセナルとのロンドンダービーではカイセドを失い、CLのベンフィカ戦はジョアン・ペドロ。カラバオカップのウルヴス戦では、デラップが退場を命じられています。
あらためてスカッドを見てみると、気になるのはやはり後方です。コルウィルが不在の最終ラインは、このままでいいのか。トシンはパスワークに難があり、バディアシルはマンマークが不安です。ときどき敗因となるフォファナは、ミスを引きずるタイプなのかもしれません。ジョエル・ハトとアチャンポンが成長したとしても、「後半戦の救世主」は期待しすぎでしょう。
一方、左右のサイドと中盤は若手の成長が目立っています。マロ・グストは中盤でも機能するようになり、ガルナチョはボックスに入ってからのプレイの質が高まりつつあります。エステヴァンがこれほど早くフィットしたのは、うれしい誤算でした。リアム・デラップとバイノー=ギッテンスが結果を出せるようになれば、得点力は自ずと高まるはずです。
さて、チェルシーは冬のマーケットで動くのでしょうか。2023年1月は、ベンフィカからエンソ・フェルナンデスを獲得するなど、6人に2億5000万ポンド以上を投じたのですが、その後の2年はティーンエイジャーをひとりずつ獲っただけでした。チェルシーの内部事情に詳しい「アスレティック」のサイモン・ジョンソン記者は、「補強したければ売却が必要」といっています。
7月にファイナンシャル・フェアプレー違反を問われ、3100万ユーロの罰金を支払ったチェルシーは、いわば執行猶予状態でもあります。今後の4年間で再犯が認められた場合は、少なくとも6000万ユーロを請求され、欧州の大会の選手登録を制限される可能性もあるようです。今年度は、移籍に関する収支を黒字にする必要があります。
出場機会が少ない選手をローンで手離すという手もあるものの、インターナショナルのローンの上限6枠は、マイク・ペンダース、ママドゥ・サール、ケンドリー・パエス、ニコラス・ジャクソン、アーロン・アンセルミーノ、ダヴィド・ダトロ・フォファナで使い切っています。ディサシのローン移籍が見送られたのは、大陸に派遣している選手を動かせなかったからです。
マルク・ギウやデイヴィッド・ワシントンをローンで出すなら、国内のクラブと交渉しなければなりません。スターリング、タイリーク・ジョージ、ディサシ、ヨルゲンセンを売却できれば、最終ラインや中盤に即戦力を加えられるようになります。スターリングの放出は喫緊の課題ですが、週給30万ポンドを快く受け入れるクラブはなさそうです。
冬のトランファーマーケットをスルーした場合、伸びしろとして期待できるのは、コール・パルマーの完全復活と若手の躍進でしょう。プレミアリーグの前半戦で、出番を得たU-21は10人。ターンオーバーを駆使してきたマレスカ監督は、「育てながら勝つ」を実現できるのか。年明け初戦となるマンチェスター・シティとのアウェイゲームは必勝です。
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