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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

セントラルMFとWBが足りない…チェルシーが狙う2人の器用なMFはどちらも厳しい!?

「バカヨコとの契約できたのはよかった。彼はまだ若く、プレミアリーグにすぐなじむだろう。チェルシー入団を急がせたのは、マティッチを売ることが決まっていたからだ。セスク・ファブレガスもいるけど、新しいMFを探さなければならない。今は3人しかいないからね」(アントニオ・コンテ)
「今のチームの人数が少ないという事実は認めなければならないだろう。質は負けていないけどね。いいコンディションをキープしなければいけない」(ガリー・ケーヒル)

指揮官とキャプテンが認めたとおり、チェルシーのスカッドはプレミアリーグとチャンピオンズリーグを両立させるには少なすぎます。GKのクルトワとカバジェロはOK、CBにアスピリクエタ、リュディガー、ダヴィド・ルイス、ケーヒル、クリステンセンと最終ラインは問題なし。最前線も、モラタとバチュアイにロイク・レミーまでカウントするのであればまわせるでしょう。問題は、中盤とサイドです。コンテ監督がこぼしたようにセントラルMFは3人しかおらず、ヴィクター・モーゼスとマルコス・アロンソの代わりを務める選手がウィリアン以外に見当たりません。SNSで中国人の反発を買ったケネディは、ニューカッスルにレンタルされる見通し。ペドロとアザールのポジションには、20歳コンビのボガとムソンダが起用される可能性がありますが、プレミアリーグ出場ゼロの2人に過度な期待は禁物です。

そんなプレミアリーグ王者が、中盤もWBもこなせるバルセロナのセルジ・ロベルトを狙っていると伝えたのは「エクスプレス」。18歳でファーストチームデビューを果たしたバルサ生え抜きのMFは、直近2シーズンのリーガ・エスパニョーラで30試合以上に出場しています。2015-16シーズンは7つのポジションをこなしてユーティリティの高さをアピールし、25歳になった昨季は右SBのレギュラーとして活躍。バルベルデ新監督の下でも当然の主力と目されておりましたが、クラブが右SBのネウソン・セメドを獲得したことで、便利屋に逆戻りする可能性が高まっていました。移籍金は3600万ポンド(約51億円)といわれており、マンチェスター・ユナイテッドも興味を示しているようですが、彼が加われば右サイドと中盤の問題が大幅に解決できるのは間違いありません。

そしてもうひとり、中盤もサイドもこなせる選手としてリストアップされているのは、プレミアリーグ2017-18の人気銘柄アレックス・オックスレイド=チェンバレンです。「テレグラフ」によると、チェルシーがアーセナルに出したオファーは3500万ポンド(約49億7000万円)で、セルジ・ロベルトと同水準。契約が残り1年となっても延長に応じないMFに対して、アーセナルは6万5000ポンド(約920万円)の週給を12万ポンド(約1700万円)にUPさせて慰留していますが、交渉は進んでいないようです。ヴェンゲル監督は、自らが起用したいMFをロンドンのライバルに売るぐらいなら1年後にフリーで手離すほうを選ぶでしょう。この話は、おそらく頓挫するものと思われます。

中盤ではレスターのプレーメイカー、ドリンクウォーターの名前も挙がっておりましたが、こちらはシェイクスピア監督が「この時期には優秀な選手に移籍の報道がついてまわるが、現実を見なければならない。私は彼の残留を確信しているので、落ち着いている」と完全否定。プレミアリーグ経験のある21歳のロフタス=チークと22歳のチャロバーをレンタルに出したのが悔やまれますが、彼らの成長のためという唯一納得できる理由ならば致し方ありません。間に合うか、チェルシー。完璧主義者のコンテ監督の眼鏡にかなう選手を3~4人獲るとなれば、残り20日という時間は決して長くはありません。8月31日のデッドラインデーまで、昨季王者の奮闘は続くものと思われます。続報を待ちましょう。(セルジ・ロベルト 写真著作者/Castroquini)

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