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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【New Castle×Tottenham】慌てず、こぼさず、間違えず。2人のCBと守護神が支えるスパーズの強さ

カイル・ウォーカーの後釜は、20歳のカイル・ウォーカー・ピータース!ニューカッスルの本拠地セント・ジェームズ・パークでプレミアリーグの開幕を迎えるトッテナムは、マンチェスター・シティに移籍したイングランド代表SB以外は昨季もよく見た顔ぶれです。ロリス、アルデルヴァイレルト、フェルトンゲン、ベン・デイヴィス、カイル・ウォーカー・ピータース、エリック・ダイアー、シソコ、デンベレ、デル・アリ、エリクセン、ハリー・ケイン。膝を痛めていたワニャマと腕を骨折したソン・フンミンがベンチにいるのが気になるだけで、サポーターの意気が上がる布陣です。一方、プレミアリーグに戻ってきたニューカッスルには、シェルヴィ、マット・リッチー、アツ、ドワイト・ゲイル、アヨゼ・ペレス、アイザック・ヘイデンなどお馴染みの選手が揃っています。TOP6が軒並み苦戦している最初のゲームで、スパーズは好スタートを切れるでしょうか。ベニテスVSポチェッティーノという戦術家同士の戦いに、否応なくテンションが上がります。

円陣を組んで戦う姿勢を確かめ合うニューカッスルの11人。両者とも慎重な立ち上がりです。5分、縦パスでラインの裏に飛び出したドワイト・ゲイルは、ダイレクトで打ったボレーを左に外します。7分、ニューカッスルの左SBデュメが足を痛めて早々にリタイア。ベニテス監督は、ラッセルズを投入せざるをえません。13分、エリクセンがボックス右に浮かしたボールをデンベレがダイレクトで折り返しますが、ハリー・ケインに通らず。ゆったりとしたビルドアップから縦パスを合図にスピードが上がるスパーズが、徐々にペースをつかみ始めています。

22分、右サイドからのエリクセンのFKを頭で狙ったハリー・ケインは、相手に当ててしまいGKエリオットがキャッチ。26分、ベン・デイヴィスのパスを受けてアウトにかけたエリクセンのシュートは、エリオットの指先を抜けて右に切れていきます。ホームチームが狙うのは、カイル・ウォーカー・ピータースのサイド。アツがドリブルで仕掛け、ゲイルも裏を取ろうとしますが、若き右SBは何とか耐えています。34分、ハリー・ケインの危険なタックルで痛んだルジュンはピッチに戻れず、2人めの途中出場となるエンベンバが入ります。エースに出たのがイエローカードだったのは、スパーズにとって幸運というべきかもしれません。41分、前線でひとり気を吐くエリクセンのミドルはエリオットの正面。デル・アリは消え、昨季プレミアリーグ得点王に打てるパスが出てこない静かなゲームは、0-0のまま後半に入りました。

48分、デル・アリの足を踏みつけたジョンジョ・シェルヴィが一発レッド!前半のシュートが1本しかなかったニューカッスルは、ますますゴールから遠ざかります。52分にエリクセンが右サイドから中央に持ち込み速いパスを出すと、マット・リッチーに当たってGKに向かうボールにハリー・ケインが反応。倒れ込みながら放った至近距離からのボレーは、エリオットが体に当てて防ぎます。62分、先制点はいかにもトッテナムらしいルートで決まりました。ハリー・ケインが右にいたエリクセンに落とすと、ファーサイドに絶妙なクロスが通り、走り込んだデル・アリが左足ボレーでフィニッシュ。1月に首位を独走していたチェルシーに完勝した試合を思い出させるホットラインが炸裂し、トッテナムが優位に立ちます。

70分、勝負を決めた一撃は、やはりデル・アリ、ハリー・ケイン、エリクセンの三重奏でした。デンベレの縦パスから始まった仕掛けは、デル・アリとハリー・ケインがダイレクトでつなぎ、エリクセンに通ったボールが左に流れると、左サイドから走ってきたベン・デイヴィスが右足インサイドでコントロール。プレーメイカーがそのままキープすると読んで重心を右足に移したエリオットは、読みとは逆の左に来たボールに足元を抜かれました。0-2、セント・ジェームズ・パークはすっかり弛緩しています。右からのクロスをエンベンバがヘッドで流し、ファーから走り込んだクリスティアン・アツがプッシュした83分のシーンが、彼らが最もゴールに近づいた瞬間でした。シュートはポストの外からサイドネットにかかり、スコアは動かず。追加タイムに入り、途中出場のソン・フンミンのスルーパスでハリー・ケインが抜け出すと、左隅を狙った一撃はポストに阻まれ、スパーズは2点差のまま今季プレミアリーグ初勝利を飾りました。

エリクセンがあまりにも素晴らしく、0-2は妥当な結果でしょう。煌びやかな前線の3人に目がいきがちですが、私は後ろの2人の落ち着いたディフェンスもまた、このチームの見るべきポイントだとあらためて思いました。右サイドを託されたカイル・ウォーカー・ピータースは後手を踏むシーンが目立ち、偉大なる前任者が去った穴を埋めたとはいい難い出来でした。しかし、アルデルヴァイレルトとフェルトンゲンが振り回されるシーンはありません。常に冷静で、ポジショニングを間違えない2人のCBのプレッシャーが、ニューカッスルの攻撃陣からフィニッシュの精度を奪いました。時折、きわどいコースにシュートを打たれたり、一瞬フリーになった選手にボールが渡るシーンもありましたが、ウーゴ・ロリスというプレミアリーグ屈指の守護神がきっちりコースを読んでいます。CBが不安定だったアーセナルとセットプレーで冷静さを欠いたリヴァプールを観た後だけに、余計にスパーズの守りの堅実さが印象に残りました。

次節のチェルシー戦は、ホームグラウンドとは呼べないウェンブリーでのゲームですが、攻守ともにワールドクラスが好調のスパーズが圧倒的に有利に見えます。2年めを迎えるフィンセント・ヤンセン、エンクドゥー、シソコがフィットするという「補強」があれば、外から大物を入れなくてもポチェッティーノ監督のチームは今季も優勝争いに食い込むと思われます。いやー、やっかいです。

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“【New Castle×Tottenham】慌てず、こぼさず、間違えず。2人のCBと守護神が支えるスパーズの強さ” への8件のフィードバック

  1. シティふぁん より:

    スパーズはプレースタイルからか若さからか
    やや暴力的に映る事がありますね
    昨季のチェルシー戦も酷かったです
    プレミアの中でも特に魅力的なサッカーをしていますがそういう所を改善しなければ優勝して欲しくないですね

  2. トリッピー より:

    いつも楽しく読ませて頂いております。
    ウォーカーが抜けてトリッピアー、ローズ、ラメラ、ワニアマ、ソンが怪我で更に補強無し…どうなる事かと思いましたが無事?勝てて良かったです。
    ポチェ体制も4年目となり、今年こそはタイトルを期待したいところです。

  3. トリッピー より:

    いつも楽しく読ませて頂いております。
    やはりエリクセンは素晴らしいですね、スパーズの前線は前季もバランス良く躍動していたと思うので今年も楽しみです。
    またおっしゃる通り守備の安定ぶりも凄いですね。ポチェッティーノ以前はよく分からないような失点が多いイメージを持っていたので……
    ここにまた若い新戦力が加われば本当に優勝が現実的になると思います。

  4. トリッピー より:

    申し訳ありません。
    慣れぬコメントで間違えてしまいました…

  5. NORI より:

    更新お疲れ様です。
    ニューカッスルの守備が思ったより整備されていてこじ開けるのに苦戦しましたが、エリクセンはホント素晴らしかったです。
    例年スロースタート気味なスパーズですが、チームの心臓であるエリクセンがキレキレなのは頼もしい限りです。
    CBの2人が素晴らしすぎるだけに離脱時のダメージがデカイのですが、噂になってるダビンソンサンチェスがうまくハマれば優勝もぐっと近くかもしれません。
    とはいえ一番の懸案はやはりウェンブリーなんで、来週のチェルシー戦のパフォーマンスは大注目ですね。

  6. sini より:

    ニューカッスルが、というよりベニテスが、やはり手強かったという感じでした。

    一方で、試合前にシェルヴィーがアリとの握手を拒否していたり、試合中もだいぶ挑発されていたようなので、アリはよく堪えたかなと思います。チェルシーやハマーズもそうですが、最近はスパーズ戦となると若いのを逆手にとった挑発から入ってくるチームが多いですし、今後も気を付けてもらいたいものです。
    ケインが退場にならなかったのは運が良かったとしか言いようがないですけど。

    おっしゃる通りエリクセン、トビーが素晴らしかったですが、その二人に加えてデンベレもピータースをフォローしつつもチームを攻守に支える素晴らしい出来でした。
    何はともあれ、とりあえず勝ててよかったです。

  7. yuto より:

    シェルヴィーのデレ・アリへの対応は許されるものではないだけに正しくジャッジされたことにホッとしました。
    選手生命に関わるようなダーティなプレイは誰も得をすることはないので勘弁してほしいところです。
    前半までは試合も拮抗していただけに、後半早々に試合をぶち壊したなと感じた一戦でした。

  8. スパーズくそ より:

    シティふぁんさん>
    デル・アリとハリー・ケインは若さゆえな感じですね。

    トリッピーさん>
    強かったです。前の3人はやっぱりすごいです。チェルシー戦、めっちゃ楽しみですね。

    NORIさん>
    オーリエとサンチェスが獲れたらひと安心ですね。

    siniさん>
    デンべレを忘れてはいけませんよね。あの運動量と馬力あるドリブルには惚れ惚れします。

    yutoさん>
    ゲームの状況、レフェリーの目の前、スタンプという危険な行為…やめてほしかったですね。

    —–
    ケインはレッドだろう。
    あんなカニバサミヤバいよ。
    ニューッカッスルユナイテッドは守備がよかったよ。

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