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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

成功と挫折の分かれ目とは…?フロリアン・ヴィルツがサンチョやヴェルナーの失敗を回避した理由。

アンドリー・シェフチェンコ、ファン・セバスティアン・ベロン、ロベルト・ソルダード、ゴンサロ・イグアイン、ティモ・ヴェルナー、ジェイドン・サンチョ…スペインやイタリア、ドイツで評価を高め、鳴り物入りでプレミアリーグに参入したのに、別人のようにパフォーマンスを落としてしまう選手がときどきいます。

彼らはなぜ、力を発揮できなかったのか。よく聞かれるのは、「フィジカルの強さとスピードを求められるプレミアリーグにフィットしなかった」といった話ですが、事はそう単純ではなさそうです。シェフチェンコはモウリーニョ戦術に合わず、ファン・ベロンはサー・アレックス・ファーガソンの厳しい規律に対応できませんでした。監督との関係も、重要な要素のひとつです。

アンヘル・ディ・マリアも、ボスがファン・ハールでなければ、違うキャリアがあったかもしれません。いや、彼の場合は、家族がマンチェスターでの生活になじめなかったのが、早期退団に踏み切った最大の理由でしょう。南米やスペインの選手は、「英語をマスターできずに孤立してしまった」「イングランドの曇り空が耐えられなかった」といったケースもあります。

ラダメル・ファルカオがマンチェスター・ユナイテッドとチェルシーで振るわなかったのは、プレミアリーグとの相性の問題ではなく、左膝前十字靭帯損傷からの回復途上だったからでしょう。フィジカル、メンタル、戦術、コミュニケーション、ライフスタイル、サポート体制…新戦力の成否を分ける要素は多様で、本人もクラブも総合力を問われているといえます。

さて、ここからが本題です。夏にリヴァプールに入団したフロリアン・ヴィルツも、プレミアリーグのビッグディールの失敗リストに加わろうとしているように見えました。バイエルンとリヴァプールのオファーを父親とともに入念に確認し、指揮官の戦術から求められる役割、AXAトレーニングセンターなどインフラまでチェックしたうえでの移籍は、万全だったはずです。

ところが、いざ蓋を開けてみると、プレミアリーグ開幕から4ヵ月はノーゴールノーアシスト。新たなフォーメーションのトップ下で結果を出せなかったため、リヴァプールの絶不調の元凶とまでいわれた時期がありました。プレミアリーグに参入した選手がうまくいかない理由のひとつとして、「チーム作りの失敗に巻き込まれた」というケースもあります。

トゥヘル、ポッター、ランパードの混乱のなかで真価を発揮できなかったクリバリとムドリク、スールシャール解任とラングニック就任によるカオスの渦中で苦しんだジェイドン・サンチョ、ガレス・ベイルが残したビッグマネーによる大量補強の失敗の一員だったロベルト・ソルダードなど、居心地のいいポジションを見つけられずにチームを追われた選手も少なくありません。

フロリアン・ヴィルツが彼らのようにならなかったのは、ポジティブな性格、チームメイトとの良好な関係、スタッフのサポートといった要素が揃っていたからでしょう。結果を出せずにいたヴィルツは、プレミアリーグのハードマークに対応するために、スタッフとともにフィジカルの強化に励み、エキティケやショボスライとの連携の精度を高めました。

長い間、苦しんではいたものの、モチベーションと冷静さをキープできており、孤独ではなかったともいえそうです。12月に入ると、目に見える結果が付いてくるようになり、公式戦15試合6ゴール5アシスト。今では、ボールを奪取すると彼を探す選手が増え、緩急自在のドリブルからの意外性があるパスが通るようになっています。

2026年のリヴァプールは、リーグで1勝4分1敗と停滞しており、マン・ユナイテッドとチェルシーにかわされてしまいました。来季のCLの出場権を死守するためには、前線の得点力向上が不可欠です。予断を許さない展開ですが、ヴィルツはやってくれるでしょう。彼が夏に選んだのは、初めての環境に戸惑う仲間を支える素晴らしい選手とスタッフが揃うクラブだったようです。


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