2026.03.14 チャンピオンズリーグ2025-26チャンピオンズリーグ
レアル・マドリードに完敗!戦術も人選も妥当だったと主張するペップ・グアルディオラに思うこと。
レアル・マドリードに3‐0で敗れた後、プレスルームに現れたペップ・グアルディオラは4分以上も熱弁を振るい、戦術も人選も妥当だったと主張しました。「さまざまな状況を考慮して決断を下している」と続けた稀代の名将は、「すべて説明できるけど、納得してもらえるのか?もういい。忘れてくれ」と話を打ち切っています。
記者たちの興味が「なぜ、今回の戦い方を選んだのか?」ではなく、「なぜ、失敗したのか」であると気づいたからでしょう。ハーランドとセメンヨを最前線に並べて、ロドリを中盤の底に配するダイヤモンド型の4-4-2は、前線に入ってくる選手が目まぐるしく変わるトリッキーな4-4-2に翻弄されてしまいました。
ムバッペを欠いたレアル・マドリードの布陣で最終ライン付近に常にいるのは、左サイドのヴィニシウスと右にいる時間が長かったブラヒム・ディアスで、センターは流動的でした。サイドを主戦場としていたアルダ・ギュレルとバルベルデが、当番制のように中央に入ってくるので、アンカーとCBは何度も対応の仕方を変えなければなりません。
ヴィニシウスとブラヒム・ディアスがサイドに張り、中央の選手が引き気味に構えると、ルベン・ディアスとマーク・グエイはチェックする対象を失い、ロドリの周辺にスペースが生じます。クルトワのパントで背後を取られ、バルベルデにちぎられて先制を許したニコ・オライリーは、2点めのシーンでも右サイドからボックス左に斬り込んだ8番を捕まえられませんでした。
「負けたから、いわれるのだろう。勝てば『おお、天才だ』となる。チームのセレクションについて『ペップは天才だ』と何度いわれたことか。こんなことに、時間を遣いたくない。ムダな時間はやめよう。なぜああいう選手を起用したのかを教えよう。脅威が必要なんだ。ゴール前に選手を送り込みたかった。ウインガーが攻め上がったとき、走り込んでくる選手が必要だった」
シェルキではなく、サヴィーニョを起用した理由について、「ニューカッスル戦のマン・オブ・ザ・マッチだったから」と説明したペップは、「最初の20分はうまくいっていた。他の選手たちでは、あの脅威を生み出せない」といっています。確かに序盤は、ジェレミー・ドクやニコ・オライリーの縦の突破が効果的で、触れば決まるチャンスもありました。
最近のプレミアリーグで4-1-3-2や4-2-2-2を多用するようになったペップが、人選を誤ったとは思いません。サヴィーニョはコンディション重視の抜擢で、右サイドにフサノフを配したのはヴィニシウス対策でしょう。ニコ・オライリーが左から攻め上がったときは、本職がCBのウズベギスタン代表が中に絞るといったカウンターへの対応も想定していたのだと思われます。
問題は「誰を先発させたか」ではなく、「どう対応したか」です。バルベルデにハットトリックを許し、ハーフタイムを3-0で迎えたアウェイチームは、シュートを3本しか打っていませんでした。オンターゲットは、6分のサヴィーニョのカットインからこぼれ球に先着したセメンヨの一撃だけで、先制されてからは打てるエリアに持ち込めなくなっていました。
ハーフタイムに講じた策は、サヴィーニョをレインダース。中盤のスペースを埋め、右サイドでセメンヨを活かすアイデアは納得できるものの、ハーランドが封じられてしまいました。意外性があるパスを出せるシェルキと、調子を上げているアイ・ヌーリが入ったのは70分になってから。82分にマルムシュと代わったエースはシュートゼロで、ボールタッチはわずか10回です。
ドンナルンマに倒されたヴィニシウスのPKが決まっていれば、マンチェスター・シティの希望は潰えていたでしょう。唯一の決定機は75分、自陣のボックス内でキープしたチアゴ・ピタルチの不用意なタッチにニコ・オライリーが足を出すと、枠に飛んだボールはクルトワが右足でセーブ。前半の3失点より、後半のノーゴールのほうが気になる一戦でした。
現地メディアのレポートや動画のコメント欄をチェックしてみると、「サヴィーニョの先発は謎」「シェルキの投入が遅い」「ペップの考えすぎが発動した」といった見方が多数派のようです。なるほど。マテウス・ヌネスやシェルキのベンチスタートに違和感を覚えた方が多かったのでしょう。私が気になったのは、戦術的な柔軟性がなく、攻めの打ち手が遅かったことです。
試合中にシステムをコロコロいじり、停滞を圧勝に変えていたバイエルン時代の残像が強烈で、早い時間にシェルキとマルムシュを突っ込むような采配を期待していたのですが…。プレミアリーグでも、引いてカウンターにシフトしたり、守備的な布陣でリードをキープしたりする采配が増えており、「ゲームをコントロールしようとする気概を失ったのでは?」と危惧しています。
2023年5月17日、チャンピオンズリーグ準決勝のセカンドレグ。マン・シティはエティハドにやってきたレアル・マドリードを4-0で粉砕しています。この試合で先発していたハーランド、ベルナルド・シウヴァ、ロドリ、ルベン・ディアス、ジョン・ストーンズは、勝てると信じているのではないでしょうか。ホームでの決戦が、ペップの将来も決めるような気がしてなりません。
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