【Bournemouth×Chelsea】両者とも決定機を活かせず、アザールの1発でチェルシーが辛勝!
エディ・ハウ監督の最大の誤算は、昨季プレミアリーグで16ゴールのジョシュア・キングと15ゴールのデフォーが彼らにふさわしい数字を残せていないことでしょう。キングが負傷したため、この日の前線はデフォーとアフォベですが、17分のチャンスはゴールが決められないボーンマスを象徴していました。スタニスラスから縦パスが出て、アフォベがアスピリクエタをかわした瞬間は2対1の形になっていたのですが、ここで打たずに左のダニエルズにパスという選択は弱気でした。有利にならないボールを受けたダニエルズがゴールライン際から折り返したときには、既に守備の人数は足りており、アフォベのボレーはブロックされてしまいました。
24分、今度は守備にミスが出ます。べゴヴィッチが古巣のエース・アザールに決めてくれといわんばかりのボールをプレゼントしてしまいました。ドリブルで進んだ10番が左にいたモラタに流し、エースがGKの目前でシュートを打った瞬間、チェルシーの先制を確信したのですが、ボールはポストの左を抜けてボーンマスは命拾いします。26分のセスクのCKは、バカヨコのヘッドがGKの正面。2分後のショートコーナーは、アザールのグラウンダーをボックスの外にいたダヴィド・ルイスがダイレクトで叩き、アスピリクエタがコースを変えるとベゴヴィッチがよく反応してセーブ。このボールがモラタの足元に入り、難なく右足で押し込みますが、アスピリクエタの位置がオフサイドとジャッジされます。ダヴィド・ルイスのシュートに飛び込んだサイモン・フランシスが伸ばした手にボールが当たっており、28番が飛び出したタイミングも別の試合なら旗は上がっていなかったかもしれません。
アンラッキーだったチェルシーは、34分にも決定機を創出。セスクの縦パスをアザールがモラタに落とすと、サイモン・フランシスを一発でかわしたスペイン人FWの切り返しは見事でした。前が空き、べゴヴィッチを抜けばゴールでしたが、渾身の一撃はGKが残した左足にヒットしてまたも入りません。チェルシーは、いいときよりも運動量が少なく、カンテとヴィクター・モーゼスが恋しくなる状態ではありましたが、一瞬の隙を見逃さない前の3人とセスクのパスはさすがです。0-0の折り返しではありましたが、ゲームの興味は「チェルシーがいつ決めるか」です。エディ・ハウ監督は、ハーフタイムにデフォーをジョーダン・アイブにスイッチしています。
その瞬間は、後半開始から5分でした。モラタが左に上げたボールに足を出したサイモン・フランシスは触れず、アザールを追いかけようと切り替えた矢先に痛恨のスリップ。クックが猛然と10番に詰め寄るも一歩及ばず、アザールの左足シュートがニアの狭いコースを抜けていきます。意外なことに、アザールはこれが今季プレミアリーグ初ゴール。先にゴールを奪われたボーンマスは、いよいよ苦しくなりました。
リヴァプール時代は、サイドを上下動するだけの単調なプレイに陥りがちだったジョーダン・アイブは、当時よりも中央でプレイするシーンが多く、よくやっていたと思います。57分にスタニスラスが左から仕掛け、パスをもらったジョーダン・アイブが中央から左足を振り抜いたシーンは、ボールを少しだけ抑えられれば同点でした。中盤で奮闘していたスタニスラスは63分にブーにチェンジ。74分にはアフォベがカラム・ウィルソンに代わります。クックが敵陣でバカヨコからボールを奪取した75分のショートカウンターが、ボーンマスにゴールの匂いを感じた最後のシーンでした。カラム・ウィルソンのパスが外に流れなければ、ジョーダン・アイブからクックにダイレクトでパスが出て決まっていたかもしれません。アイブがボールを追いかけた数秒が致命傷となり、ニアに入ったカラム・ウィルソンはシュートをカットされてしまいます。
コンテ監督は、バチュアイ、ドリンクウォーター、ウィリアンを次々と投入。83分にマルコス・アロンソが仕掛けたカウンターは、左のアザールがまわり込んできたセスクに落とし、4番が角度のないところから狙いますが、曲がり方はよかったものの高さが合わずクロスバーの上。アウェイのチェルシーはいくつかの決定機を逃したものの、シュートに精度を欠いたボーンマスを0-1で下してプレミアリーグ4位をキープしました。「こういう試合ではとどめを刺さないといけない。勝利にふさわしい内容でも、決められなければドローのリスクがある」と語ったコンテ監督は、内容はどうあれ勝ち点3というノルマを達成してローマ戦に向かえることをポジティブに捉えているでしょう。
ゴール数がプレミアリーグ19位のボーンマスは厳しい状況に追い込まれましたが、フィニッシュ以外はさほど悪くありません。昇格クラブや残留争いのライバルとの戦いが続くここからの6試合で、エディ・ハウらしいパスサッカーを見せていただければと思います。
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今期はCLもあり、バカヨコやアザールも負傷でプレシーズンを満足に過ごせなかった影響でコンディションの悪さが出てますね。ザッパコスタもタイミングの良い攻め上がりや守備で奮闘していたものの、まだプレミアリーグのリズムに慣れていないようです。マンチェスター勢と比べて層の薄さが目立ちます。
ドリンクウォーターが投入されてから気になったのはセスクの守備時でのポジショニング。守備の指示を出すのは良いのですが、バカヨコと連携が取れずに自ら動いてかわされるシーンが目立ちました。まるでモウリーニョ政権末期かと思うくらいのデジャビュです。ドリンクウォーターはその点危機察知が上手いと言いますか、攻撃時は深くから組み立てて守備時にはスペースを潰し、タックルのタイミングも見事でした。
コンテは対応力があり優れた指揮官ですが、アンパドゥがベンチ入りしている選手層では厳しいです。エイブラハムやチャロバを放出した強化担当には反省して欲しい試合でした。
今期はCLもあり、バカヨコやアザールも負傷でプレシーズンを満足に過ごせなかった影響でコンディションの悪さが出てますね。ザッパコスタもタイミングの良い攻め上がりや守備で奮闘していたものの、まだプレミアリーグのリズムに慣れていないようです。マンチェスター勢と比べて層の薄さが目立ちます。
ドリンクウォーターが投入されてから気になったのはセスクの守備時でのポジショニング。守備の指示を出すのは良いのですが、バカヨコと連携が取れずに自ら動いてかわされるシーンが目立ちました。まるでモウリーニョ政権末期かと思うくらいのデジャビュです。ドリンクウォーターはその点危機察知が上手いと言いますか、攻撃時は深くから組み立てて守備時にはスペースを潰し、タックルのタイミングも見事でした。
コンテは対応力があり優れた指揮官ですが、アンパドゥがベンチ入りしている選手層では厳しいです。エイブラハムやチャロバを放出した強化担当には反省して欲しい試合でした。
ボアスさん>
セスクとバカヨコが並ぶと不安ですね。カンテとマティッチは素晴らしいコンビだとあらためて思いました(カンテ&ドリンクウォーター・ロンドン版も見てみたいのですが)。若手については、チャロバーとロフタス=チークがもったいなかったです。バカヨコを獲らず、すなわちマティッチが出ていくことなく、若手の下からの突き上げで選手層を厚くする「ポチェッティーノ式」でもよかったのではないかと思います。