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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Saints×Burnley】こんなスタッツでなぜ5勝!?不思議クラブ・バーンリーが敵地でセインツに怪勝!

今季のプレミアリーグは、上位クラブと中堅クラブの格差が広がっている印象です。ルカクとマティッチで弱点を埋めたマンチェスター・ユナイテッド、高齢化が進んでいたサイドを刷新したマンチェスター・シティ、ダヴィンソン・サンチェスとセルジュ・オーリエ、ジョレンテと移籍市場最終盤に極上の補強を実現したトッテナムが確実に戦力UP。前線は強化しながら守備はロバートソンのみに留まったリヴァプール、ラカゼット&コラシナツはよかったもののチェンバレン、ガブリエウなど重要なポジションの選手を放出したアーセナル、CB以外は補強というより入れ替えの感があるチェルシーの3クラブは、課題は残しながらも新戦力は持てる力を発揮し始めています。プレミアリーグ勢がチャンピオンズリーグで好調なのは、積み上げ補強に成功したTOP3が全体のレベルを底上げしている面が大きいのではないでしょうか。これに対して、近年ヨーロッパリーグ出場権を獲得した中堅クラブが停滞しており、11月になっても浮上のきっかけをつかめずにいます。

大型補強に打って出たものの、シグルズソンやクラーセンなどの有望株のインストールがうまくできなかったエヴァートンは、プレミアリーグ18位に沈んでクーマン監督が解任。一昨年は素晴らしかったウェストハムは17位で、復活の兆しが感じられません。コルテーゼ会長&ポチェッティーノ監督時代には欧州の常連をめざしていたはずのサウサンプトンは、完全に中位のクラブとなってしまいました。代わって上位で健闘しているのは、ワトフォードとバーンリー。昨日、ランチタイムキックオフのストークVSレスターで速攻合戦を堪能した後、次の観戦カードにサウサンプトンVSバーンリーを選びました。フォースター、セドリク・ソアレス、ファン・ダイク、吉田麻也、バートランド、ロメウ、スティーブン・デイヴィス、タディッチ、ブファル、レドモンド、ガッビアディーニ。ベストメンバーを揃えたセインツに、アウェイのバーンリーがどう立ち向かうのかを観たかったからです。

バーンリーのスタッツを見ると、これでどうやって上位に留まっているのかと驚かされます。ポゼッションとパス成功率はいずれもプレミアリーグ18位、オンターゲットは19位と1発狙いの攻撃は降格クラブレベル。守備はいいのかと思えば、1試合あたりのタックル数は18位でファール数は19位、被シュート数はプレミアリーグTOP。GKのセーブ数、クリア本数、ブロックの総数がすべて1位で「当たりにいかずにシュートを打たれた後で対応している」チームであることがわかります。このスタッツで4勝4分2敗とは…。開幕戦でチェルシーを2-3で倒し、その後の勝利もすべて1点差の勝負強いチームは、セインツ戦でもいつもどおりセーフティに試合を始めています。

CBのタルコフスキーとベン・ミーは、ブロック数もクリア数もプレミアリーグ2位と3位。シュートを打たれる際に体を張ってコースに入る彼らの献身的なプレイが、10試合で9失点のチームの守備を支えています。ロートン、ワードを含む4バックは全試合出場で、ワードが9分ピッチを離れただけで3人はフルタイム出場。ショーン・ダイチェ監督は徹底的にレギュラー固定で戦っており、今季プレミアリーグで走行距離がNo.1のジャック・コーク、ロビー・ブレイディ、デフールを入れた7人がすべての試合で先発出場です。セインツに押されていたバーンリーは、明らかに右SBのロートンが穴になっています。逆サイドからファーを狙うクロスや縦パスを再三通され、ブファルやレドモンドにきわどいシュートを打たれますが、ヒートンの留守を預かるポープが必死のセービングでゼロに抑えています。

バーンリーサポーター目線で試合を観たのは初めてですが、ペップのスタイルを見慣れたシティズンなら、退屈で熟睡するか攻められ続けるプレッシャーに耐えきれずに失神するか、とにかく別世界を味わえるのは間違いありません。前半は0-0、バーンリーのシュートは3本でオンターゲットはゼロ。これでも試合展開はショーン・ダイチェの思惑通りでしょう。チャーリー・オースティン、シェーン・ロング、ウォード=プラウズをベンチに置いたペジェグリーノ監督は、どこでカードを切ってくるでしょうか。

後半は、一方的にセインツが攻めています。56分にファン・ダイクが競ったボールを拾い、戻りながら左足を振り抜いた吉田麻也のボレーはポープが上に弾き出すビッグセーブ。これが決まっていれば、セインツの快勝だったかもしれません。65分、セインツはガッビアディーニが下がってチャーリー・オースティン、バーンリーは2枚代えでサム・ヴォークスとアシュリー・バーンズが登場します。68分のバーンリーのカウンターは、吉田麻也が右からのクロスに足を出してチームを救いました。スティーブン・デイヴィスの素晴らしいミドルシュートがきわどく枠を越えた直後の81分、勝負を決するヘディングシュートがフォースターのゴールに吸い込まれます。グドムンドソンのクロスに競り勝ったのは、ダイチェ采配的中のサム・ヴォークス。先に触れずピッチを叩いて悔しがっているのは、ここまで完璧に守っていた吉田麻也でした。

やがてタイムアップ、大ブーイングのセント・メアリーズ。タルコフスキーとベン・ミーは、彼らの持ち場で打たれたすべてのシュートに反応し、GKポープにダイビングさせずにやり過ごしていました。11試合で5勝を挙げ、たった2つしか負けていないバーンリーは、リヴァプールと同勝ち点のプレミアリーグ7位です。昨季はアウェイでからきしでしたが、今季は3勝2分1敗。この勢いは、どこまで続くのでしょうか。11月は、スウォンジー、アーセナル、ボーンマス。ヴェンゲル監督のチームは、シュートを打たせてくれるのに失点が9しかないチームを決して侮ってはいけません。

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