コートジボアール敗退、デンマークピンチ…プレミアリーグ目線のワールドカップ予選見聞録!
コートジボアールに親近感を抱き、肩入れするのは、以前からプレミアリーグで活躍する選手が多かったからです。チェルシーのレジェンド、ディディエ・ドログバとヤヤ・トゥレ&コロ・トゥレ。モロッコ戦のメンバーでも、クリスタル・パレスのザハ、パリからトッテナムに移籍したセルジュ・オーリエ、スウォンジーに復帰したウィルフリード・ボニー、ボーンマスからトゥールーズにレンタルされたマックス・グラデルが先発出場。ジェルヴィーニョとセイドゥ・ドゥンビアも、プレミアリーグでプレイしていた選手です。ベンチにいたサロモン・カルーを見つければ、「懐かしい!」と叫ぶ人も多いのではないでしょうか。2006年から6年間、チェルシーに所属したMFは、プレミアリーグ156試合36ゴールという記録を残しています。
16分にラインの裏に抜けたジェルヴィーニョのシュートが決まっていれば、勝敗は逆になっていたかもしれません。25分にディラルが右から入れたクロスがそのままゴールに吸い込まれると、モロッコの実況は泣き叫ぶような声で「ゴーーーール!」を連呼し、コートジボアールの放送は「アー!」と絶叫。30分のCKに合わせたハーフボレーがネットに突き刺さると、「ベナティア!」「ベナティア!」と繰り返すモロッコに対して、コートジボアールからは最初の失点と同じような嘆きの叫びが聞こえてきます。これで大勢は決しました。決定機はモロッコのほうが多く、コートジボアールにゴールを決める気配はありませんでした。ワールドカップ出場を決めたのは、ワトフォードのアムラバトとセインツのブファルがいる国でした。
この試合の後、欧州ではプレーオフでデンマークとアイルランドが激突しました。プレミアリーグが好きだからというより、天才エリクセンに惚れ込んでいるからデンマークに勝ってほしかったのですが、こちらもスコアレスドローという苦い結果に終わりました。アイルランド代表は、実はウェールズや北アイルランドよりもイングランドのクラブの選手比率が高く、他国のクラブでプレイしているのはセルティックのジョナサン・ヘイズのみ。とはいえプレミアリーグ所属の先発メンバーとなると、ヘンドリックとロビー・ブレイディ、ウォードのバーンリートリオ、ボーンマスのアーターで、エリクセン&シュマイケルに対して圧倒的に(いい選手ながら)地味です。セインツのシェーン・ロングはベンチ。序盤から押していたのは、ホームのデンマークでした。
11分に後方からのロングフィードを受けたラーセンがボレー、ボロに移籍したランドルフがこれを弾くと、こぼれ球を叩いたコルネリウスの一撃もGKがセーブ。22分にエリクセンが左足で狙ったロングシュートはランドルフの正面です。エリクセンは、32分にも相手のミスパスを拾って無回転のミドルシュートを放ちますが、これもランドルフに止められ、こぼれ球に走り込んだシストのコントロールショットはわずかに右に外れます。43分にSBのクリスティが右サイドから単独突破を図り、シュマイケルと1対1になるも守護神が体を張ってセーブ。序盤のチャンスを活かせなかったデンマークはアイルランドの堅守を崩せず、遠めからのシュートに終始します。
終了間際にラーセンが左サイドから仕掛け、切り返してクロスを上げると、途中出場のポウルセンのヘディングシュートは決定的でしたが、コースがやや甘くランドルフにセーブされてしまいました。72分に入ったベントナー男爵は何もできず。ホームで引き分けたデンマークは、ダブリンでのセカンドレグでは何としてもアウェイゴールを決めなければなりません。
アフリカが決まり、出場決定国は26。残すところは11月12日~14日の欧州プレーオフと、オーストラリアとペルーがアウェイゲームを0-0に持ち込んだ大陸間プレーオフのみとなります。この2国とクロアチアは当確で、残り3つを予想すればスイス、イタリア、アイルランドです。北アイルランドとデンマークにはがんばってほしいのですが…。2年8ヵ月に渡って激戦が繰り広げられたワールドカップ予選も、いよいよあと4日です。
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