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「キャリックにはコーチングスタッフの椅子を用意している」モウリーニョ監督の言葉に涙…!

Jose Mourinho says Michael Carrick can join Manchester United coaching staff when he retires(ジョゼ・モウリーニョが、マイケル・キャリックが引退したらマンチェスター・ユナイテッドのコーチングスタッフに加われると発言」。いやー、寂しいというかひたすら感謝というか、こういう記事を読むと複雑な気分に支配されます。この見出しは「スカイスポーツ」ですが、「テレグラフ」など多くの現地紙がモウリーニョ監督のコメントを伝えています。公式戦702試合出場、プレミアリーグ479試合出場の36歳MFマイケル・キャリックのキャリアは、残すところ半年まできているようです。

昨季は公式戦38試合出場、プレミアリーグでも23試合で中盤の底を抑えてくれたキャリックは、今季の出番はカラバオカップ3回戦のバートン・アルビオン戦のみ。足の負傷が癒えないのかと思いきや、欠場の理由は不整脈でした。9月の試合の後、違和感を覚えたキャリックは、心臓アブレーションという手術に踏み切りました。予後の緻密なチェックを受けながら回復をめざす日々は終わり、現在はトレーニングを始めています。2006年の夏にマンチェスター・ユナイテッドに移籍してから、あっという間に12年め。プレミアリーグ優勝5回、FAカップ1回、リーグカップ2回と国内タイトルをすべて獲得し、チャンピオンズリーグとクラブワールドカップも制覇したレジェンドは、元気なら今もチームに必要な選手ですが、戦い続けてきた身体はキャリアの終わりに近づいているのかもしれません。ジョゼ・モウリーニョ監督は、キャリックが現役を続けたいと考えていることを理解しつつ、引退を選んだとしてもコーチングスタッフとしてクラブに残ってほしいと発言しました。

「選手としてのマイケルより、人間としてのマイケルが大事だ。われわれは彼に、リラックスしながら回復して、自信を取り戻す時間を与えた。プレイを続けるのか辞めるのかを考えながら休む時間を。彼が望めば、私のコーチングスタッフが椅子を用意しているのはマイケル自身もわかっている。しかし彼は、シーズンが終わるまでは選手でいることを望んでいる。今は復帰への自信を感じており、トレーニングにも戻っているけどね。彼の未来はわれわれのオフィスにある。私も、経営陣も、オーナーもそう期待している」(ジョゼ・モウリーニョ)

マイケル・キャリックの名前や姿を思い浮かべたとき、最初にイメージするのはどんなプレイでしょうか。一瞬空いたスペースに突き刺さる高速の縦パスか、あるいは相手のアタックを丹念に摘み取るクレバーなディフェンスか。あまり知られておりませんが、キャリックが誇る最も偉大な記録は、「パス本数がプレミアリーグ歴代2位」ではないかと思います。ウェストハム、トッテナム、マンチェスター・ユナイテッドで出し続けたパスは18879本。1位はエヴァートンからWBAに移籍して今もチームの中心にいるギャレス・バリー。3位にセスク、4位ヤヤ・トゥレ、5位スティーブン・ジェラードとランキングの上位は錚々たる顔ぶれです。インターセプト581本も歴代5位で、MFとしてはやはりギャレス・バリーの641本に次ぐ2位。プレミアリーグ640試合出場で歴代1位のギャレス・バリーよりも150試合以上も出番が少なかったキャリックが、セントラルMFとして重要なカテゴリーでトップに迫っているのを見ると、マンチェスター・ユナイテッドにとってどれだけ大事な存在だったかとあらためて感じます。

私は、マンチェスター・ユナイテッドを30年以上追いかけてまいりましたが、今のチームは史上最高レベルで大好きです。「ライオンは人間のようには回復しないものだ」といいながら予定よりも1ヵ月半も早く戻ってきたゴッドを筆頭に、稀代のプレーメイカーのポール・ポグバ、ゴールを重ねるたびに両手を広げて天を仰ぐ馬車馬ルカク、容赦ないヘディングでチームの窮地を救ってきた雑草フェライニ、勢いに乗るとドリブルが止まらないマルシアル、勢いを失ってもいいヤツキャラが止まらないファン・マタ、若き天才ラシュフォード、獅子奮迅マティッチ、超絶守護神デ・ヘアとキャラ立ちまくりのスカッド。何しろ明るく、ロボットやAIを連想させるハイクオリティなペップのチームよりもマンガ的です。そんななかで、サー・アレックス・ファーガソンの黄金時代に漂っていた異質な空気を知るキャリックやバレンシアには、力が続く限りがんばっていただき、クラブのプライドを次世代に継承していただきたいと思っております。ただし、決して無理はなさらぬよう。

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“「キャリックにはコーチングスタッフの椅子を用意している」モウリーニョ監督の言葉に涙…!” への4件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    キャリックの動向は気になりますね。元来この手の話には心が動かされます。たとえライバルチームの選手だとしてもです。監督やチームが個人に対してのリスペクトを忘れない態度は良いですね。
    しかし、ユナイテッドのスカッドが脅威すぎて、、、。

  2. makoto より:

    Mackiさん>
    年末から、彼が必要になるときがくると思ってます。最後の1年になりそうなので、これぞキャリックという試合があればいいなと思います。

  3. Scholes より:

    私がキャリックでイメージするプレーは、ゴール隅に転がるグラウンダーシュートですね。まさに「シュートはゴールへの縦パスだ」と言わんばかりのあのシュートは、普段シュートを打つ機会が少ない選手だからこそ、印象に残りました。
    モウリーニョ監督のこの発言はとても心温ますね。キャリックが今後どのようなキャリアを目指しているのかはわかりませんが、案外ギグスやスコールズよりも先にユナイテッドの監督になる日が来るのかもしれません。

  4. makoto より:

    Scholesさん>
    キャリックのシュートは爽快ですよね。あるかもしれませんね、マン・ユナイテッドの監督。

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