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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

「そりゃないぜ!」と思わず叫んでしまった「ルカク3試合出場停止の可能性」…結果はセーフ!

バーンリーに苦しめられたアーセナルは、92分にゲットしたPKをアレクシス・サンチェスが蹴り込んで勝ち点3。ハダースフィールドにリードされてハーフタイムを迎えたマンチェスター・シティは、後半のキックオフからたった2分でスターリングがボックス内で転倒し、アグエロがGKの動きを見極めて同点に追いつきました。プレミアリーグ13節の勝負を左右した2つのPKについて、勝ったほうの指揮官たちは、いつもどおりジャッジは正しかったと主張しています。

彼らが「あれはPKだ」とわざわざコメントしたのは、「ジャッジは妥当か」「厳しすぎるのでは?」と記者たちが目をつけたからでしょう。ラムジーとタルコフスキがもつれて一緒に転倒した映像は、敗者目線に立てば「ボールに関係ないシーンでの軽い接触」だったといいたくなるもので、スターリングはホイッスルの1分前にもGKレッスルと絡んだ直後に両手を挙げてアピールしており、もらう気満々だったという見方もできます。いや、メディアの尻馬に乗って「あれはおかしい」という気は毛頭ございません。レフェリーが吹いたらPK。試合中にそれを覆す力学もその理由もなし。私は常にそう割り切っています。ここでいいたいのは、微妙なPKの正当性を巡る議論は、ポジショントークになりがちだということだけです。ペップとガナーズのボスの言葉を拾ってみましょう。

「たぶんアーセンでもPKというだろう。あの場面はこれ以上ないぐらい明白なPKだった(ペップ・グアルディオラ)
「外から見ている限りでは、100%PKだった。タルコウスキーがラムジーの背中をなぜ押したのかはわからないが、PKにしか見えなかった」(アーセン・ヴェンゲル)

おやおや、ペップはプレミアリーグ11節の試合後会見におけるヴェンゲル発言を未だ根にもっているようですが、「スターリングはダイブがうまい」などと自軍の選手に文句をつけられれば、後に引けない気持ちはわかります。このようなライバルクラブの話なら、「いやいや、お互い落ち着きましょうよ」と余裕で語れる私も、「デイリー・ミラー」の記事には「そりゃないぜ!」と叫んでしまいました。記事が問題にしていたのは、プレミアリーグ13節のブライトンVSマンチェスター・ユナイテッドにおける幸運な決勝ゴールの直前のシーンです。映像で振り返ると、ガエタン・ポングとポジションを主張し合ったロメウ・ルカクは確かに2回ほど後ろに足を蹴り上げており、意図的にDFを威嚇したように見えます。

これについてイギリスメディアは、26日には「ルカクの行為に対してFAが審議し、3試合出場停止という処分を下す可能性がある」と報じていました。裁定が悪いほうに出れば、ルカクはプレミアリーグのアーセナル戦とマンチェスターダービーを失うことになり、モウリーニョ監督はラシュフォードやズラタンに代役を託すしかなくなります。いや、ちょっと待ってください。この話には、2つ確認したいことがあります。ひとつは「ルカクが蹴ろうとしただけで未遂ならば、処分されないですよね?」。そしてもうひとつは「試合中にレフェリーが見ていれば、一発レッドだったからこそ処分云々という話になっているのですよね?」。特に後者については、試合中に見つかればイエローで済んだことが、後にレフェリーの誤審もしくは見逃しと判定されて厳罰となると、「レフェリングミスのペナルティを選手に被せる」ことになりかねません。

昨季、ズラタンがヘッドバットを咎められて出場停止を喰らった際は、レッドをもらっていた可能性があったので納得していたのですが、今回は(ほめられた行為ではないものの)接触は軽微だったように見えたので、結末が非常に気になりました。今季からプレミアリーグはダイブ撲滅のためにルールを厳しくしており、先週はエヴァートンのニアッセが「試合後のビデオチェックによる出場停止2試合」の最初の適用者となりました。こちらも、本来は試合中と試合後でペナルティが違うということは避けるべきで「ダイブは試合中でも試合後でも一律2試合出場停止」としたほうがルールとしてはきれいだと思います。ただし、「試合中に非紳士的な行為を見逃されてPKをもらったチームに対して、再試合や勝ち点剥奪といったところまでは踏み込めないので、選手を出場停止とすることで一定のマイナスを与え、これを抑止力とする」という考え方については納得しています。問題は、こういった試合後の映像チェックによるペナルティについては、その対象を限定しないとおかしなことになるということです。ルカクはどうなるのか…昨日はずっと心配していたのですが、結論が出ました。

「元レフェリーのパネラー3人の見解が一致せず、お咎めなし」。いやー、危なかった。プレミアリーグ13試合8ゴールのエースに対しては、2度とやらないでくださいと申し上げつつ、今後の試合後映像チェックに関しては、必要以上の出場停止頻発でプレミアリーグのおもしろさが削がれることがないように祈っております。もとい、すみません。マンチェスター・ユナイテッドの選手が被告席にいたので声が大きくなったことは、認めます。マンチェスターダービーにエースがいないという事態を回避できてよかったです。天王山の戦いは、両者ベストメンバーの最高のゲームとなることを期待しています。(ロメウ・ルカク 写真著作者/Дмитрий Голубович)

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“「そりゃないぜ!」と思わず叫んでしまった「ルカク3試合出場停止の可能性」…結果はセーフ!” への4件のフィードバック

  1. より:

    贔屓のチームが誤審の所為で損害を被れば愚痴々々と文句を垂れ、得をすれば正当化して都合の悪い所は見て見ぬ振り。
    どこのファンも、選手や監督ですら、万国同じようなものですね。

  2. makoto より:

    !さん>
    おっしゃるとおりです。私も含めて、ネガティブなことがあると、エゴイスティックになりガラが悪くなり…となりがちです。それが勝負ごとの宿命なのかもしれませんが、この!さんとのコミュニケーションも含めて、多くの方々とプレミアリーグについて語る際には、楽しい会話をしたいと思ってます。愚痴は、それを吐くことが許される近しい人との居酒屋トークに押し込んで。

  3. シャーザー より:

    監督も選手もファンもダブルスタンダードな人間ばかりですからね
    サッカーはおろかスポーツだけに限らない話だと思いますが

  4. makoto より:

    シャーザーさん>
    ファンとしては、「遊びの世界ぐらいは勝手なこといわせてよ」という気分はあるのではないでしょうか。他者への誹謗中傷さえなければ、多少の無責任、かわいい一喜一憂はありかなと思います。

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