【Chelsea×Swansea】指揮官退席でも盤石チェルシー、指揮官の首が危ない貧攻スウォンジー!
8分にはマルコス・アロンソとペドロで左サイドを完全に崩し、10分には左サイドから右足で曲げたウィリアンのFKがファーポストすれすれを抜けていきました。18分にはクリアを拾ったペドロがボックス右で切り返しを入れてニアへシュート。運動量、キック力、テクニックのすべてを兼ね揃えたウィリアンと、ストライカーとウイングの仕事を両方こなせるペドロの存在感は、アザールがいないとより際立ちます。サイドを蹂躙していたチェルシーに足りないのは、フィニッシュが枠に収まらないことだけでした。
20分にボレーを放ったマルコス・アロンソがノートンと接触して倒れ込み、サポーターに動揺が広がります。ケネディやラーマン・ババが伸び悩んでるこのチームで彼がリタイアすれば、泣く泣くアスピリクエタを左にまわすことになります。CKをバックヘッドで狙ったモラタはポストの外に逸らし、ウィリアンの落としを受けて中央から右隅に打ったペドロのシュートはファビアンスキがセーブ。25分にレナト・サンチェスがマルコス・アロンソを倒したように見えたシーンは、レフェリーに対するコンテ監督の不満を募らせたかもしれません。レナト・サンチェスは攻守ともに集中力を欠いたプレイが目立ち、あれだけミスが続けば後半からフェルに代えられても仕方がありません。
コンテ監督がスタンド行きを命じられたのは、42分でした。「スウォンジーが時間稼ぎをしているように見えたので、何度か第4審判に話したけど何も変わらなかった」と試合後に語ったイタリア人指揮官は、ここぞという場面で采配を揮えないつらい45分を過ごすことになりました。後半も押していたチェルシーは、55分にようやく先制点を奪います。ショートコーナーを受けた右サイドのウィリアンがニアのカンテに出すと、強烈なミドルシュートがウィルフリード・ボニーにヒット。左に流れたボールに素早く反応したリュディガーがヘディングで叩きつけると、ここまで耐えていたファビアンスキもクリアできず。勝負は、これで決しました。ジョレンテがスパーズに去り、プレミアリーグ13試合4ゴールとひとり気を吐いていたアブラハムまで欠いたチームが、同点に追いつけるとは思えませんでした。
65分にマルコス・アロンソの浮き球を受けたモラタがトラップ1発でモーソンを抜きますが、ボックス左からのシュートはバーの上。打つ直前はフリーだった9番が枠を外したのは、追いついた6番に肩をつかまれて体勢を崩したからでしょう。75分、ザッパコスタに代わってヴィクター・モーゼス。頼れるWBの登場に、スタンフォードブリッジは大歓声です。81分にはペドロとウィリアンが下がり、ドリンクウォーターとアザールがピッチへ。セスクとのコンビで左サイドを崩した10番のラストパスは味方に届かず、右からのセスクのグラウンダーもスライディングしたモラタが触れません。5-0でもおかしくなかった試合は、昨季プレミアリーグ王者の1-0辛勝で幕を閉じました。
プレミアリーグの直近6試合を5勝1分と調子を取り戻したチェルシーは、TOP6との直接対決をすべて終えているのが強みです。楽な相手が続く年末を無敗で走り抜けられれば、つぶし合いを残しているマンチェスター勢に近づけるのではないでしょうか。クリステンセンとリュディガーという素晴らしいタレントを加えた守備は、10月末からの5試合ではサラーにしかやられていません。さすがはディフェンディングチャンピオン。「私が間違っていた」と反省しきりだったコンテ監督は、おとなしくベンチに座っていても問題ないと思います。片やスウォンジーは、プレミアリーグ最少の7ゴールしか決めていない貧攻を何とかしなければなりません。ポール・クレメント監督は、ボクシングデーまで持つでしょうか。今季は実績ある監督が5人も無職となっており、そのうちの誰かがスワンズで復活というサプライズも絶対にないとはいい切れません。(アントニオ・コンテ 写真著作者/Clément Bucco-Lechat)
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