ギョケレスは売るべきか?アルテタの9番の理想像と、不振のストライカーの今後を考える。
昨シーズンのギョケレスは公式戦55試合21ゴール3アシスト、プレミアリーグは36試合14ゴール1アシスト。ストライカーとして突出した数字ではありませんが、「アルテタの9番」というフィルターを通すと、最高のゴールゲッターです。アーセナルの最後のリーグ戦20発はオーバメヤンですが、2019-20シーズンの半分はウナイ・エメリとリュングベリが指揮を執っていました。
アルテタがフルシーズンの指揮官となった2020-21シーズン以降、ガナーズのストライカーがどれほど決めたのかをチェックしてみましょう。プレミアリーグで8位に終わった最初のシーズンは、ラカゼットがリーグで13ゴール、オーバメヤンとニコラ・ペペが10ゴール。ギョケレスが加わるまでは、オリンピック・リヨンから来たベテランFWが得点王でした。
スパーズに2ポイント差でTOP4を逃した2021-22シーズンは、キャプテンマークを剥奪されたオーバメヤンが冬に退団となっており、ストライカーは全滅でした。ラカゼットは5ゴール、オーバメヤンとエンケティアは4ゴール。得点源はサカとスミス・ロウで、3人のストライカーはガブリエウ・マガリャンイスの5ゴールを超えられずに終わっています。
マン・シティに逆転されて2位だった2022-23シーズンは、ウーデゴーアとマルティネッリが15発で、サカが14発。ガブリエウ・ジェズスの11発はまずまずの数字ですが、彼の存在はアルテタ監督のエースの理想像を変えてしまったのかもしれません。マン・シティでともに戦った9番が見せた巧みなプレスとボール奪取は、その後のストライカーの必須条件となったようです。
2023-24シーズンにチェルシーから来たカイ・ハヴェルツは、最前線にコンバートされた2月以降に11試合8ゴール7アシストとブレイクし、シーズントータルで13ゴール。負傷者続出でリヴァプールにトロフィーをさらわれた2024-25シーズンは、カイ・ハヴェルツの9ゴールが最多でした。公式戦トータルで20発以上は、2023-24シーズンのサカと昨シーズンのギョケレスだけです。
チェルシーのジョアン・ペドロは自ら持ち込んで決めるシーンが多く、ペップが意図的に引く展開が増えたマン・シティも、ハーランドがラインの裏を取るダイレクトアタックがアプローチのひとつとなっていました。シェシュコとリシャルリソンは、終盤になるとハイボールを集めてもらえます。エキティケとイサクも、ラインブレーカーとして秀逸なタレントといえるでしょう。
ギョケレスもまた、CBの裏のスペースに飛び出すのが得意なストライカーですが、ダヴィド・ラヤからできるだけ遠いエリアでボールを回収しようとするアルテタ戦術のなかでは、カウンターで仕留める絶好のチャンスは限られています。ヘッダーが得意なら、カイ・ハヴェルツやミケル・メリノのように終盤のクロスを活かせるのですが、ギョケレスの強みは二次元です。
アルテタの9番は、前線でのスピーディーなプレスと左右に流れてサポートする動きも求められます。今季プレミアリーグの走行距離ランキングを見ると、56.4kmのカイ・ハヴェルツはストライカーのなかではぶっちぎりのTOP!2位のイゴール・チアゴを5.4kmも引き離しています。移籍初年度のギョケレスも、必死のチェイシングを高く評価されていました。
つまり、こういうことです。アルテタの理想の9番は、実はカイ・ハヴェルツなのではないか?ミケル・メリノがぴったりはまるのは、デュエルと空中戦の強さや、狭いスペースを苦にしないパスワークがアルテタ仕様だからではないか?ほしいタイミングでパスをもらえないギョケレスを見切るのは得策ではなく、周囲がトリセツを読み返すのが最高の解決策なのではないか?
アーセナルが絶対やってはいけないのは、アストン・ヴィラやブライトンのようなチームにギョケレスを移籍させることです。直線的なアタックを武器のひとつとするエメリのチームに加わったら、とてつもない数字を残すかもしれません。目先の不振に囚われず、いずれ爆発すると期待しましょう。ネーションズリーグのルーマニア戦では、決勝ゴールをゲットしています。
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