「僕は永遠に…」忘れ得ぬトマシュ・ロシツキがアーセナルに捧げる最後の言葉。
かつて彼のボスは、「If you love football, you love Rosicky.(フットボールを愛しているなら、ロシツキを愛するはずだ)」という美しい言葉で類まれなるタレントをリスペクトしました。このたび現役引退を発表したトマシュ・ロシツキのメッセージも、アーセン・ヴェンゲルに負けず劣らず粋な言葉です。2006年から10年過ごしたアーセナルでは、幾度となく負傷に苦しみながらも公式戦248試合出場29ゴール。プレミアリーグに別れを告げたときは101だったチェコ代表のキャップは、105まで伸びました。古巣のスパルタ・プラハに戻ったロシツキはアキレス腱痛に悩まされ、最初のシーズンの出場時間はたった19分。手術が成功して新シーズンから復帰すると、9月10日のカルヴィナ戦でスパルタ・プラハの選手としては17年ぶりとなるゴールを決めました。
「スパルタ・プラハでチャンピオンズリーグに出場する」という夢を抱いて戦い続けていた37歳のMFの身体は、限界だったようです。「プロサッカー選手として必要なコンディションを万全に整えられないとわかった。ビッグクラブに続く最初のキャリアのステップとなり、育ててくれたスパルタ・プラハに感謝したい。最も愛する場所で、さよならをいえる機会を与えてくれたことにも」。最初のクラブに謝意を述べた後、18年のプロフットボール選手としてのキャリアで最も長い時間を過ごしたアーセナルに対しては、こんなメッセージを残しています。
「 最後となるこの機会に、アーセナル・フットボールクラブのみなさんにも感謝の意を表したいと思います。 素晴らしいクラブでした。アーセナルのためにプレイするのをいつも名誉に感じていました。ファンのみなさんとは、特別な関係を築けていました。 彼らは私があのシャツのためプレイしていることをわかってくれていました」
シャツのために、サポーターのために。このスピリッツを持つ選手がいなくなったことが、最近のプレミアリーグにおけるアーセナルの脆弱さにつながっているのではないでしょうか。左サイドからゴールに向かうクロス、縦に鋭く走るスルーパス、そしてノースロンドンダービーでの見事なシュート。数々の美しいシーンが思い浮かびますが、ボールを奪われるとすぐに追いかけて取り返そうとする姿こそが、ロシツキの本質だったのかもしれません。時に勢い余って相手を倒してしまうキレのあるスライディングは、クラブのサポーターでなくてもガッツポーズをしてしまいそうになる爽快な瞬間でした。
「We’ll all miss having you on the pitch, Little Mozart(リトル・モーツァルト、われわれはみんな、あなたがピッチにいた頃を懐かしく思う)」(Arsenal FC Twitter)
いつも3位か4位だったけれど、ビッグネームを獲得できないままにセスクやファン・ペルシがクラブを去る厳しい季節だったけれど、あの頃のアーセナルは「次こそはプレミアリーグを獲る」という希望に満ちていました。プレミアリーグを制してはいたものの、軍隊式でごつごつしていたマンチェスター・ユナイテッドのサポーターとして、明るくてインテリジェンス溢れるアーセナルのチームカラーをいつもうらやましいと思っていました。ロシツキは、そんな時代の象徴だったのだと思います。今は、主力に移籍の噂が絶えない不安な時期を過ごしていますが、もう一度あのスマートさとポジティブなマインドを取り戻していただき、プレミアリーグで最も美しいクラブとして優勝争いに君臨していただければと願っています。
本当のお別れの時がやってきました。われわれは、それを受け入れなくてはならないようです。ありがとう、ロシツキ。FAカップを2度制したあなたのチームを、決して忘れることはありません。(トマシュ・ロシツキ 写真著作者/joshjdss)
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ロシツキーの言葉もベンゲルの言葉も管理人さんの言葉も、素晴らしいですね 常にリスペクトの気持ちを持ちたいものです ブルーズとしては、当然アーセナルなんて!という気持ちでチェルシーを応援しますが、そのプレースタイル、哲学、強固なサポーター意識など、やはり何というか、あまり意識したくはありませんが憧れる部分が私の中ではあるんですよね
あまり強くなられては困るのですが、一プレミアファンとしてはイングランドを代表するチームの復権を願うところもあります
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最近の中では最も寂しいニュースでした。
未だに、弛緩した後半戦などでは「ああ、今ロシツキーがベンチにいてくれたら」と思ってしまいます。
ガラスの天才ウィルシャーが「残留を希望している」とコメントをくれたばかりですが、アーセナルはこの数年ずっと「チームために戦う、チームの象徴」を失っているというのは、まさにおっしゃる通りだと思います。
アーセナルは美しさを求め続けることを是とするのか。
金銭的(現実的)マッチョイズムを柔軟に取り入れ、タイトルを絶対命題として目指すことが是なのか。
ファンである身としてもまだ心の整理はついておりませんが、ロシツキーが引退という報道を聞くと、どうしても「アーセナルの【何か】が終わってしまうのかも知れない」と考えさせられてしまいます。
(ベルカンプがアヤックスを追い出されたという報道なんかも、何か不安な気持ちにさせられます)
とにかく今は、ロシツキーに感謝をすることと、今のチームを応援することしか出来ないのですが。
プレミアリーグにおいて、アーセナルと似て否なる「クラシックな匂いのする」リバプール戦までもう少しですね。
理想的なチャレンジャーたりえた柱の1人だったと思います。何というか華があるというか、順位が全てでは無いと言っても説得力があるというか、ポテンシャルとロマンで客を満足させられる時代、試合には彼の名前があったと思います。上手くて賢い選手がよく走る。サッカーの基本だなぁと。お疲れ様でした。
ロシツキーのグーナーへ向けた言葉、本当に格好いいですね。ガナーズ時代は怪我との戦いでしたが、彼がピッチに入るだけで、チームのケミストリーが高まり、ピッチでいくつもの化学反応が生まれているのを感じワクワクしました。彼の後のメンバーで同様の効果を感じたのはアルテタが最後ですね。かなり寂しい気がします。
アルテタがベンゲルさんの後継者との噂が出ていましたが、アルテタやロシツキーこそ、ガナーズのよきDNAをもった指導者になれると思っています。とにかく、今はお疲れ様、そして素晴らしいガナーズ時代の思い出をありがとうと言いたいです。
来年こそは・・・本当にそのとおりです。
もはや今は4位に入れるかどうかをやきもき。
時折ワクワクしたサッカーを魅せてくれるものの、
持続性がない。サンチェスやエジルも加入当初はきっと
クラブのためという気持ちが強かったと思うのですが、
現状に不満を抱くのは致し方ない事かと思います。
トッププレイヤーの忠誠を得るには勝利を重ねなければ
難しいのでしょうね。
いつの時代でも、フットボーラーのパフォーマンスを左右するのは、心技体で「心」が一番重要と思う自分にとって、チームへの忠誠心はその具現化のひとつであり、自分が応援する選手のプライオリティを決める要素でもあります。
ユニの胸マークにキスをしながら、手のひらを返す形でチームを去っていく選手がほとんどな昨今、ロシツキーはその気持ちに加え、インテリジェンスとテクニックを兼ね備えた稀有な存在でした。
今のガナーズにそんな選手がほとんど見当たらないのは、ボスの求心力が下がっているも要因の1つではありますが、それだけではないでしょう。
勝利が足りない?美しさや創造性に欠ける?時代が変わり、状況も変化しますが、アーセナルにとって、それでも変わらないものがあると信じたいです。
しばらくは、ロッシーロスから抜けられなさそうです。溜息が止まりませんが、週末のレッズ戦でそれを吹き飛ばす快勝を期待します。