【Everton×Chelsea】天晴れビッグ・サム!体を張って守ったエヴァートンがチェルシー相手にドロー!
2分、ヴィクター・モーゼスのアーリークロスに飛び込んだアザールは空振り。ベルギー代表のエースを中心に短いパスで崩しにかかるチェルシーに対して、エヴァートンはボックスを人数で埋めて対抗しています。8分、クコ・マルティナのクロスは、カルヴァート=ルーウィンの背中に当たってクルトワがキャッチします。10分にアザールがクロスを上げると、マルコス・アロンソのボレーはDFにヒット。こぼれ球をプッシュしたバカヨコはゴールライン上にいたジャギエルカに阻まれ、リバウンドに反応したウィリアンのシュートもジャギエルカがはね返します。サイドから再三クロスを入れ、クリアを遠めから狙うチェルシーのアタックは、集中力を欠かさないエヴァートンのDF陣にことごとくカットされます。
22分、右から蹴ったウィリアンのFKは曲がり切らず、ポストの外。23分のペドロの左足シュートも、コースに入ったのはジャギエルカです。32分、速攻を仕掛けたトム・デイヴィスのミドルは左にアウト。昨季プレミアリーグでブレイクした19歳のMFに、クリエイティブなプレイはまだ見られません。35分、今度はチェルシーのカウンター。ドリブルで上がったバカヨコが左のペドロにラストパスを通すと、セオリー通りニアの高めに強く打ったスペイン人FWは、ピックフォードのビッグセーブに顔をしかめています。45分に右サイドでクリステンセンから奪ったカルヴァート=ルーウィンは、ボックスの中に持ち込んだ後、後ろにいたグイェに打たせたほうがよかったでしょう。強引なシュートはブロックされ、数少ないチャンスは潰えました。
前半は0-0。劣勢のビッグ・サムは、後半頭から2枚を代えてきました。アーロン・レノンをサンドロ・ラミレス、トム・デイヴィスをアシュリー・ウィリアムズ。開始早々から猛攻を仕掛けるチェルシーは、ヴィクター・モーゼスのクロスに合わせたペドロがピックフォードにセーブされると、フォローしたウィリアンのシュートもアシュリー・ウィリアムズにブロックされます。50分にピッチに座り込んだグイェは、負傷リタイア。ビッグ・サムは19歳のバニンギメ投入を余儀なくされ、早くもカードを使い果たしてしまいました。5-3-2にシフトしたホームチームは、ボックスに侵入されるシーンが激減しました。さすがビッグ。サム。ハーフタイムの止血治療は的確でした。
63分、コンテ監督の最初のカードはペドロをセスク。66分に左からクロスに放ったアザールの強烈なシュートは、ピックフォードが左に倒れてセーブしました。アザール、マルコス・アロンソとつながったボールにウィリアンが右足を振り抜くも、うまく当たらず。ウィリアンの後を受けたバチュアイは、勝利をもたらすゴールを決められるでしょうか。75分、ヴィクター・モーゼスのクロスに頭を突き出したアシュリー・ウィリアムズのクリアは、クロスバーを直撃してグディソンパークをどよめかせました。コンテ監督の最後の1枚は、ヴィクター・モーゼスをザッパコスタ。82分に左サイドで2人をごぼう抜きにしたアザールは、ラストパスを味方につなげません。
シグルズソンのCKに合わせたマイケル・キーンのヘディングは、惜しくも枠の外。これが決まっていればビッグ・サムの完全なる作戦勝ちでしたが、オンターゲットゼロで勝ち点1なら納得でしょう。終始押していたプレミアリーグ3位にとっては、痛いドロー。サイドからのボールがずれるシーンが多く、時折ノーマークで放ったシュートはDFやGKの守備範囲に飛んでしまいました。エヴァートンの新監督の守備戦術はリスペクトすべきであることと、このチームにしっかり引かれればアザールやペドロ、ウィリアンをもってしてもこじ開けるのは困難であることを確認した一戦でした。ビッグ・サム、天晴れです。(フィル・ジャギエルカ 写真著作者/Chensiyuan)
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