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【Arsenal×Chelsea】追加タイムのベジェリンの一撃で、アーセナルとチェルシーは両者とも痛いドロー!

負ければ4位との勝ち点差が6となるヴェンゲル監督は、絶対に落とせない一戦です。プレミアリーグ22節、アーセナルVSチェルシー。コシールニーとモンレアルが不在の3バックは、アザールとモラタの強力2トップを抑えることができるでしょうか。GKチェフの前にはチャンバース、ホールディング、ムスタフィ。センターにはウィルシャーとジャカ、WBはメートランド=ナイルズとベジェリン。前線にはエジル、アレクシス・サンチェス、ラカゼットが揃っています。対する昨季プレミアリーグ王者は、GKクルトワとケーヒル、クリステンセン、アスピリクエタの3バック。両サイドのヴィクター・モーゼスとマルコス・アロンソは健在、中盤はセスク、バカヨコ、カンテです。後ろが薄かろうがいつも通り戦うと宣言しているようなヴェンゲル監督に対して、コンテ監督は中盤に厚みを持たせる守備重視の布。イーブンあるいはビハインドで後半に入ったときは、ウィリアンやペドロを前線に足してガナーズの急造3バックに襲いかかる算段でしょう。

立ち上がりのチェルシーのアタックが一段落すると、アーセナルは前の3人を中心に反撃。7分のアレクシス・サンチェスのFKは、壁に当たって右に逸れていきます。10分にエジルがアレクシス・サンチェスにはたくと、ゴール前に走ったプレーメイカーに7番が浮かした得意のパターンは、ボールが高くシュートで終われません。14分、チェルシーに最初の決定機。ヴィクター・モーゼスの前線へのロングフィードに対して、追うべきチャンバースが10メートルは離れていたムスタフィまかせという謎のジャッジでモラタのひとり旅を許してしまいます。このところシュートがことごとく外れるチェルシーのエースのミスキックで事なきをえますが、今日はチェフの負担が増えそうな予感です。17分、エジルとのパス交換でボックスの中に侵入して右足を振り抜いたアレクシス・サンチェスの一撃は決定的でしたが、クルトワが右に飛んで触るとポストにヒット。真横に転がったボールをゴールラインテクノロジーでチェックしても、ラインは越えていませんでした。

22分、左からエジルが入れた速いパスを受けたラカゼットが反転して右足を振り抜くと、右隅に飛んだボールはクルトワのセービングが間に合いました。守りに回っていたチェルシーが2度めの決定機を迎えたのは28分。最前線に斜めに走り込んできたバカヨコにセスクの縦パスが入ると、左足の一撃は前に出ていたチェフが上に弾き出しました。チャンバースのミスを咎めたアザールが、左から斬り込んで放ったシュートはDFが壁を創ってブロック。36分にジャカのファールでFKを得たチェルシーは、マルコス・アロンソが左足でドライブをかけるもクロスバーの上に浮いてしまいます。エジルが左からクロスに狙ったミドルは、惜しくも外に切れていきました。

前半終了間際、敵陣でカンテが奪ったチェルシーはすかさずショートカウンター。左のアザールにボールが渡ると、プレミアリーグ屈指のドリブラーは中に持ち込んでヒールで落とし、走り込んだセスクが右隅にシュート。枠にコントロールできれば先制というシーンでしたが、ボールは浮いてしまい元ガナーズのキャプテンは頭を抱えています。前半は0-0。ホームチームはボックス手前までは持ち込めるものの最後でチェルシーの守備網に引っかかり、アウェイのブルーはフィニッシュに精度を欠いています。

後半の立ち上がりは、チェルシーペース。49分、ハーフライン付近でモラタがキープしたボールが左のマルコス・アロンソに渡ると、斜めに出たラストパスでアザールがフリー。クロスに放った渾身の一撃はチェフが足でブロックし、フォローしたバカヨコのクロスに合わせたマルコス・アロンソのヘッドもガナーズの守護神が左手を伸ばしてセーブします。直後、ボックス左から強引に突破を図ったラカゼットがクルトワと1対1。左足の強烈なシュートは足元に入ったGKに当たり、ラカゼットは悔しさを露わにしています。コンテ監督の最初のカードは56分、ヴィクター・モーゼスをザッパコスタです。

62分、ラカゼットとのワンツーでゴール前に抜け出したエジルは、クルトワを引きつけて出したラストパスがアレクシスに合わず。左を執拗に攻めていたガナーズが先制したのは、この直後でした。ウィルシャーが外のエジルに出したパスが中央に戻ると、ホールディングのパスがボックスへ。左から走り込んだウィルシャーの強烈なダイレクトショットが、ポストの内側を叩いてネットを揺らしました。プレミアリーグでの10番のゴールは、2年4ヵ月ぶり。勢いに乗ったガナーズは、アレクシス・サンチェスが再三右から仕掛けるも、ラカゼットのニアを突くシュートはクルトワがセーブします。67分、左からボックスに入ってフェイントをかけたアザールをベジェリンが引っかけてしまい、PK。アザールが自ら正面に決め、ガナーズのリードは4分で消えました。

70分、縦1本でラインの裏に出たモラタは、追いついてきたチャンバースを気にしてニアに外してしまいます。71分のコンテ監督の2枚めは、セスクをドリンクウォーター。カンテが右のザッパコスタに展開し、中央でパスを受けたバカヨコがカンテに落としたシーンは、左隅を狙ったシュートがDFに当たってポストの外に逸れていきます。残り10分、ヴェンゲル監督はラカゼットを下げてウェルベック。コンテ監督はアザールを諦め、ウィリアンの運動量を加えます。83分、チェルシーの逆転ゴールはウィリアンのサイドチェンジからでした。右サイドのザッパコスタがメートランド=ナイルズをかわすと、グラウンダーをニアで叩いたのは何とマルコス・アロンソ!ずっと危なっかしかったガナーズの最終ラインは、逆サイドから走ってきたWBの侵入をケアしきれませんでした。

ヴェンゲル監督は、88分にチャンバースを下げてウォルコット投入。猛攻を仕掛けるアーセナル。ムスタフィやアレクシス・サンチェスのボレーはゴール前の渋滞に引っかかりますが、92分にムスタフィのクロスをマルコス・アロンソがクリアすると、落下点にいたベジェリンのハーフボレーが左隅に突き刺さりました。チャンスを逃し続けてきたモラタは、最後のチェフとの1対1も工夫のないシュートをぶつけてしまいました。フォローしたザッパコスタの一撃がクロスバーを叩くと、やがてタイムアップ。2-2のドロー決着に胸をなでおろしたのは、3バックがあまりにも脆弱だったアーセナルのほうではないでしょうか。

プレミアリーグらしいエキサイティングなゲームで、非常におもしろかったのですが、チェルシーのゴール前はガナーズのアタッカーと熟練の守備陣が対峙する緊迫の攻防、逆のゴールはモラタと3バックのミス合戦&チェフのビッグセーブショーと左右で別な試合を観ているようでした。4バック仕様のスカッドなのに、3バックメインで戦っているガナーズの軋みが如実に出た試合だったように思います。モラタが好調でチェフが普通だったら、もう2~3発やられていたのではないでしょうか。コシールニーとモンレアルという3バックをこなせるCBがいないなら、ドビュッシーとメルテザッカーを起用した4バックのほうがより堅く守れたのではないかと思いました。

とはいえ、ビッグセーブ連発のチェフとクルトワ、久々にゴールを決めたウィルシャー、簡単ではなかったハーフボレーを最高のコースに決めたベジェリン、ここぞというチャンスで逆サイドまで走ったマルコス・アロンソと、随所に見られた好プレーには拍手を送りたいと思います。プレミアリーグでは2試合ともドローだったビッグロンドンダービーの決着は、カラバオカップのセミファイナルでつけていただくこととしましょう。こちらもまた、楽しみです。

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“【Arsenal×Chelsea】追加タイムのベジェリンの一撃で、アーセナルとチェルシーは両者とも痛いドロー!” への9件のフィードバック

  1. ちぇるちぇる より:

    更新お疲れ様です
    確かに両者にとって痛い結果となりましたね。クルトワはビッグセーブが鳴りを潜めていた感じがしていたのですが今日は素晴らしかったと思います。そしてモラタはここ数試合決定機を逸する事が多いですね…
    一本決めたら戻ってきそうな気がしますが…
    去年からアーセナル戦でなかなか結果が出ないのでカップ戦も不安ですが何とか勝ち切ってほしいところです。シティの背中は遠いです()

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    更新お疲れ様です。
    2-2の結果に失望したのはチェルシーでしょうが、勝ち点1という結果に失望したのはアーセナルだと思います。
    CL圏内を目指すのであれば、ヴェンゲル監督としてはホームでどうしても勝ち点3を取りたかった、取らなければならなかった試合だったと思います。
    この結果で「危なかった」「モラタに救われた」等と言ってるグーナーが1%でもいる限り、今季のトップ4入りフィニッシュは難しいなかなと思ってしまいますね。

  3. nor より:

    モラタモラタモラタ。1vs1の0/3はきついですね。確かに一度決め始めると続くのかもしれませんが、、、倒されてのファールアピールよりも、粘って潰れても楔になるプレミアFWらしい強さをそろそろ身につけて欲しいです。

  4. ヒロト より:

    最近までのアーセナルは「ザコ専」と呼ばれて上位相手に苦しんでいましたが、今年のアーセナルは不思議です。下位相手にコロっと負けて、上位相手にはギアを数段あげて好ゲームを演出します。
    ただし、スパーズ戦を除いてはドローだったり好ゲームの末敗れたりと勝ち点をこぼしまくって今の順位です。
    シーズンを通して安定したプレーをしているのがチェフくらいしかいないように見えてしまうのが原因でしょうか。。
    ファンとしても厳しい戦いが続きます。。

  5. ルーカス より:

    なんというか今年のアーセナルは終盤にゴールを決めそしてドローで満足している節が見受けらるような気がします。
    60分に先制点を取ったのならばモウリーニョ並に守備に偏重するなどの勝ちに対する執念が見えてきません。
    内容的には十分アーセナルが勝っていてもおかしくなかったと思うがゆえに残念な試合でした。
    なんというかアーセナルの守備の甘さは人員的なものだけではなく集中力の問題も大きいような気がしますね。

    いずれにせよこのままでは2年連続でCLを逃すことが濃厚ですのでベンゲルの手腕と冬の移籍に注目です。

  6. イレブン より:

    明けましておめでとうございます。
    年明けから熱戦が続きますねー、今回の対戦も期待に違わず熱い一戦でした。
    いつも気になっていて指摘されたところを見たこと聴いたことがないのですが、チェフのPKストップをもうずっと見ていません。
    調べていないのでいつからかは分かりませんが、今ではアーセナルがPKを取られるともう1点は保障されたなと思ってしまいます。
    チェフのファンの方には申し訳ないのですが、これだけ実績があり今回の試合を含め今でも超一流のストッパーであるだけに、PKストップの弱点が他の記事でも見ないのが不思議でしたのでコメントさせていただきました。
    いつも速攻の更新とタイムリーな話題の提供ありがとうございます
    他の

  7. アスピ(ry より:

    メトロで記事にされましたね、アーセナルは実質2013年の1月以降プレミアでPKを止めてないそうです。
    チェフはチェルシーがCL制覇した時にメッシとロッベンのPKを失敗させているので、チェルシーファンとしてはPKストッパーのイメージがありましたが、言われてみればあまり止めてませんね

  8. イレブン より:

    アーセナルのPKストップについてお知らせいただきありがとうございます。
    同じキーパーでもリヴァプールのミニョレは何度も止めているので、PKがあっても態度に自信が感じられます。また止めるかなとこちらも期待して見てしまいますね^ ^

  9. makoto より:

    ちぇるちぇるさん>
    モラタ、心配ですね。前線のマークを分散させやすい3-4-3に戻してみるという手もあるのではないかと思いました。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    内容的には「助かった」という言葉がしっくりくるゲームだったと思います。

    norさん>
    痛かったですね。表情が硬いのが気になります。

    ヒロトさん>
    チェフは素晴らしかったです。GKが凡庸だったら2-2では済まなかったですね。

    ルーカスさん>
    サイドでボールを持たれた際の守り方など戦術的にこなれておらず、適材適所とはいえない起用になってしまっている感があります。3バックを続けるなら、安定感のあるCBと右のWB獲得は必須なのではないでしょうか。

    イレブンさん>
    今年もよろしくお願いします。私も気になっていたのですが、これについては事実関係を調べるほどの情熱がなく、書けないでおりました。もう5年も止めてないんですね。びっくりしました。アスピ(ryさん、情報提供ありがとうございます。

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